酸性雨が問題となって久しく、それに伴って銅製の雨どいに穴が開くという事態が発生しています。
大抵、銅製の雨どいは和風建築で採用されますから、瓦屋葺きで樋に雨が落ちる部分が集約されますので、瓦の谷の位置で穴が開きます。
現在は、銅板を外側に張り付けた雨樋が採用されたり、内側をコーティングしたりします。
今回は、そんな穴が開く銅製品の話。
でも、酸性雨は全く関係がありません。
今年の6月頃に漏水していると連絡が入ったお客様のお宅。
給湯管からの漏水でした。
一部の配管を架橋ポリ管に替えて修理をしました。
昨日、同じお客様からまたもや漏水の連絡が。
職人に行ってもらうと、やはり給湯管からの漏水。
築30年を超える、弊社で建てた建物です。
現在の給湯配管は、給水配管と共に架橋ポリで行われます。
その前は、銅管が採用されていました。
銅管は漏れないという神話的な話がまかり通っていた当時、給湯配管は銅管が当たり前だったのです。
それが、施工から30年を超えると漏水の報告が入る様になってきました。
銅管にもエルボやチーズ等の部材があり、これらを現場でロウ付けしていくのですが、このロウ付け部分の接着不良かと思いきや、そうではなくて直管部分の特に何もないところでピンホールの穴が開くのだそうです。
今回も何もない直管の部分でのピンホールでした。
そこを直していると、近くの別の場所でも穴が開いて漏水が始まる。
そんな現場が良くあるのだそうです。
つまりは、外からは分かりませんが、管が薄くなってしまっている部分があちこちにあるかもしれないという事です。
こうなると、今漏れている所を直しても直に、他でも漏れるそんな可能性が出てきます。
今回は2ヵ所で済みましたが、次回も漏れる事が予想され、短いサイクルで発生する様であれば、配管全体の交換も考えなければなりません。
築30年を経過して、給湯管に銅管を採用している場合は、漏水に注意です。
そういえば、昨年末から年明けに発生した雨漏りか漏水か分からなかった現場も、結局は給湯管の銅管にピンホールが出来ての漏水でした。
あの時も具体的な原因は分からなかったのですが、管を固定するサドルで圧迫されていたのと、急に曲げてあったが何らかの影響を与えたのだろうと思っていました。
恐らくそれを要因として、配管の欠点部分に作用して穴が開いてしまったのだろうと、今となっては思うのです。
しかしこれは、当時では考えもしないですし、不良部分を見つける事も被覆があるので外から見るだけでは無理なのです。
設備配管は、寿命がありいずれは更新しなければならない。
そう行く事なのです。
今後の住宅の寿命は今よりも長くなる筈ですから、そういった更新する事も念頭に設計を行わなければなりません。