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Q-1住宅 / 有限会社 カトウ工務店

地元に根差して40年。高断熱住宅Q-1.0住宅(キューワン住宅)の設計、施工。 翌朝も暖かな家づくりをしています。

主に電気エネルギーの事。

太陽光発電で作られた電気は、国が電気会社に一定年数固定価格での買取りを義務付けています。
10kW以上の発電能力がある場合は、発電所扱いとなり全量を買い取ってもらうことも可能です。
そうすると、条件が良ければ8年ぐらいで初期投資分を回収でき、その後は収入になるとは施工業者の謳い文句です。

 その机上の計算が合っているかは8年経過してみないとわかりませんが、日本各地の電力会社でこの太陽光発電所からの買取り申請に対する回答を保留する会社が出てきました。
太陽光発電からの供給量が、春秋の日中のピーク電力を上回るからという理由でしたが、どういう事だろうと考えていました。
小難しい理由で正直あまりよくわかりませんが、供給のバランスが崩れと単純に電気が余るというだけでなく最悪、発電所が停止し停電という事態もありうるのだそうです。

 夜間の電力供給が期待できず、雨天や曇天でも発電量が落ちる不安定な太陽光発電は、それだけで電力供給を賄うことは出来ず、他に安定して供給できる電源(例えば原発)と調整可能な電源(火力等)と合わせて運用するべきだと電気会社は言います。
 太陽光発電の様に自然の力で発電するエネルギーを再生可能エネルギー(再エネ)といいますが、再エネには安定供給できるものはないのでしょうか?
【再エネなんて書くと、さも知ってますよなんて雰囲気が出ますねww】

 昨日の朝日新聞の一面に載ったのは、国が地熱発電を見直すという内容でした。その一方で、太陽光発電の買取りは現在稼働中のものも含め抜本的に見直すとも。
 先の福島原発事故直後、各マスコミでも地熱発電に注目が集まりましたが、それも一瞬のことで近頃は地熱の地の字も聞かなくなってました。
しかし、昼夜を問わず安定的に電力供給が期待できる地熱発電がおざなりになっていたのは、原発全停止によるエネルギー不足を短期間で解消(しきれないですが)できると期待される太陽光発電(稼働まで1年程度)に注目が集まったからでしょう。
ここへきて太陽光発電の(予定)量も買い取り価格の引き下げのよる駆け込み需要で急激に増えてしまったので、いよいよ安定供給の再エネをという事なのでしょう。
ちなみに地熱発電は稼働まで10年必要だそうです。
 また、太陽光発電には先に挙げた弱点はあるものの他の再エネに比べ、設置から運用までの問題点が少ないという点も挙げられます。
 太陽光が降り注ぐ場所であれば、山だろうと川だろうと建物の屋根だろうと、外壁だろうと設置場所は選びませんし、その規模も小さくても大きくても対応できます。
また、太陽光を直接電気に変換するので、音の発生がない。
場所を選ばず音が出ないことから、住宅街でも屋根に設置するだけでなく地上に発電所扱いの規模で設置する事も出来ます。
 一方、地熱発電は設置までに時間を必要とするもののその熱源にマグマに熱せられた熱水を利用することで、稼働コストは設備のメンテナンスなどを考えなければ、ほぼゼロとなります。
熱水がなくなって(移動して)しまうという可能性はあるそうですが、昼夜ノンストップで稼働できるという原発にも似た特性をもちつつ、廃棄物の発生がないというのは魅力的な発電方式です。
 火山国日本としては、熱水の埋蔵量は期待できますが、発電所の設置場所は熱水のあるところと、蒸気の音が結構大きいらしいので人里離れた場所に限られるというのが問題点ですが、今後増えていくことでしょう。 

 さて、今後の電気エネルギー供給はどうなるのか。
多くの建物や、農地、空き地に太陽光発電パネルなどが設置される結果、地産池消に進むのではないでしょうか。
特にこれといったもののない鴻巣では、発電の主力となるのはやはり、今後過剰供給になりそうな太陽光発電ですね。
 地域で発電した電力を、その地域でシェアする。
電話の通信網のように、小さな監理施設があちこちに出来てネットワークを組み、電気を融通しあえるようになる。
送電ロスを抑えられて省エネにもつながり、電気料金も抑えることが出来るはずです。
個々の住宅で蓄電設備を行うのは、長期的に見て設備の更新や適切な稼働という点で難しいのですが、一か所に集中させて監理すれば、設備の更新もスムーズに行われるでしょうし無駄も省けるでしょう。
もしそうなれば、個々の住宅でゼロエネではなく、地域でのゼロエネが実現できます。

