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Q-1住宅 / 有限会社 カトウ工務店

地元に根差して40年。高断熱住宅Q-1.0住宅(キューワン住宅)の設計、施工。 翌朝も暖かな家づくりをしています。

空中に続く道。

2004年に弊社で新築工事をさせていただいたお客様のお宅での外装塗替え工事を行っています。

その打合せで今年の1月にお伺いすると、建物周辺に気になるものが埋まっていました。
塩ビ製の直径22cm程度の物が、建物に周りに1.2~2m間隔に設置してあります。

これは、害虫駆除業者が設置をしていくベイトシステムというものです。

お話をお伺いすると、それ以前に他に導入したお客様と契約内容が違う事が気になり調べてみました。

それ以前、お話をお伺いしたお客様は建物周囲に塩ビの円筒系のボックスを設置し、駆除会社の人間が定期的に点検に訪れシロアリの存在を確認したら必要な対応を行い、費用は毎月発生しリース契約だったと記憶しています。

今回のお客様のケースは、設置工事費用のみでその後の定期的な点検については無いそうです。
お客様自身が定期的にボックス内部を点検して、被害に遭っていたら他の場所の駆除薬と入れ替えるというような事をおっしゃっていました。

私は、前者の方法のベイトシステムしか知らなかったのですが、調べてみると『アメリカ式ベイトシステム』という(そもそもベイトシステムはアメリカ発祥だったとおもっていました)表現の物が今回のお客様が採用された方法でした。
この方法は設置したボックス周辺の駆除を無差別に行うもので、建物に向かっていようがなかろうが関係なしという内容の物のようです。

シロアリは樹木や生物の死骸など、他の生物では分解できないものを分解する役割を担う存在で、簡単に駆除をしてはいけない存在だと思っていますので、今回のより凶暴な駆除方式はお薦めしません。

今回、このシステムを導入したのは、屋外にある衝立や地面に刺した木杭がシロアリの被害にあったからだそうです。

 お客様が持っていた業者が提出した調査資料にある写真を見ると、とても興味深い物が映っていました。
それはコンクリート土間の上にある巨大な蟻道でした。


 これは行き先のないシロアリが空中に作る蟻道です。
この写真について業者から説明がありましたか?と確認すると、その写真自体初めて見たようで説明は聞いていないとおっしゃいました。

こんな立派なものは見たことが無かったので、今回お願いして床下に潜ってみました。
このお宅はベタ基礎を採用していますので、土間の真ん中に突然シロアリが湧き出すという事は考えられません。
考えられるとしたらコンクリートに、地面へ続く穴が開いている事ですが、同時に蟻道の材料となるものが(木材)が無ければ、このような立派な蟻道を作る事はありえません。

昔よく聞いた駆除業者の噂、『シロアリを持ち込む』という手口か?実際にその現場を見たことはないあくまでも噂ですが、今回その噂が本当になるのかもと少し興奮したかもしれません。

 いざ潜った直観的な感想は、シロアリが発生するような湿気などは感じられない良く乾いた床下でした。
トイレやユニットバスの下も同様に良く乾燥しています。
予め写真からアタリを付けていた場所には何もありませんでしたので、もう一度写真を確認すると、写真の場所は特定できて何かが存在していたらしい痕跡は見られましたが、巨大な蟻道は撤去されてしまっていました。

痕跡は、土間コンクリートにあいた扇子の紙の部分のような扇形の穴でした。

『!』

この形は見たことがあり、当時の基礎工事業者の施工方法が思い出されました。
確かにここから侵入はするかもしれません。
という事は、他に蟻道が存在している事は十分に考えられます。

このお宅は基礎の強度を確保する関係から、全体を3つのブロックに分けてそれぞれに点検口を設置してあります。
他のブロックに潜ってみると、2ヵ所目には何もなく、3カ所目の一番広いブロックにありました。



少し小ぶりですが、空中に延びる蟻道が。
芸術作品だなと思いながら、崩していきますと、



中央に周りのコンクリートとは質感が異なる場所があるのが分かります。
これを突いてみると、



穴が開きました。



コンクリートの穴の左側面に何か食べ残されたものがあります。
この残されたものから、この穴に何があったのかが分かります。

これ、『竹』です。

土間コンクリートの厚みとレベルを確保する為の目印に使ったものです。
竹は腐りづらいので採用していたのです。
まさかシロアリの被害に遭うとは思ってもいませんでした。

 この竹は防湿シートを貫き、砕石に打ち込まれていますので、土の中にいたシロアリが、この竹が腐朽する臭いに誘われて、この竹を伝って土間コンクリートを超えて侵入してきたのでしょう。
しかし、その先に餌となるものが無く、空気は乾燥し腐朽していそうな木材は無く、コンクリートは冷たく、空中に蟻道を伸ばしてみるもそれ以上の進行を断念したという所です。

