リフォームでダントツに多く行うのが、床のリフォームです。
既存の床がフカフカしてしまったので、どうにかならないかという相談があります。
殆んどの場合が、床材を支える『根太』には問題がなくて床材自体に不具合が出ています。
このフカフカの不具合は、無垢の床板の場合はまず見られません。
合板の床材に起こる現象です。
合板は薄くスライスした板を奇数枚、繊維方向が直交する様に接着剤で圧着して1枚の板に作られますが、この接着剤の接着力がなくなってしまい1枚の板だったのが、薄い奇数枚の板に戻ってしまい、結果、フカフカするのです。
じゃあ、なんでそうなるのかというと、階段の降り口の床、台所の流し台の前、廊下、部屋の出入口など人の往来の多い場所で良く起こるので、外部からの衝撃が原因なんて言われていますが、私はそれが直接的な原因ではないと思っています。
衝撃は、接着剤の接着力が弱くなっている状況で加えられたことにより、接着力がなくなりフカフカしたと。
接着力を弱めたのは、湿気。
床下が土の場合で、地下水位が高かったり、換気が上手く出来なくて湿度の高い床下。
加えて温度変化と温度差で起こる結露によって、合板を構成する薄い板が伸び縮みし、経年変化で硬くなった接着剤がそれについていけずに接着力が弱まり、衝撃が加わってフカフカしてしまうと。
ですから、床下に湿気が少なく部屋との温度差の少ない2階以上の床で起こる事は稀です。
同じ土の床下でも、床材の裏に断熱材が入っているとフカフカになりづらいようです。
また、最近の住宅は断熱材に加えて、捨て張り合板が当たり前になっていますので、フカフカになるなんて事はほぼないだろうと考えています。
さて、今回はALCの外壁の某メーカーの住宅です。
1階のホールの床が全体的にフカフカしてます。
結構ひどい状況です。
まず、既存の床材を、根太位置を確認して釘留め(フロアステープル留め)していきます。
次に、既設の上がり框の表面をサンダー(やすり)で削り、
取り合う壁やら見切にくっつく様に加工して、要のリフォーム框をとりつけます。
で、床を張上げて、段差が出来たところに見切りを付けたり、どうにもならなかった隙間やビス頭を処理して完成です。
廊下は凸凹が多いので、非常に手間がかかります。
1×6の床材10枚の現場でしたが、1日弱といったところです。
この現場、根太の間隔が無茶苦茶で、既設の床材のジョイント位置になかったりします。
また、基礎が違っていたのでしょう、上がり框も15mm曲がって取り付けて有り、結果、床材は奥の階段の壁に平行には貼ってありません。
現在はもっとしっかりと監理&管理しているでしょうから、今の製品には当てはまらないかもしれませんが、当時のメーカーのいい加減さが垣間見えた現場です。
まぁ、地場の工務店が施工した、ここ同様に根太位置がいい加減な現場もありましたので、時代と言えるのかもしれません。