築28年のお宅で、廊下の床を重ね張りしていた所、玄関でシロアリの被害に遭っているのを見つけました。
場所は、下駄箱の裏の付け框。
6尺の付け框全体がすっかりと被害に遭っていました。
材質は、スプルス。
柱は和室の柱なので、桧。
土台も桧。
筋かいは、桧でしょうか。
間柱は、米栂。
貫は杉。
付け框以外で、被害に遭っているのは間柱の米栂。
画面右側のものは殆んど残っていません。
左側のものは、ホゾの加工がしてあり巾木とくっついていない部分では、被害に遭っていない事が分かります。
餌となる木材に接している部分から、移動していくのが分かります。
間柱は、付け框につっくいていたので被害に遭ったのは分かりますが、同じ付け框にくっついていた桧の柱は、表面を荒らされていますが奥にまでは入り込んでいない様子です。
土台もタイルに隠れた面は何とも言えませんが、見える部分は健全です。
向こう側の根太や、荒床、貫などに被害は一切ありません。
よくあるイメージとして、木材全てを、片っ端から食らい尽くすなんて事はしないのだという事が分かると思います。
と言いましたが、シロアリは『これが好き』とかいう好みは無いようです。
目の前にあるものをただただひたすらに齧るそうです。
コンクリートでも目の前にあれば齧るようですが、流石に硬すぎて齧ったかどうかは分からないという所でしょう。
じゃあ、なぜ今回は桧は齧らずに米栂をかじったのかというと。
シロアリ1匹の行動に注目しても、被害がどう広がるかというのは分からないのです。
シロアリは集団で行動していますから、集団でどう動くかを考えます。
例えば、シロアリを水(『シロ水』とします)で、木材はそれぞれシロ水を吸う、浸みる速度が違うとします。
被害を受ける事を濡れる、びしょぬれになると表現します。
スプルスや米栂は、スポンジが水を含むように短時間でシロ水が浸みていき、桧は少しずつシロ水が浸みていきます。
シロ水が、タイルの裏からスプルスに到達すると勢いよく浸みてびしょぬれになっていきます。
その途中で桧の柱に達し、桧にもシロ水が浸みていきますが、少しずつなので少し表面が濡れる位で、びしょぬれとはなりません。
その間にも、スプルスにはどんどんと浸みていき、同じようにシロ水が浸みる米栂の間柱に到達し、シロ水に桧より後に接しているにも関わらず、シロ水を多く吸い上げてびしょぬれになるという感じです。
どうでしょうか、なんとなくイメージ出来るでしょうか。
話を戻しますが、被害が酷い範囲は、屋内の下駄箱とくっついていた部分。
中央の柱から式台にかけて、比較的被害が酷いのでこの周辺から侵入したのでしょう。
土間床の下の土から基礎とタイル(団子張りの為、隙間が多い)の間を通り屋内に達したと思われます。
シロアリ駆除業者に、駆除と防蟻処理をしてもらいました。
あくまでも『駆除』と『防蟻処理』です。
『消毒』って表現をする事も多いですが、虫に対しての処置に『消毒』というのは違和感を感じます。
シロアリは目に見えない得体のしれないものではないですし、何もないところから湧いて出てくるものでもありませんから。