お客様の住まい方をヒアリングから想像して、プランを練ります。
その時に頭の中は当然のように3次元です。
PCの3Dソフトで対象物をくるくる回すように感じで、プランを作り込んでいくのです。
さて、そんな作業を日常的にしているので、想像力には自信が多少ありますが、実際に体験してみないと、考えがおよばず分からない事はまだまだ沢山あります。
ここ1年位の間考えていて結論を、まことに間抜けでしたが、ふと気づいて結論が出た話をします。
私は、6歳の頃から近視で眼鏡を使用しています。ず~っと、使用していますから眼鏡との付き合いは40年近くなることになります。
ず~っと、近眼用の眼鏡を使ってきましたが、この年齢になると見え方に変化が起こります。
どうも、目から30cm以内のものがぼやけてしまう。
つまりは、「老眼」の始まりです。
昔から、「近眼の人は、一度視力が正常になってから老眼になる」なんて事を、聞かされていました。
ず~っと信じていましたが、近眼用の眼鏡を外すことなく手元が見にくくなりました。
嘘だったんだ。
近眼と老眼は同居するのですね。
そんなことを考え始めたのは、お客さんとの会話がきっかけでした。
その方は、細かなビス等のピックアップのお仕事をしていましたが、その作業中、老眼を自覚しながらも、小さなものを見る時には近眼用の眼鏡を外し、裸眼で見ていたと。
かかりつけの眼科医には『近眼は金眼』と言われたことがあると。
そんな事を話されていました。
「見えなければ、裸眼で近づければ見えるんだ」
「正常視力の人は、老眼になると近くが見えなくなるんだ」
そう思いましたし、確かにそうでした。
そうして、疑問に感じていた事の一つが解けた気がしましたが、何かモヤモヤとしたものが残ったのも確かでした。
そのモヤモヤが何だったのかというと、近眼はなんで老眼になっても近くが見えるのだろうと。
ずっと、一つの条件を見逃していたんですね。
それは、「近眼用の眼鏡」をず~っとかけていたから、遠くが見えるのが当たり前だと思い込んでいたんです。
でもそれは、「近眼用の眼鏡」で矯正しているから見えるのであって、裸眼では「近くしか」はっきりとは見えないのです。
つまり、「近眼用の眼鏡」をかけることで正常視力の方と同じになるので、同様に老眼に悩まされます。
でも、はずすと近くは見える。
老眼はどこへ?
で、明日接近する台風に備えて、足場のネットをまとめながら、ふと、ある事に改めて気づいたんです。
「近眼とは、焦点の合う距離が極端に手前になっている状態。」
ずっと、近眼は「遠くが見えない」と思っていましたから、「近くしか見えない」という考え方がなかったんですね。
そうして、近眼の老眼はどういうことか考えたんです。
10m先まで見えるのが正常とすれば、近眼はその10mをぎゅっと圧縮した、10cm先まで見える状態なんじゃないかと。
分かりづらいかもしれませんが、でも、そう考えると、近眼の人が老眼になっても裸眼で近くが見えるという事は納得できたのです。
そして裸眼の時の老眼はどこにあるかというと、先の例で10mの正常視力の人が30cmが見えないとすれば、近眼の人は0.3cmが見えない・・のだろうと。
まぁ、0.3cmなんて誰もが見えないですが、距離の割合から言うとそうだなと。
どうでもいいことなんですが、そんな事を考えた日でした。
自分が老眼になって初めて、それがどういうメカニズムかを、”私なり”に理解できたと、そんな話でした。