シリンダー錠って、ご存知ですか?
あちらこちらで使われている鍵なの事ですが、シリンダー錠に関係する不具合が2つほどありましたので、紹介します。
一つ目は、私が普段乗っているスバル サンバーの軽トラック(現在は販売終了。RRの希少なレイアウト。農協が販売していた農営サンバーで農家に人気。)のエンジンがかけられなくなりました。
かからなくなったのではなく、かけられなくなりました。
というのは、普段使っている鍵はある程度使い込んだオリジナルキーを元にして作った、合鍵でその鍵も長きに渡り使っていたので、結構すり減っていました。
ある日、現場へ普通に乗っていき、エンジンを止めて用を足し(小便ではありません)再びエンジンを掛けようと合鍵を差し込み、スターターを回そうとひねっても鍵がびくともしません。
ついさっきまで、何の不自由もなくかかっていたのに。
幸い、閉じ込み用にもう一本を持ち歩いているので、そちらを使ってみるとエンジンをかける事が出来、事なきを得ましたが、本当に焦りました。
その後、合鍵は引っかかりがあり、使うにはストレスフルな為、合鍵の摩耗が原因だろうと、同級生の車屋さんにメーカーに新しい鍵を1本発注しました。
しかし、その後何事もなかったかのように、合鍵が使えるようになりました。
まだまだ、乗り続けるつもりなので新しい鍵も、必要だったと思っています。
もう一つは、18時過ぎに一人のお客様からの電話が入りました。
玄関の鍵が開けられなくなって、もう30分も格闘していると。
急いで駆けつけると、補助錠の鍵が動かなくなってしまっていました。
こういう時は、鍵に鉛筆をこすりつけて何度か抜き差しすると・・動かない。
何度やっても、動かない。
高速で抜き差ししても、動かない。
結局は、浴室の窓が開いていたので面格子を外して中に入り、事なきを得ましたが、この面格子は特殊な工具が必要な代物で、たまたま以前、手に入れていたから外せましたが、無かったら・・どこか壊していたか、鍵屋を呼んでいたでしょう。
と、この二つともシリンダー錠の不具合によるものです。
鍵を鍵穴に差し、回して開錠する鍵(本当は錠)の殆どがシリンダー錠(円筒錠)です。
シリンダー錠の構造を知ると、とても小さな部品の不具合で窮地に立たされてしまう事が分かります。
本当に小さな部品なので、こんなものでどうにもできなくなるのかと思うのです。
上の図がシリンダー錠の構造です。(ピンシリンダータイプ)
外筒のシリンダー、内筒のプラグからなっていまして、プラグは回る様になっています。
鍵を差さない状態が断面①。
この状態では、ピンによってプラグは回転出来ないようになっています。
ピン1本は、シャーラインで切れていて2つから出来ています。
プラグに鍵を差すと、断面図②の様にピンが押されてピンのシャーラインとシリンダー、プラグの境目が一致してプラグが回転する様になり解錠されたことになります。
他にもディンプルシリンダーや、マグネットタイプなどもあり複雑になりますが、解錠する理屈は同じです。
シリンダー錠が動かなくなるのは、ピンが引っかかりプラグが回せなくなるから起こります。
鍵の厚みを考えると、このピンは太さ1.5mm位じゃないかと思いますが、そんな細いものの為に自動車を動かす事も、家に入る事も出来なくなってしまうのです。
ちょっと恐ろしくありませんか?
動かなくなったからといって、鍵穴に潤滑剤や油を差してしまう方がいますが、その時は良いのですが、いずれホコリなどが内部に入ると油分によって内部にホコリが溜まり、ピンが動かなくなる事があります。
こうなると、否応なしにシリンダーまたは、鍵全体の交換となりますので、応急処置としては鍵を鉛筆で良くこすり、芯の粉が付いた状態で鍵をシリンダーに抜き差しを数回繰り返すと、動くようになるのが殆んどです。
また、動かなくなる前には、引っかかる様になったり、鍵がかかりづらくなったりと、何かしらの不具合が出てきますので、その時に鉛筆を使うと未然に防ぐことが出来ますので、是非、覚えておいてお試し下さい。