【ゼロエネ】・・使用するエネルギー量と、作り出すエネルギー量を相殺するとゼロ以下になること。エネルギー量は1次エネルギー(石油、天然ガス等。電気は2次エネルギー)に換算して計算。単位:J(ジュール)

 今後の住宅はどうなるか。
 原発の再稼働の見通しが立たない上、脱原発の方向は間違っていません。
不安定だと言われる再エネでも生活できるようにする為には、住宅そのもののエネルギー消費量を減らす工夫が必要となります。
 国は2020年には新築住宅の省エネ基準適合を義務付ようと動いています。
これからの住宅は高気密高断熱が当たり前となります。
高気密高断熱という言葉から受けるイメージは、密閉された空間でしょうか。
高断熱高気密というべきだとこの技術を推進してきた方が言っていました。
その意図は高断熱化を進めていくと高気密が必要となるというものです。
高気密は室内の空気を閉じ込める為ではなく、外壁の内部に水蒸気(人体から放出されます)が侵入し発生する『内部結露』を防ぐ為に行うものなのです。
壁の中で起こる『内部結露』は、住宅の構造部分を腐らせ大きなダメージを与えます。
室内で生き物が生活(水蒸気が発生)しないのであれば、高気密にする必要はありません。

 その一方で、自然の力を利用し省エネになるようなプラン、仕組みを考えて行くことが重要です。
風や、太陽の光を上手にコントロールすることで、換気や冷暖房、照明の使用量を減らすことが出来ます。
 電気を消費する多くの家電製品では省エネ化が進み、先のノーベル賞で評価された青色ダイオードの発明なしには実現しなかったLED照明の値段もこなれ、エアコンも10年前のものを使い続けるより、すぐに買換えれば3年程度で電気代と製品代の差額は埋まる程高効率になっています。
この傾向は今後もどんどん進んでいくことになるでしょう。
家電は住宅に比べ寿命が短く、一生のうちに何度も買換え、その度に省エネのものに更新されていきます。
しかし、住宅本体の性能はそうはいきません。
一度建てれば性能が更新されるような大規模な工事は、なかなか行われません。
初めから、性能を重視した家を作りたいものです。

 余談ですが、『いまある外壁の上に断熱材がくっついた外壁材を張ることで断熱効果が上がり、光熱費が安くなりますよ!』なんて広告を見たことや、実際に行っている現場を見たことがあるかもしれません。
大抵の場合、既設の外壁の上に胴縁を打ち付けその上に外壁を取り付けていきます。
胴縁は、通気層を形成し湿気を外に排出するとともに、熱も排出してしまいます。
また、断熱工事で重要なのは『通気止め』という部材の取付です。
外壁の工事より、この『通気止め』を取り付けた方が効果あるかもしれません。
併せて天井、床の断熱工事が出来ればいう事ありません。
 さてそんな理由でこの外壁工法は、直射日光によって外壁面が温められる事に対する遮熱は期待できるのですが、期待したほどの断熱効果は得られないのでお気を付けください。
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自動車雑誌を見ながら、ふと思う事。

しばらく、更新が滞っていますが、おかげさまで毎日そこそこ忙しく過ごしています。
現在は、新築工事前でリフォーム工事を中心に行っています。

 これからの住宅はどうなっていくのだろうか。

 これは、東北の大地震で原発が被災し、安全神話が崩れ全国の原発の安全確認の為、原発が止まってからもう1年が経過しようとしている。
国の施策はより省エネを進め、更には創エネも視野に入ってきている。

 住宅の色々なことを説明するのに、自動車で説明することが多いですね。
住宅メーカーの広告上の坪単価は、自動車の広告と同じで本体価格のみで、道路を走る(住宅の場合は、生活する)ためには諸経費が必要になりますと、お話します。

 先日、自動車雑誌を読んでいたなら、近頃の世界規模の省エネの流行というと、ダウンサイジングターボだというのです。
東京オリンピックに向けて水素で動く燃料電池車両を導入すると話題になりますが、国内で省エネ車といえば、ハイブリットが主流でしょうか。
ハイブリットは、ご存じのように燃料を燃やして動くエンジンと、電気で動くモーターを1台の車に載せて状況に合わせて稼働比率を変えて燃費を改善する方法です。
 これに対して、ダウンサイジングターボというのはどういうものか。
ターボは、通常のエンジンにより多くの燃料を押し込み馬力をアップさせる為の装置【過給機といいます】で、一昔のイメージだと燃費の非常に悪いものでした。
しかし、今のターボは性能がよくなり、低回転から機能し実用域で必要な馬力を得ることが出来ます。
という事は、たとえば少し大げさに言うと1,000ccのエンジンで、2,000ccのエンジン馬力が得ることが出来る様なのです。
1,000ccのエンジンよりは燃費が悪くなりますが、2,000ccのエンジンよりも燃費がよく、1,000ccのエンジンよりも実用的になるのです。
良いですよね?
更に、モーターを積まないことにメリットがあります。
モーターを載せると、もれなく大きなバッテリーが必要になります。
このバッテリー、年々性能が良くなっていますが、如何せん高価であり、重量もあります。
その点、絶対的な馬力を求めないターボを載せても重量も、コストも跳ね上がる心配はありません。
 蛇足ですが、ミニバンのように大きな車をハイブリットにしようとすると、必要なパワーも大きくなるのでバッテリーもより多く載せることになり、更に重量が増えてしまい限られたボディサイズの中では、室内に張り出してくるしかないのです。
大きな車でハイブリット車をあまり見かけないのは、要するにそれほど燃費を改善できないからなのです。

