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Q-1住宅 / 有限会社 カトウ工務店

地元に根差して40年。高断熱住宅Q-1.0住宅(キューワン住宅)の設計、施工。 翌朝も暖かな家づくりをしています。

欄間。

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長い梅雨が明けたらそこには、酷暑な夏が待っていました。


 毎年、高断熱ではない自宅で快適に過ごすために、少しずつ手を加えてきましたが、こうも熱くなってしまっては、思い切った手段を用いないと難しいなと思っています。

 そうなのです。

 じつは、高断熱のQ-1.0住宅に取り組んでいながら、自宅は旧来の断熱性のは低く、隙間の多い住まいなのです。
Q-1.0住宅に住めるお客様を恨めしく思いながら、早く、Q1.0-住宅に住み替えたいと思っています。
その反面、旧来の住宅に手を加えて環境を改善することもまた、様々な気づきがあり大切だと思っています。
いや、負け惜しみじゃないですよ、本当にw。


 思い切って手を加えたいなと思っているのは、天井付近の開口部。

 所謂、『欄間【らんま】』です。

 昔の日本の家屋には必ずついていました。
透かし彫りの彫刻や、細かな組子細工をはめ込んだ、天井付近の開口部。

 広縁の外部のガラス障子の上部にも、開閉可能なガラス障子が嵌っていたりします。

 この部分は、室内の熱い空気を屋外に排出する役割を担っていました。
欄間は軒天近くにあり、強い風を伴う雨でなければ吹き込まれることも少なく、開け放して置くことも出来ます。
 現在の建物ですと、ランマ付のサッシとすることは殆んどなくなってしまいましたし、部屋の出入口の上に開口部が付く事も少なくなってきました。
 無くなってしまったのは、サッシの断熱性の問題で冬に寒いという理由と、プライバシーの確保という理由と、予算が上げられるでしょうか。

 冬の事を考えると本来は開閉できるタイプのランマにするべきなのですが、恐らく、部屋同士の間に用いられていた彫刻や緻密な格子が、縁側や廊下側にも採用される事により飾りとして扱われることが多くなり、本来の役割が忘れられてしまった事により、『音は漏れるし、冬は寒い』という記憶だけがランマの印象として残ったのでしょう。
もちろん、和室が減ってしまった為、和室と共に採用されることが無くなってしまったという事も言えます。


 さてさて、我が家も欄間がどこにもない住まいです。
かつてはあったのですが、リフォームの際に和室から洋間、それもキッチンに変えたので塞いでしまったという背景があります。


 我が家も夏の日差しで熱せられた瓦屋根により、小屋裏は高温になります。
高性能グラスウール16k 200mm厚を敷き詰めた我が家でも、小屋裏換気がうまく機能していないという事もあり、天井からの輻射熱を感じます。
もしも、外壁のサッシに欄間がついて、各部屋の出入口上部にも開口部がついて空気が流れるように換気経路ができていれば、天井付近の熱い空気は外部に効率よく排出されるでしょう。
それに、空気が流れる事で天井面の温度が多少は下がるはず。

 換気経路を確保するために、室内の出入り口の上に開口部をつけることは、難しくはないのです。
見た目を気にしなければ単純に穴をあけて、冬季に塞げれば事は済みます。
我が家では、5か所必要になります。

 外気との換気は、自然換気であれば、それなりの面積が必要で、サッシを取り付けることになると思いますが、下地を作るためには大きく外壁を開口する必要があります。
設置個所は、各居室と廊下で、我が家では最低4か所。
後付けのサッシは、雨漏りのリスクが大きいので考え物です。
方位によっては余計な日射が増えるという難点もあります。

 現在義務付けられている24時間換気を参考に機械換気を導入するならば、換気経路を明確にし、パイプファンを1か所設置する事で十分ですから、それほど難しくありません。
隙間が多いので、計画通りの換気量は期待できませんが。

 と、以上のことを踏まえると、外壁はパイプファンを温度センサーを組み込んで取り付けようかと思います。
内部に関しては、機械換気なので100φの塩ビパイプを使用して、コーキングと気密処理用のテープを駆使し固定と壁内の空気を室内に引き込まないように注意しようと思います。
冬季は中に念のためGWを詰めて、塩ビのキャップをつけて密閉すれば済むかなと。
外壁の給気孔も同じような処理をしようかなと。

 いつ実現するかは分かりませんが、来年の夏までには頑張ります。
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方位に関して書き散らし。

