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Q-1住宅 / 有限会社 カトウ工務店

地元に根差して40年。高断熱住宅Q-1.0住宅(キューワン住宅)の設計、施工。 翌朝も暖かな家づくりをしています。

床のカーペット。

我が家は、残念ながら築44年のほぼ無暖房な住まいです。
それでも2階の天井には、250mm程度の高性能グラスウールを入れ、開口部は内窓のインプラスや、真空ガラスを採用したりしています。
因みに、真空ガラスは確かに断熱性能は高いのですが、サッシの枠が古いまま(アルミ製)だと効果はあまり感じられないかもしれません。
それよりも樹脂のサッシで内窓を付けた方が、操作性は難有りですが断熱性の効果は高いです。

 天井に断熱材を入れたことで、確かに暖かくなったと思いますが、床面近くの冷気は断熱性能の低いテラスドアや、真空ガラスをいれたアルミサッシの枠など、断熱性能の低い部分から供給さえて、床面に溜まり表面温度は低くなってしまいます。

 暖房している部屋内はまだ良いのですが、廊下、それも1階の廊下に至っては氷の様に冷たく感じます。
階段を下りていくと、下から5段目くらいに差し掛かる頃から、ひんやりとしています。

 1階の床には当然断熱材は入っていません。
いままでは我慢していましたが、流石に年々辛くなってきたので、床にカーペットを施工する事にしました。

 幸いにして床板に使われている合板製のフロアは、フワフワしていないのでこの上に大建工業の床コンビボードというインシュレーションボードを置き、タイルカーペットを施工しました。

 別にカーペットにしたから体感温度が劇的に上昇する訳ではなく、足裏から逃げていく熱を減らす事で、床の冷たさを緩和するという狙いです。
 体感温度は内装の表面温度と室温の和をで割った数値になりますので、床面の表面温度が少し上がれば、体感温度もほんのちょっとだけ、ほんのちょっとだけしか上がりません。
それよりも、体が直接触れる床材を、熱伝導率の低い素材(熱が伝わりにくい。この場合は合板製の床板よりもカーペット。)に替える事で冷たさを減らすと、寒さと言うのは和らぐのです。

 熱伝導率の高い床に素足で立つと、熱は高い方から低い方へ流れますから、体から床へと流れていきます。
熱伝導率の高い床に流れた熱は、すぐに床全体へと散って行ってしまい、足が触れている床面はなかなか温かくはならず、相変わらず熱を奪い続けます。
一方、熱伝導率の低い床の場合は、最初は同じように体から床へ熱が流れますが、床に流れた熱はなかなか全体へと散っていかずに足と触れている床面に留まり、しばらくすると自分の体温で温められた床が温かく感じるようになります。

ボソッ【こういう熱が流れにくい話をする場合は、熱伝導率よりも熱伝導抵抗と言った方が良いのですね。すみません。】ボソッ

 足先は心臓から一番遠いところですから、ここで血液が冷たくなると足先から心臓までの間の大静脈によって体の内部からも冷やされてしまうのです。
室温が高くても、床の熱伝導率が高いと頭ばかりがポッポポッポとして、足元は寒いという状況になってしまいます。

 カーペットは温かくて良いのですが、将来的には汚れが気になる素材です。
廃棄するにもコストが掛かったり・・。
新築ではあまりお薦めしないですが、現在の取敢えずの対策としてはかなり有効です。
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新年のご挨拶と、給水給湯配管の凍結。

新年あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願い致します。

 随分と遅い挨拶となってしまいました。
昨年の神社の改修工事が終わり、気が抜けたのもあり少しゆっくりしていました。

 さて、今年も営業を始めています。
下水の接続工事や、浴室の改修工事、外装のリフォーム等。
ありがたいことに様々なご依頼をいただいております。

 弊社のお客様からは、ご相談は無かったのですが、1月9、10日頃の冷え込みで水道管が破裂する事例が市内で多く発生しています。
市内の水道工事店は一人の職人が1日5件と、修理に奔走したそうです。

 確か3年前にも同じように水道管が破裂したり、凍結する日が多くありました。
その時には、破裂はしませんでしたが、その前の年にキッチンリフォームをさせていただいたお客様から頻繁に給湯配管が凍結してしまい、昼まで出てこないという事を言われました。
その時には、厚く保温材を巻いて対応しましたが、巻いた後に凍結するほどの冷え込みが無く結果が出ないままになってしまっていました。
それが、今年の冷え込みで凍結してしまったというご連絡をいただき、昨年導入したサーモカメラを持って伺いました。