 さて、話をもどして、何を考えたかというと。
スマートハウスという高性能住宅を、メーカーが一生懸命に販売しています。
太陽光発電パネルを乗せ、蓄電池を備え、発電した電気を日中だけでなく夜間も使うというものも出てきました。
電力会社から電気を買わずに生活が出来るのだとしたら、なんとも魅力的。
しかし、どうでしょうか。
蓄電池は、必ず容量が落ちますから、使い続けるうちに交換が必要な時期が必ず来ます。
それは、住宅の寿命から見ればはるかに短い。

 私は現在、ハイブリット車を載っていますが、購入する際に営業マンにバッテリーはどのくらい持つのかと聞いたなら、『自動車の寿命位』と言いますので、それは何年くらいかと聞くと『10年位を考えています』と。
 自動車の場合、一年中フルに使われることはありませんが、住宅の場合はフルに使われます。
携帯電話のモバイルバッテリーは充電回数が500回程度が寿命とされていて、乾電池型の充電池は2,100回とされています。
 住宅で使われる蓄電池ではどのくらいかというと、回数で制限はされていませんが、とあるメーカーは、1日1回の充放電で10年後初めの60%の容量と設計するそうです。

 自動車のハイブリットが出てしばらくしてから、各社ハイブリットに力を入れ、この先はダウンサイジングターボになっていくかもしれない。
あれ程、ハイブリット、ハイブリットと騒いでいたのに、次世代モデルではハイブリット設定がなくなる。
ちょっと、面白いなと思ったのです。

 現在の高性能な住宅も、数年後には発電パネル+蓄電池で自給自足!なんてことは言っていないでしょう。

 あまり、目先の新しい技術に惑わされずに、基本的な部分を重要視したいものです。
自然の力を無理なく活用することは、最先端のその生産に多くのエネルギーと貴重資源を費やす設備に勝る省エネになると、思うのです。
 

2014/09/11 加藤茂貴


消費税の自動計算。

見積書や請求書を作るのにエクセルを利用しています。
ver.8となり結構、便利なものになってますが、いかんせんVBAに挫折したのでダイアログが使えずに、所々、手動だったりしますが、まぁ、自分が使うには満足できるレベルですと、自画自賛w

 しかしながら、ずっとうまく処理できずにいるのが消費税の計算です。
金額が大きな工事の場合、1円単位までは請求せずキリの良い金額で請求書を作ります。

 工事金額が、1,500円の場合、課税後は1,620円です。
これを、値引きをかけて1,600円で請求します。
この場合、( 1,600 - 1,620 ) /1.08 = -18.5185円が値引き額となります。
小数点以下を切り捨て、18円を値引き額として試しに計算します。
( 1,500 - 18) x 1.08 = 1,600.56円
端数が出たので再び小数点以下を切り捨て、1,600円を得ることが出来ました。

 これを単純にエクセルに関数で埋め込みますと、
=ROUNDDOWN((1500+ROUNDDOWN((1600-1620)/(1.08),0))*1.08,0)
とこんな形になるのです。
 しかし、この数式は希望金額を1,525円にすると、得られる数値は1,526円となります。
=ROUNDDOWN((1500+ROUNDDOWN((1525-1620)/(1.08),0))*1.08,0)

 どうやら小数点1位が9の場合に、誤差が出てしまうようです。
どうしたら良いのか考えていますが、なかなかうまく行かないのです。
少数点第1位が9の時に、切り上げてあげられたら良いのかも。
もしくは、小数点第1位が9の時に1を増やしたり減らしたりするのもいいかも。
と、考えて両方試し、複合技も試しましたが共に100%ではありませんでした。
もう、限界。
やっぱり手動で調整するのがよさそうです。

