しばらく、更新が滞っていますが、おかげさまで毎日そこそこ忙しく過ごしています。
現在は、新築工事前でリフォーム工事を中心に行っています。
これからの住宅はどうなっていくのだろうか。
これは、東北の大地震で原発が被災し、安全神話が崩れ全国の原発の安全確認の為、原発が止まってからもう1年が経過しようとしている。
国の施策はより省エネを進め、更には創エネも視野に入ってきている。
住宅の色々なことを説明するのに、自動車で説明することが多いですね。
住宅メーカーの広告上の坪単価は、自動車の広告と同じで本体価格のみで、道路を走る(住宅の場合は、生活する)ためには諸経費が必要になりますと、お話します。
先日、自動車雑誌を読んでいたなら、近頃の世界規模の省エネの流行というと、ダウンサイジングターボだというのです。
東京オリンピックに向けて水素で動く燃料電池車両を導入すると話題になりますが、国内で省エネ車といえば、ハイブリットが主流でしょうか。
ハイブリットは、ご存じのように燃料を燃やして動くエンジンと、電気で動くモーターを1台の車に載せて状況に合わせて稼働比率を変えて燃費を改善する方法です。
これに対して、ダウンサイジングターボというのはどういうものか。
ターボは、通常のエンジンにより多くの燃料を押し込み馬力をアップさせる為の装置【過給機といいます】で、一昔のイメージだと燃費の非常に悪いものでした。
しかし、今のターボは性能がよくなり、低回転から機能し実用域で必要な馬力を得ることが出来ます。
という事は、たとえば少し大げさに言うと1,000ccのエンジンで、2,000ccのエンジン馬力が得ることが出来る様なのです。
1,000ccのエンジンよりは燃費が悪くなりますが、2,000ccのエンジンよりも燃費がよく、1,000ccのエンジンよりも実用的になるのです。
良いですよね?
更に、モーターを積まないことにメリットがあります。
モーターを載せると、もれなく大きなバッテリーが必要になります。
このバッテリー、年々性能が良くなっていますが、如何せん高価であり、重量もあります。
その点、絶対的な馬力を求めないターボを載せても重量も、コストも跳ね上がる心配はありません。
蛇足ですが、ミニバンのように大きな車をハイブリットにしようとすると、必要なパワーも大きくなるのでバッテリーもより多く載せることになり、更に重量が増えてしまい限られたボディサイズの中では、室内に張り出してくるしかないのです。
大きな車でハイブリット車をあまり見かけないのは、要するにそれほど燃費を改善できないからなのです。
さて、話をもどして、何を考えたかというと。
スマートハウスという高性能住宅を、メーカーが一生懸命に販売しています。
太陽光発電パネルを乗せ、蓄電池を備え、発電した電気を日中だけでなく夜間も使うというものも出てきました。
電力会社から電気を買わずに生活が出来るのだとしたら、なんとも魅力的。
しかし、どうでしょうか。
蓄電池は、必ず容量が落ちますから、使い続けるうちに交換が必要な時期が必ず来ます。
それは、住宅の寿命から見ればはるかに短い。
私は現在、ハイブリット車を載っていますが、購入する際に営業マンにバッテリーはどのくらい持つのかと聞いたなら、『自動車の寿命位』と言いますので、それは何年くらいかと聞くと『10年位を考えています』と。
自動車の場合、一年中フルに使われることはありませんが、住宅の場合はフルに使われます。
携帯電話のモバイルバッテリーは充電回数が500回程度が寿命とされていて、乾電池型の充電池は2,100回とされています。
住宅で使われる蓄電池ではどのくらいかというと、回数で制限はされていませんが、とあるメーカーは、1日1回の充放電で10年後初めの60%の容量と設計するそうです。
自動車のハイブリットが出てしばらくしてから、各社ハイブリットに力を入れ、この先はダウンサイジングターボになっていくかもしれない。
あれ程、ハイブリット、ハイブリットと騒いでいたのに、次世代モデルではハイブリット設定がなくなる。
ちょっと、面白いなと思ったのです。
現在の高性能な住宅も、数年後には発電パネル+蓄電池で自給自足!なんてことは言っていないでしょう。
あまり、目先の新しい技術に惑わされずに、基本的な部分を重要視したいものです。
自然の力を無理なく活用することは、最先端のその生産に多くのエネルギーと貴重資源を費やす設備に勝る省エネになると、思うのです。
2014/09/11 加藤茂貴