 お伺いしたのは、午後1時で、凍結は解消していましたが、サーモカメラで見れば温度の低いところが凍結に関与していると考えました。

 配管は、屋外据え付けのガス給湯器から出て地中に潜り2m先の洗面室のところで、外壁面を露出配管で立上り屋内に入っていきます。
この洗面台は出なくなる事はあるものの、すぐにお湯は出るようになるそうです。
その立上り配管の途中から分岐して、キッチンへ横引きの露出配管でやはり2m先で屋内に入ります。
露出配管は、外壁からサドルと言われる支持金物で固定され、保温材を巻かれています。

 洗面所の分岐からキッチンまでは架橋ポリという樹脂管で配管していますから、昔の鉄管程凍結する心配はない筈ですが、頻繁に凍結してしまったのです。
保温材を重ねて厚く巻いても。

 こうなると怪しく見えるのは、配管を支える支持金物と、屋内へ入る部分に使われている金属製のジョイント配管のエルボ。
サーモカメラで見てみると、サドルの部分の配管が、他の直管部分よりも温度が低いことが分かります。
また、エルボ近くのサドルは温度がかなり低くなっています。
その一方で、エルボ部分は温度が高く表示されているので、保温材の欠損がある事が疑われます。
この部分は、直管の保温材を加工して巻くので欠損部分が出易いのでしょう。
上の画像が現状で、すでに各部分の温度の表示もありますが、サーモカメラの色付きの画像はこちらです↓。

手前の赤く表示されている縦の配管が、洗面室に入っていく配管です。
左上のスポット1~4は、画像中の十字カーソルに対応しています。
スポット1~3はサドル部分の温度を指示しており、スポット4は屋内に入る部分に配管の為に開けた外壁の穴を隠すステンレス製の板です。
配管の赤い部分は、画像では示していないですがおよそ7度くらいです。
 これを見ると、スポット1のエルボ近くのサドルの温度が非常に低く、しかも配管も暗い青になっています。
スポット3の近くの配管に緑色の部分が見えますが、これはサドルを伝わって冷やされているのだと思われます。
 という事で、サドル3カ所とエルボの部分の保温をして様子を見る事になりました。

 しかし、なぜキッチン側の配管のサドルが全て冷たいのでしょう。
洗面所の縦配管にも1つサドルがあるのですが、こちらは配管と同じくらい温かくなっています。
キッチン側の外壁の温度が低いことがサドルの温度が低い事と関係しているのかもしれません。
この外壁の裏側にはシステムキッチンがあるので、内壁が温まりづらく結果外壁も冷たいままと考えられます。

 断熱性能の観点から考えると、この住宅は築40年を超えるプレファブ住宅で、キッチンのリフォームの時に外壁パネルを開いてみていますが、ほぼ無断熱に近い状況でした(お客様との打ち合わせで断熱改修は行わない)。
その為、洗面所は屋内から熱が外壁に逃げているので外壁面が暖かく配管のサドルもま温められていると考えられます。
 一方キッチンの方は、システムキッチンが邪魔をして屋内の熱が外壁にまで伝わっていません。
という事は、この部分の壁は断熱性能が高いとも言えます。

 高断熱住宅で屋外の露出配管は、外壁面が冷たい為、断熱性能の低い住宅よりも凍結の危険が高い。
そういう事になるでしょう。

 高性能で長寿妙な住宅が今後どんどん増えてきます。
長寿妙な住宅は、将来、配管の更新は避けては通れません。
現在、鉄管で配管されている給水給湯管については、錆により水量が減り更新する工事が行われますが、殆んどは既存管はそのまま残し、新たに露出にて配管する事になります。

 高断熱住宅の場合、後から外壁に穴を開けて配管する事は、断熱性能の部分的な低下だけでなく、湿気が壁体内に入ってしまうので結露の危険性が高まりますし、露出配管は凍結の危険性が高いので、勧められません。