同様な蟻道は複数個所で発見されましたが、いずれも基礎の立ち上がりから離れている事と、床下は十分に乾燥していましたから基礎内部からの建物への被害は認められませんでした。
また、存在した蟻道は、建物の中央付近に集中していました。

 この土地は比較的シロアリが多かったのかもしれません。
もし、建物にくっつけて材木を置いてしまったり、花壇を作ったりしていたら建物に被害が及ぶ可能性は大きいので、そういった事はありませんでしたがくれぐれも今後も行わないように伝えておきました。

 今回は施工上の問題でシロアリの侵入を許しましたが、実被害は発生しなかったことは幸いでした。
これが床断熱ではなく基礎断熱としたら、大変な事になっていたでしょう。
(*現在の基礎工事では、こういった竹串などは使用せずレーザーレベルにより高さを測定していますので、土間コンクリートを貫く部材は配管材を除けばありません。)

 防蟻処理と予防(恐らくホウ酸塩の散布)行われているようですので、今回はこのままという事になりました。

 シロアリは生き物ですから、その生態を知れば安全かそうでないかを判断できます。
シロアリにも大切な役割がありますから、過剰に駆除する事には反対です。
兎に角、侵入させない事がお互いの為なのだと思っています。
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研修会。

久しぶりに新住協関東支部の研修会に参加をしてきました。

 今回は現場見学会と座学。

 現場は同じ埼玉県の夢・建築工房さんの現場(大工さん破風板加工取付中)です。
ここ1年位こういった研修会に参加できなかったので、久しぶりに他の方の現場を見せていただくのは、よい刺激になります。

 今回もいろいろな事を学ばせていただき、次回に活かしていきたいと思います。

立春。

立春というと、節分の次の日です。
節分は鬼は外、福は内と豆をまきますが、私の誕生日ですので子供のころから鬼の役を仰せつかる事が多かった2月3日。
なので、立春というと2月4日。

ところが、ご存知でした?

 来年2021年は立春が2月3日になるそうです。
過去にそういった事もあったのかもしれませんが、人生初の『立春』の誕生日が来年やって来るのかも??

楽しみ。

いや、何が変わる訳ではないのですが。

 立春というのは二十四節気で、それこそ四季の状況を表すんですね。
種まきとか、収穫とかこれはやっちゃいけないとかそんな事を、過去の経験から設定したものです。
旧暦で設定されるため、たまにずれるそうですが、将来のカレンダーを見ているとどうやらうるう年の翌年は立春が2月3日になるようで、節分は2月2日になるみたいです。
過去、そんな事があったんだったかなぁと思いつつ、過去の手帳を引っ張り出して見るとうるう年もその翌年も2月4日が立春でした。
やはり、来年が人生初なのかもしれません。

 誕生日が鬼退治と春の始まりでは、印象が違いますからね。
やっぱり、楽しみです。

不具合の発生について。

1月25日頃から、こちらのブログ及びHPのサーバー不具合で一切の表示が出来ず、操作も出来ずの状況が続きまして、2月3日現在、すべてではないですが投稿は出来る位復旧しています。

 期間中にお立ち寄りいただいた皆様には、ご不便、ご心配をおかけしまして大変申し訳ありませんでした。

検査。画像投稿の練習

昨年の2月に受けた健康診断の結果、便潜血が見られE判定を頂きました。
便潜血でE判定をいただくと即大腸スコープだそうです。
再度検便で済ます訳にはいかないそうです。
精密な検査を受けなければなと思いつつも、とても忙しくなってしまい、僅かに頭の片隅に引っかかってはいたのですが、それどころでは無くなってしまい放ってしまいました。

 しかし10月になって状況が一変し、翌年1月中にE判定を覆す必要が出てきてしまい、急いで近所の胃腸科に赴くも秋の健診が終わったばかりで検査が大変混み合っており、検査を行えるのは翌年3月と言われてしまいます。
どこの医療機関でも恐らく2〜3ヶ月待ちだとも。
僅かな希望を胸に、近隣の総合病院に電話で検査の予約を取る為の診察の予約を12月に入れました。
その時点(11月)で検査が出来るのが1月中旬という事でしたから近所の胃腸科よりは早く出来そうですが、診察が1月以上先では1月中の検査は到底無理だろうと諦めていました。

 そんな訳で開き直って、焦る必要もなく気持ち的に余裕を持ちつつ12月20日に総合病院付属のクリニックに診察に出向き、検査の予定を聞くと「来週出来ますよ」とか。

 バカな。
電話で確認した時よりも早まっているじゃないか、一月以上も経つのに予約が伸びるどころか縮まるなんて完全に諦めていたのに間に合うじゃないかと、このお医者大丈夫か?そう叫びたい衝動を抑えつつ、流石に年の瀬、翌週に検査を受ける余裕など無く年明けにして欲しいと告げると、1月7日とか。
それでも想定より充分に早いし、間に合う。
 お正月休みを長く取ればいいかということで、平静を装いつつそこで受ける事としました。