 なにか100%な簡単な数式って、ないでしょうか。

階段が中心にある家。


 設計事務所の物件が完成しました。
といっても、画像を見る限り完成しているとは思えませんが、こちらはまだまだ施工中の頃の写真です。すみません_(._.)_

 この物件は建物のほぼ中央に、ささら桁と手すりが鉄骨製の階段があります。
1階はリビングとダイニングの間に。
2階は親と子の部屋の間にあり、それぞれの空間を物理的に分けています。
空間を分けてはいますが、ストリップ階段で、鉄骨も使っているので適度に空間を分けつつも繋がりも感じられます。
鉄骨は丈夫な素材で、見た目が華奢でも十分な強度を誇ります。
階段などに使うと、線が細くすっきりと納めることができます。

 通常は自社設計で行っていますから、たまにほかの方の設計で工事させていただくと、自分では到底思いつかないようなプランであったり、考え方であったりと刺激になります。
良いところは参考にし、ちょっと違うかなと思うところも参考にし、と。
何事も勉強ですから。

 このお宅では、造作家具を何点か作らせていただきました。
下駄箱と、食器棚と、洗面所の吊り戸棚と作業台と。
一時期は積極的に作っていました、大工が作る造作家具。
家具職人が作る細部まで凝ったものはとても作れませんし、建具は建具職人に任せ、大工は本体の箱部分を作りますが、結構なんでもできるものです。

 造作家具の素材は、ランバーコアがメインです。表面はシナとラワンがありまして、通常は塗装工程が必要になります。木の雰囲気を生かしたい場合や、コストを抑えたい場合はこれを使います。
 ポリ合板を表面に使ったランバーポリというものもありまして、こちらは塗装工程が不要で市販品のような質感で仕上がります。
ポリの色・柄の種類は豊富にあり、単色から木目、石目などから選ぶことができます。

 階段の話のつもりが、いつの間にか家具の話になってしまいました。

傾いた床を水平に。

築30年を超えている建売住宅のリフォームをお受けするケースが増えています。
感じる事を、つらつらと。

 当時分譲された住宅街は、入居された方々も同年代、そのお子様もやはり同年代。
お孫さんも誕生し、子供たちはそれぞれの家庭を、それぞれの住まいで築いています。
『子供達が一緒に、もしくはいずれこの場所に戻ってきて住んでくれれば、大規模なリフォーム、建替えも考えられるが、誰も入らないから傷んだところだけ直して住む』と、そう考える方が多いですね。
耐震工事や、断熱工事をお勧めしたいところですが、なかなか行う方は少ないです。

 30年も経過した住宅は、多かれ少なかれ多少傾いています。
先日お世話になったお宅は、2階の和室の畳を上げてフロア貼にする工事を行いました。
6帖間の畳を上げて、レーザーレベルで高さを調べると最大で40mの差がありました。
もうひと部屋の4.5帖の方も30mm程度の差がありました。
 この住宅の2階の外壁は、1階の外壁より3尺下がっている上、出隅の柱の下に柱は無い状態。
梁もかなり垂れてしまっているでしょうし、造成地ですから地面の圧密も進んだのでしょう。

 今回は、壁も改修する事になっていましたから、畳寄せを外し根太の高さ調整を行いフロアを貼りました。
問題になったのは出入口で、片引きの戸襖が付いています。
通常、若干の高低差の場合は、建具には手を付けずに納めますが、今回は15mmの差が出ていた為、そのままでは建具を外すことが出来なくなってしまいます。
開戸に替えてしまうのも一つの手なのですが、プラン上、使い勝手から見れば引戸の方が良いのは一目瞭然ですし、お客さまもそれを望んでいました。
そこで、既存の建具を再利用し、外引きの片引戸(柱の外側を戸が走る。アウトセット引戸)にして納めました。

 階段の踊り場、奥行き3尺ですが、ここでも10mm程度の高低差が発生していました。
フロアがふかふかしていたのは、この高低差のせいでしょう。

 将来、誰かが住むと分かっていれば、基礎に手を入れ建物全体の傾きを矯正するのが良いのですが、住む人がいないと思うと、対処療法ですが床単体で傾斜を直す事になります。
床の傾斜は、健康に知らず知らずのうちに影響を及ぼしますから。

プロフィール

埼玉県鴻巣市で創業40年。 地域に根差し、お客様にとって最適な工事を提供出来るよう心掛けています。

HN:
加藤茂貴
性別:
男性
趣味:
コンガ、ジャンベ等パーカッション演奏
自己紹介:
会社名称:
 有限会社 カトウ工務店
 (1級建築士事務所併設)
所在:
 埼玉県鴻巣市松原1-20-10
tel/fax:
 048-541-1014 / 541-1017

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