 軽井沢で以前、見学させていただいた工務店では、配管の凍結を防ぐ意味もあって基礎断熱をしているとおっしゃっていました。
地中の配管は凍結の心配は少なく、屋外に露出した配管が凍結してしまうので、地中からそのまま基礎断熱を施された床下に入れてしまえば、そこは屋内のなので凍結の心配は無くなるという事でした。

 床下空間を基礎断熱で屋内として、高さも高く取る事で将来の設備の配置替えや配管の交換にも対応できるようにしたいものです。

と言う感じに、導入からなんとなくよく分からない流れで、別の話になってしまう記事が今年も多いと思いますが、よろしくお願い致します。

仕事を納めます。

今年はとにかく新型コロナの年でした。
年明けしばらくして、中国で発生しロックダウンという衝撃的な施策が行われました。
それで、収束するのかなと他人事でしたが、やがて世界の各国に感染者が出て日本にも出ました。
ダイヤモンド号の一軒も衝撃的でした。

 これを機に建築の様々寸法や規定が変わるのだろうなと考えています。
特に商業施設については、㎡当たりの座席数は変わります、まず間違いなく。
それに伴い、今までとは違うデザインが生まれることでしょう。

 もしかしたら必要とされる換気量というのも見直されるかもしれません。
換気は省エネを考える時に重要な要因になりますから、今後は吸排気とも機械で行う第1種換気でさらに熱交換式の換気扇の採用が推奨されるようになるのでしょう。
そうなると、断熱性能の向上は当然のことながら、気密性能も要求されるようになります。
気密性能はC値で表されます。
これは、延べ床面積1㎡当たりにどれだけの隙間があるかを表すものですが、これが1.0cm2/m2以下にならないと第1種換気の意味はないからです。
それもできれば0,5cm2/m2以下にしたいところなのですが、そのためには現場の職人の正しい知識と技術が要求されます。
この点は大手、中堅のメーカーよりも地場の意識の高い工務店に軍配が上がります。
少ない棟数をこなしていますから、職人の人数は少なくて済みます。
それは、意識の高い職人を必要人数確保し易いという事が言えるのです。
同時に、メーカーの開発室でマニュアル化された施工方法をこなすのとは違い、工務店を職人が考えを持ち寄りより良い施工方法を生み出すことにも役立つのです。

 高断熱高気密住宅のジャンルで大手メーカーのトップでも、C値は0.59でしかないのです。
それでもとても頑張ったと思います。
様々な職人がいる大手でこの数値はある意味驚きではあるのです。
C値2.0なんてメーカーも当たり前にあるようですから。

 と、話がそれました。

 求められる換気量が変わると第1種換気が推奨されるという意図は、一般的な自然給気で機械で排気する第3種換気は汚染された室内の空気を排出するとともに、熱を捨ててしまうのです。
その割合は現在でもかなりのものなのですが、これがさらに増えるとなると益々省エネから遠ざかってしまいます。
そう考えると、高気密にして計画通りの換気経路を確保して、第1種換気、全熱交換を採用し熱を無駄に捨てないというのが今後のスタンダードになっていくのだろうと思います。

 弊社の今年は、事務所の改修工事と神社の改修工事がメインとなり、新型コロナの影響はほぼ受けずに済みましたが、裏を返せば、一般のお客様の仕事が例年よりも少なかった感はあります。
それでも、会社のある鴻巣市の近隣市町村を営業範囲で運営していますから、新規のお客様もそれほど警戒されることもなく、お付き合いのあるお客様からもお仕事をいただきそこそこに忙しくさせていただきました。

 ありがとうございます。

 今後も感染対策を施しながら、地元に密着していきますので、御用の際にはお気軽にお声がけいただきますようお願いいたします。

 ちなみに、仕事納めは、現場は本日28日でした。
29日と30日は作業場と倉庫の片づけをしようと思っています。

 それでは、よいお年をお迎えください。
来年もよろしくお願いいたします。

神社の改修。終了。



 6月から着工して、先日無事に竣工しました。
上の画像は、着工前の神社です。
これのあっちやこっちをいじって、こうなりました。



 向かって左側の西面は、もともとこんな感じで真っ赤な小波板が張られていました。
その下は、杉板が縦に張られていて土台もかなりのダメージを負っていました。
ピンボケしていますが・・。


 柱の痛みも進んでいた為、柱は正面を除きすべて隠す事として杉板の下見板にささら縁の押縁を取り付けました。


 工事中には、こういった外壁をやる人もいなくなったでしょうと言われましたが、採用されることが少なくなってしまっただけなんですよね。
住宅は久しく窯業系サイディングの天下ですから。