 大腸スコープは初めてですが、前日から準備が始まり2日掛かり。
1日目は病院へは行きませんが、食事制限が課され保険適用外のレトルト食品を朝昼と食べます。
グリコの製品でしたが、これは性別や年齢の違いは関係なくこの量なのでしょうか。
私には少な過ぎる量でした。
夜は絶食し小さなボトルに入った下剤を、コップの水に混ぜて飲みます。

夜中にトイレに起きました。

 翌日はこの腸内洗浄剤をa液とb液を混ぜたり水を入れて作り、15分単位のスケジュールに従い飲みます。
診察の時の説明ではが少々飲みづらいと聞かされていましたが、確かに少し酸味があって想像していた味とは異なり抵抗はありますが、何かに似ているなと思って考えていたら、ふと、一銚で飲んだ男梅サワーに似ているなと。
男梅のドリンクと思ったらそれ程嫌な味には感じなくなりました。

 余談ですが、一銚には男梅サワーと梅サワーがあって、そんなに味が違うものかと飲み比べてみると全然違う。
全然違う味なのですが、どちらも梅の味だと認識できる事が不思議だなと感じたのを覚えています。
男梅の方は作られたというか、駄菓子の梅味なんですよね。
だからきっと梅味の駄菓子を食べた事が無い人は、梅味とは思わないかもしれません。
動でも良い話ですが。

 飲み始めて1時間が経過した頃から、便意に襲われます。
トイレに住み着こうかと思うくらい頻繁に。
そうして排泄されるのは液体ばかりとなり、その液体もどんどん色が薄れて事前に渡されていたカラーチャート通りに変化していきます。

 頻繁に襲う便意の苦しみからは、洗浄剤を全て飲み終えてしばらくして解放され、あとは水を飲みながら検査の時を待ちます。

 検査の時間間近に病院へ車を運転して行き、検査服に着替え腸の動きを鈍くさせる薬?の点滴を受けながら、看護師さんなのか麻酔医さんに、麻酔を使うかどうかの最終確認をされましたが、車で来たのだから何も無ければ車で帰りたいので要らないと伝えました。

「痩せてもいないから、すんなり入るとは思うけど…」

なんて事を言われて、太っていた方が入りやすいのはなぜだろう、痩せている=筋肉質で締りが良いのかな?太っていると緩いのか?なんてことを考えつつ、初めてなのだから自分はすんなり入るのか、どれくらい痛いかどうかも分からず、また、凄く痛くて二度とやりたくないと言う人の話も聞いていましたので、判断に迷うところでしたがそもそも車で帰らないと行けないので麻酔は辞めておきました。

 そうして自分の番が来て検査室に通され、言われるままにベッドに横になりちょうど腰の前、床から1m30cmくらいに有るモニタを眺めながら検査を受ける事としました。

 ローションをたっぷり使い、スコープは侵入してきます。
赤い内部を行ったり来たりしながら進んで行きます。

ん?進んで来ますですね。

その様子がモニタに映し出されます。
痛みはなく、違和感もそれ程なく、ただ大腸を膨らませるのでお腹が張るのが辛いだけでした。
 初めて見る自分の大腸は…まぁ、TVで見た誰かのと同じ感じだなと。

 検査の取り敢えずの結果としては、幸いガンもポリープもありませんでしたが、内壁に点々と赤くなっている部分があったので、小学校の電気回路の実験で使ったクリップの先のようなギザギザしたハサミを入れ、これを開いて患部に押し付け組織を千切り取ると言うことを2カ所で行いました。
千切られる時に、抑える事も出来ないのに凄く痛かったらどうしようかと思いましたが、血が出ていても特に痛みも無かったのでやはり、誰かの大腸をテレビで見ていた時と変わらないなと。
採取した組織を検査するので、その日はそのまま帰り、結果を聞きに行くのが1月25日です。

 ギリギリ1月中に、ケリが付きそうです。
組織の検査の結果が少し怖いですが。

プロフィール

埼玉県鴻巣市で創業40年。 地域に根差し、お客様にとって最適な工事を提供出来るよう心掛けています。

HN:
加藤茂貴
性別:
男性
趣味:
コンガ、ジャンベ等パーカッション演奏
自己紹介:
会社名称:
 有限会社 カトウ工務店
 (1級建築士事務所併設)
所在:
 埼玉県鴻巣市松原1-20-10
tel/fax:
 048-541-1014 / 541-1017

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