あくまでも個人的な考えなんです。
漠然としています。
少し珍しいプランについてだと思ってください。
先日、某SNSで知り合いの方と2階リビング、浴室プランの事で意見の交換を行いました。
私は少々大げさに『将来的に引っ越しが必要なプラン』と言いました。
2階への移動が出来なくなった時点で、その家で生活する事は難しくなりますから。
2階リビングには外界の視線を感じづらいので、カーテンなどが必要なくなったり、採光をふんだんに取り入れたりとメリットも多いものです。
地方へ行くと眺望もよくなりますから、2階リビングもより魅力的になります。
その一方で、必ず2階へ上がらないと生活が成り立たないとう問題も残ります。
例えば、ぎっくり腰や足の骨折等で階段を上りづらくなったり、脳卒中の後遺症で麻痺がでてしまったりした際などの2階への移動が困難な場合の対応に苦慮します。
また、そうなった本人だけでなくその介護を行う家族にも負担はかかるのです。
SNSでのプランは、1階が寝室で2階にリビング、浴室というものですから、動きづらくなった人は1階の寝室にいる事になりますし、SNSの相手も『障害者は1階寝室』と言っていましたからそうなります。
食事、入浴は2階ですが、それは難しいので家族が2階から食事を運びまた、片付、入浴は絶望的ですから体をふく準備をして1階に下りてきます。
家族との団らんは取りづらくなり孤独を感じるかもしれません。
解決策として『ホームエレベータ』があります。
これがあれば、だれでも2階へ移動できますから問題解決です。
しかし、今回の意見交換の前提は、あくまでも健常者が生活する住宅の2階リビングだったと思っています。
例えば、建築主の年齢が35歳とすると、健康で歳を重ね加齢により体力が低下して階段の上り下りが難しくなるのが80歳位とします。
そうすると、45年、ホームエレベータは別になくてもよい設備になるはずです。
その間に導入コストは勿論ですが、定期点検の費用が発生し、45年の間には故障もするでしょうし、全体の更新が必要なケースもあるでしょう。
健常者(将来も健常者でいられると信じて疑わない方々)は、2階リビング、浴室でもホームエレベータは要らないというでしょう。
採用するにしてもそれは、万が一ケガなどで階段が登れなくなってしまった際の『保険』として設置する側面が大きいと思います。
でも、そう考えるのって無駄な気がするんです。
将来何があるか分からないのに、それに完璧に対応できるようにするというのは無理があります。
2階リビングにしたいならしたら良いのです。
私は別に反対はしていないのです。
リットを十分に享受して充実した日常を送り2階リビングの住宅に住みづらくなったのなら、その家はそういったプランを欲しがる方に住んでもらって、自分はその時点で都合の良い家に住み替えればそれでよいのです。
最近の住宅は、以前の20年位で建て替えるような『スクラップ アンド ビルド』とは変わって長寿命化しているはずです。
例えば、子育て世代向けの住宅とか、高齢者向けの住宅とか、特定の世代に向けたプランの住宅が増えていけば自然と住み替えていくというスタイルも出来上がっていくのかなと思います。
昔から住宅は車で例えられることが多いです。
例えばお金の事。
本体価格だけでは乗れない(住めない)ところとか。
法的な縛りがあるところとか。
性能の面とか。 省エネ性能、安全性能等高性能化がすすみ、値段が高くなっていくところとか。
最近は、車価格の上昇もあってか残価を保証したサブスクで車に乗るという方も増えているようです。
一時的に大金を払うのではなくて、毎月定額を支払い、一定期間経過したら乗り換えるか買い取るかを選択するという方法ですね。
場合によっても保険も、メンテナンスも含んだ契約が出来るようです。
総支払は当然一括で購入するよりも高くなるでしょうが、気に入らなければ一定期間で乗り換えが出来るというのは魅力かもしれません。
住宅も将来的には同じような形になるかもしれません。
一定のメンテナンスを続ける事で、住宅の価値を維持してあげれば、20年、30年経っても十分な価格で売る事も出来るはずです。
そんな時代になっていくと思います。
そういった事をなんとなく思っていて、2階リビングのプランは『将来的に引っ越す必要があるプラン』と言ったのです。
合わなくなったら住み替えればよいだろうという考えからです。
これからは、色々な意味(耐久性、性能、各世代が必要とするプラン等)で資産価値のある家を作り、維持していく事が大切。なんでしょうかね。どうでしょうか。