 今回この外壁を施工して今後は、無垢の外壁もお薦めしていこうと思います。
無垢材は屋外に置くとグレーに変色してし、痩せたり、たまに割れたりしてしまいますが、大部分は傷んだり、腐らずに外壁としての機能を維持していきます。
 傷んだところを交換する事を考えて施工すれば、将来の修理はそれ程難しくなく出来ますから、やらなければならないメンテナンスの費用を考えると外壁材としては優秀なものだと思います。
将来的に外壁を更新する際も、発生する廃材の木材はリサイクルできるので環境にもやさしい。
コストも他の物に比べて低く抑えられます。

 市街化地域は22条区域で、延焼の恐れのある部分(境界線の近く)は準防火構造という制限がありますが、条件を満たせば外壁に木材を張る事も出来ます。
木の外壁が今後は増えていくと良いなと思います。

銅には穴が開く。

酸性雨が問題となって久しく、それに伴って銅製の雨どいに穴が開くという事態が発生しています。
大抵、銅製の雨どいは和風建築で採用されますから、瓦屋葺きで樋に雨が落ちる部分が集約されますので、瓦の谷の位置で穴が開きます。
現在は、銅板を外側に張り付けた雨樋が採用されたり、内側をコーティングしたりします。

 今回は、そんな穴が開く銅製品の話。
でも、酸性雨は全く関係がありません。

 今年の6月頃に漏水していると連絡が入ったお客様のお宅。
給湯管からの漏水でした。
一部の配管を架橋ポリ管に替えて修理をしました。

 昨日、同じお客様からまたもや漏水の連絡が。
職人に行ってもらうと、やはり給湯管からの漏水。


 築30年を超える、弊社で建てた建物です。

 現在の給湯配管は、給水配管と共に架橋ポリで行われます。
その前は、銅管が採用されていました。
銅管は漏れないという神話的な話がまかり通っていた当時、給湯配管は銅管が当たり前だったのです。

 それが、施工から30年を超えると漏水の報告が入る様になってきました。

 銅管にもエルボやチーズ等の部材があり、これらを現場でロウ付けしていくのですが、このロウ付け部分の接着不良かと思いきや、そうではなくて直管部分の特に何もないところでピンホールの穴が開くのだそうです。

 今回も何もない直管の部分でのピンホールでした。
そこを直していると、近くの別の場所でも穴が開いて漏水が始まる。
そんな現場が良くあるのだそうです。
つまりは、外からは分かりませんが、管が薄くなってしまっている部分があちこちにあるかもしれないという事です。

 こうなると、今漏れている所を直しても直に、他でも漏れるそんな可能性が出てきます。
今回は2ヵ所で済みましたが、次回も漏れる事が予想され、短いサイクルで発生する様であれば、配管全体の交換も考えなければなりません。


 築30年を経過して、給湯管に銅管を採用している場合は、漏水に注意です。


 そういえば、昨年末から年明けに発生した雨漏りか漏水か分からなかった現場も、結局は給湯管の銅管にピンホールが出来ての漏水でした。
あの時も具体的な原因は分からなかったのですが、管を固定するサドルで圧迫されていたのと、急に曲げてあったが何らかの影響を与えたのだろうと思っていました。
恐らくそれを要因として、配管の欠点部分に作用して穴が開いてしまったのだろうと、今となっては思うのです。

 しかしこれは、当時では考えもしないですし、不良部分を見つける事も被覆があるので外から見るだけでは無理なのです。

 設備配管は、寿命がありいずれは更新しなければならない。

そう行く事なのです。
今後の住宅の寿命は今よりも長くなる筈ですから、そういった更新する事も念頭に設計を行わなければなりません。

プロフィール

埼玉県鴻巣市で創業40年。 地域に根差し、お客様にとって最適な工事を提供出来るよう心掛けています。

HN:
加藤茂貴
性別:
男性
趣味:
コンガ、ジャンベ等パーカッション演奏
自己紹介:
会社名称:
 有限会社 カトウ工務店
 (1級建築士事務所併設)
所在:
 埼玉県鴻巣市松原1-20-10
tel/fax:
 048-541-1014 / 541-1017

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