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ようやく長い長い梅雨が明けて、夏がやってきました。

しかし、あっつい。


 昨年、弊社の移動手段として仲間入りした、e-vino(電動原付自転車)で近所のお客様宅をめぐります。
夕方走っていると、大きな窓に西日を受けて暑そうなお宅を散見します。
古い住宅は、方位関係なくそれなりに大きな窓が付いていますが、西向きの家というのは殆んどありません。
 新しい住宅だと、大きな窓が方位に関係なくついているようなものは少なくなってきますが、そういう事ではなく、これどうなの?というものがあります。

 南側に大きな吐き出し窓。
それも、折戸タイプの全開できるタイプを配置するのが、この分譲地の流行なのでしょうか。
シャッターは付けられませんし、雨戸なんて事はありません。
窓の上に霧除けも庇も跳ねだしのベランダもない、でっぱりの無い平面な南面。
夏の日差しも、たくさん入るでしょうし、少しの雨でも閉めるしかなさそうです。
出っ張りがあれば、日射対策も外壁から離れて風が抜けたりしますが、それも出来ません。

 方位を考えずに道路に面して、居間を持って来て大きな窓を付けたりすると東向きだったり、西向きだったり。
北向きのお宅は、殆んど見かけませんね、流石に。

 南北に走る道路に面する分譲地はどうしても、道路面の間口より奥行きが長いことが多いので、隣家も近く、南面の採光を1階で得ようとすると難しくなってしまいます。
その分を、東西で補おうという考え方は当然です。
道路面には2台以上の駐車場が来るでしょうから、道路から少し距離があるのでこの部分で、有効な日射対策を考えられればなと思います。

 冬季の日射は大切で、夏季では厄介者の西日もとても大切なのです。
夕方に室内に熱を貯めこめれば、夜間の暖房費が抑えられることが期待できます。
しかし、夏季の西日は、30cm角位の小さな窓でさえ、かなりの量の熱が入ってきますから、日射を遮る対策が必要になります。
対策は、屋内よりも屋外が良く、窓から離れていると通風も取れるので、なお良しという所です。

 西日は、太陽高度も低く、窓の上に霧除けや庇を付けても効果がありません。
鉛直に遮る物で風も抜ける物が理想です。
風の抜けないもので作るとなると、それ自体が熱くなって、輻射熱を発する様になると室内に容赦なく侵入してきますので、それ自体を冷やす工夫も必要になるのです。
別に人工物でなくてもよくて、落葉樹やグリーンカーテン等、植栽でも良いのです。

 ウッドデッキと、パーゴラ(垂木は高さのあるものを、建物と平行にある程度密にすると日射を防ぐ)を付けて、先にすだれをぶら下げたり、メッシュ状のロールカーテンを付けたりすると良いかもしれません。
視線も遮られますから、ここでゆっくりと過ごす事も出来そうです。


 最近は、工期と品質のバラツキが少なそうなので吹付断熱が増えてきて、断熱性能が上がってきている事を考えると、西側に大きな掃き出しサッシを、2つも3つも並べるのは考えたくないですね。
断熱性能があがり快適な性能を持っている筈が、とてもいられない環境になりかねません。
1階の南面は無理でも、2階から吹抜けを経由して、日射を確保するとかやり方はあるはずです。



 とあるところで見つけた大手メーカーの新築住宅。
敷地は南、西の道路と接する角地で、南北に長い土地です。
駐車場は南側。
大きな掃き出しサッシは・・西側に並んでいます。
南側には、縦長の細い窓が3つ。

 詳しいプランは分かりませんが、東側道路の南向きプランを西向きに90度回したような感じです。
北からキッチン、リビング。
玄関は南側。
駐車場も南側。
注文住宅で、このレイアウトはいかがなものなのか。

 省エネ大賞受賞を謳う、恐らくそれなりの断熱性能を持つこの住宅の夏は、どうなるのでしょうか。
他人事ながら、心配になってしまいます。
そろそろ引き渡しのようです。

公民館。

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新型コロナウイルス感染拡大予防の観点から停止されていた、公民館の貸館業務が再開したものの、吹奏楽の練習には未だ厳しい制限が課せられており、個人練習は可能なものの、合奏練習は出来ない状況です。

 確か、3月から利用が停止されましたから、もうすぐ5カ月が経過しようとしています。

 今月から同じ部屋での個人練習は可能となり、団員に利用を募ったのですが、団員それぞれに事情があり利用を見送るケースが多くて、個人練習も中止となりました。

 自宅に防音設備があったり、音量を抑えて練習できる団員は良いのですが、どちらもない場合、個人練習も出来ない、しないケースもあるでしょう。


 また、活動目標は人前での演奏ですが、その方法をプロの楽団であっても模索中です。
特に人の呼気で演奏をする吹奏楽器は飛沫が問題となるので、現在、実際に飛沫がどの程度どの様に飛散するかを調査して対応策を考えるという事を始めたところです。
アマチュア団体に至っては、いつ人前での演奏が可能となるのか・・。


もしかして、団の存続の危機?


