昨年末に防音対策を施した部屋の床がペコペコしているので直すことになりました。
部屋の半分(ピアノを置くために強化してあるらしい)はしっかりしていますが、残り半分はかなり凹みます。
床がペコペコするとか、凹みとかという症状の場合は合板製の床板に多く見られます。
合板は薄い板を繊維が直角になるように奇数枚接着剤で貼り合わせた物ですが、床下の湿気や結露の影響によってそれぞれの薄い板が伸び縮みを繰り返すうちに接着剤が切れて1枚だった合板が奇数枚の薄い板が重なっているだけになり柔らかくてなってしまう事で起こります。
その場合、床板を支える根太(ねだ)は健全であることが多く、約30cm間隔で線状に硬い部分がある事で見分けます。
しかし今回は30cmなんてものではなく、全体に下がる状態でした。
この言った場合には、根太、若しくはその下で根太を支える大引(おおびき)か壁際であれば根太掛け(ねだがけ)、大引を受ける床束(ゆかつか)のどこかで不具合が発生しています。
その多くはシロアリ被害か、木材に欠陥があって折れてしまったのどちらかです。
はたして今回は根太の不具合でした。
最近の木材ではあまり見掛けないですが、一部に樹皮が付いている断面が扇型のものが使われており、この樹皮の裏に虫が入り込み樹皮が剥がれて強度が落ちたと言ったところです。
古い住宅だとあちこちにこう言った材料が使われていましたが、今では一切見なくなりました。
こう言った材料の癖を見抜いてそれこそ適材適所に使うのが大工でしたが、そう言った技術も失われてしまったようですね。
愚痴っぽくなりました。
すみません。
で、このお宅は築60年を越える2階建木造店舗に台所と浴室を平屋で増築したものです。
その増築した部分を防音施工したのが今回の現場。
床下を覗くと水廻りの痕跡が見て取れます。
ここが台所でこっちが浴室で…。