7月から8月にかけて、中古住宅の内装リフォームをさせていただきました。
建物は軽量鉄骨系HMのものです。
お客様のご希望は、LDKとそれに接する和室6帖を一つにする事と、床壁天井の仕上げ直し等。
現場を見させていただいて、LDKと和室の間の間仕切壁はあっちとこっちの壁までの引き分けの戸襖【LDK側が化粧板で、和室側が襖紙の建具】があり、取り払う事が出来ますとお伝えしました。
外付け【建具の枠が壁面より飛び出して取り付けてあるもの】でない引戸の場合(壁の厚さの中に納まっている)、建具が動く範囲は穴が開いている(壁がない)のと同じなので、引き分けの場合は建具4枚分の穴が開いているのと同じなのです。
つまりは、この部分は垂壁しかない状態と同じです。
垂壁しかないという事は、大きな断面の梁が室内に一部出てきていると考える事も出来ますが、LDKに梁は見られませんから、構造的にはこの垂壁部分だけ大きな梁があるとは考えづらいのです。
そもそも鉄骨造で、一つの部屋の中のあちこちで梁の大きさが異なるなんて事はありませんし。
で、解体してみるとこの垂壁、梁とも繋がってもおらず、無事に取る事が出来、無事に広い空間が生まれました。
壁や天井の仕上げ直す場合は、いろいろな事が出来ます。
今回のような間取りの変更の場合、必要になる照明器具やコンセント等の位置替えや、新設、廃止。
出入口の閉鎖も出来るようになります。
また、重い額や液晶テレビを壁掛けにする場合の補強なども、簡単にそして仕上がりも綺麗に出来ます。
仕上がった後の家具配置や、生活スタイルを考えておくことはとても大切な事です。
鉄骨造の強みは、材料強度が高いので柱の数が少ないという事ですかね。
その為、今回の様に2部屋を1つにするなんて間取り変更は簡単に行う事が出来ます。
木造の場合は、最初の間取りで構造を計画されることが多い為、壁を抜いたりする事が難しかったりします。
間取りと構造を切り分けて考えられると、将来的に汎用性のある建物になるのですけどね。
私も学校では、間取りを作ってから構造を考えるという手順を教わりましたし、プレカット業者も同様のやり方で加工図を作ってきますから、未だに間取りと構造が一体となっている建物が多いと思います。
軽量鉄骨住宅のリフォームは余り経験がありませんが、色々と発見がありました。
配線器具【コンセントやスイッチ等】のプレートには簡易耐火用の鉄板が入っていましたし、1階の天井は石膏ボード9mmの2枚重ねでした。
解体して初めて分かり、当然予算は計上していませんが、そういう仕様の建物の場合、同じ仕様で直すのが当たり前ですので、壁紙を貼り換える範囲にあるプレートはすべて同様の物に交換し、天井も石膏ボード9.5mm【規格の変更があって暑さが増してます】の2枚重ねにしました。
当初の計画よりも追加があり、工期いっぱいで仕上げる事となりましたが、お客様には喜んでいただきました。