住宅設備は時間と共に故障してしまう事は、ほぼ避けられません。
先日、2006年にリフォーム工事を行わせていただいたお客さまから連絡をいただきました。
『ビルトイン食器洗い乾燥機(以下、『食洗機』)の表示が点滅して動かなくなった』
という内容でした。
クリナップのクリンレディを採用したお宅です。
急いでお伺いすると、確かに表示が点滅しています。
取扱説明書によると『機内で漏水』という事で『排水ポンプが作動する。止水栓を閉めて電源を抜く』という指示がありましたのでその通りにしました。
クリナップはシステムの端っこに食洗機があり、食洗機の下は引出しと跳ね上げ扉が付いています。
引出しを外すと、木製のキャビネットの表面がふやけています。
しかし、表面に水があるような感じではありません。
食洗機本体の周辺や、後方の開口部分を触ってみますが水があるようには感じません。
おかしいなと思いつつ、隣のシンクキャビネットの引き出しも外してみると、こちらもキャビネットがふやけています。
どうやらこちらから漏水を起こしているようだと、良く調べてみるとシャワー水栓のホースの一番下の所に水滴が付いていました。
水滴をふき取り様子を見ますが、水滴は出てきません。
そこで水を出して見ると・・、ポタポタと水が垂れてきました。
シャワー水栓のホースに穴が開いたのでしょう。
食洗機の故障のお陰でもっと深刻な不具合を発見できました。
その後、食洗機はメーカーに点検してもらいましたが、大切な部品が損傷し漏水している為、交換する事となりました。
シャワー水栓のホースは、一見メタルの蛇腹ホースで丈夫そうに見えますが、実はあのメタルの中に薄い肉厚の樹脂製のホースが入っています。
このホースが使っているうちに、ねじれたりして端部の金属部品との接続部分で破断したりするのです。
たまにシンクキャビネットの中をのぞいてみてください。
ホースの下には、ホースの外側に付いた水滴を受ける受け皿がありますが、最近の商品には無い物もあります。
不具合が発生した場合には、直にキャビネット内に落ちますので気を付けましょう。
また、こういったケースを考えると、キャビネットの材質は木質ではなくてステンレスかなと思うのです。
大抵の木質系のキャビネットは、パーティクルボードの様な心材を使っており、ふやけてしまった場合、膨れてしまって元に戻りませんので。
現在、クリナップのクリンレディは無くなっていて、後継モデルはSTEDIAですが、これは後期のクリンレディが採用したステンレスキャビネットで出来ていますので、お薦めしています。