 そんな事は考えたくないですが、再び皆で集まった時には、かなりレベルダウンしているのでしょうね。

野菜が腐る。

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家の中、同じ気温になるとどこも暖かいですから、野菜を室内に置いておくと傷みやすくなります。

 床下収納ならと思うでしょうが、床下収納も基礎断熱なら当然、床断熱でも収納庫自体は断熱していますから、室温に近い温度なのです。

 専用の冷蔵庫などを使うのも手ですが、それではエネルギーの消費量が増えてしまいます。
ですから、そこは断熱の外の部屋を作ってそこに貯蔵する事で解決出来ます。

省エネ住宅は当たり前?。

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このご時世ですから、省エネ住宅は当たり前。
どこのメーカーも『エアコン1台で冷暖房可能』とか、『家中どの部屋も室温の差がありません』なんて事を言うかもしれません。
もしかするともう、そんな事も改めて言わない程に省エネ住宅は当たり前なのかもしれません。

 住宅展示場で、内部ばかりではなく外部、それも裏の方を見てみるのも面白いものです。

 省エネ住宅なのにエアコンの室外機がずらっと並んでいたら、それって省エネ住宅なんでしょうか。

 お粗末な断熱性能の住宅で、エアコンをがんがん動かしていれば、家中同じ室温にする事も可能でしょう。
本当に省エネなのは、少ない設備でそれを実現する事です。

 エアコン1台でというのも無理ではないでしょうが、エアコン2台がいいですね。
夏用と冬用。
空気は暖かいと上に溜まり、冷たいと下に溜まります。
 冬の暖房は低い位置に付けたエアコンで行い、夏の冷房は高い位置につけたエアコンで。


 自給自足の家というのも聞こえてきますが、どんな建物でも極端な話をすれば実現できます。
太陽光発電パネルを大量に載せて発電し、大容量の蓄電池を設置すれば可能でしょう。
理想は、小さな設備で自給自足が出来る事です。
それを実現できるようにするには断熱性能の向上が必須です。


 もう一つ、隙間相当面積(c値)。
住宅にどれだけの隙間が開いているかという数値です。
最低でも1.0。
出来れば0.5以下。
これも、住宅展示場の担当者に『C値はいくつ位ですか?』と聞いてみてください。
この部分は職人の意識の高さに依存し易い部分です。
適当に造れば、C値は低くはなりません。
その為、多くの職人を使うメーカーでは3年前のデータでは、2.0位と言われていました。
専用部材や施工方法の開発で良くはなっているのかもしれませんが、それでも同じプラン、デザインの住宅を建てても職人によってばらつきが出るでしょう。
メーカーとしては簡単に『1.0以下』と言うのは難しいと思います。

 実はこのC値は侮れなくて、例えば0.5を実現する仕様で設計して実測2.0だったりすると、省エネ性能は当然悪くなりますし、空気環境は悪化し易く、結露が発生してしまうなんて事も起こり得るのです。



 断熱性能は、将来に渡って低下しないとは言い切れませんが、後から断熱リフォームをするよりも新築の時点で行った方が、安く出来ますし、性能も高いのです。
もちろん、前述のC値も低くなります。
 一方で、冷暖房設備、発電蓄電設備というものはいずれ交換しなければなりません。

 更新するものは小さく安いもので、更新しなくて良いものは少々高くても性能重視が良いと思うのです。

プロフィール

埼玉県鴻巣市で創業40年。 地域に根差し、お客様にとって最適な工事を提供出来るよう心掛けています。

HN:
加藤茂貴
性別:
男性
趣味:
コンガ、ジャンベ等パーカッション演奏
自己紹介:
会社名称:
 有限会社 カトウ工務店
 (1級建築士事務所併設)
所在:
 埼玉県鴻巣市松原1-20-10
tel/fax:
 048-541-1014 / 541-1017

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