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Q-1住宅 / 有限会社 カトウ工務店

地元に根差して40年。高断熱住宅Q-1.0住宅(キューワン住宅)の設計、施工。 翌朝も暖かな家づくりをしています。

災害時の屋根のブルーシート。

台風15号の被害で千葉県内の住宅の屋根にブルーシートが被せられる様子がTVで移されていますね。

 鴻巣でも先の3・11の時に瓦屋根の棟が落ちたケースが多くありました。
発生直後から屋根に上り、ブルーシートを掛けました。

 ブルーシートを掛けてその抑えに、崩れた棟の瓦や葺き土を土嚢袋に入れたものを載せたり、紐で樋受金物に留めたりしました。
しかし、ある現場で隅棟の軒先に置いておいた土嚢袋が落下するという事がありました。
幸いにして落下時に下に人はいなかったので、けがを負わせてしまう事はありませんでしたが、もしもの事を考えると恐ろしくなったことを覚えています。
 また、土嚢袋や紐は必ず劣化します。
シートもしかりですが、土嚢袋が劣化して持ち上げただけでも破けてしまうと、また新しい袋に詰め直すという作業が発生します。
屋根の上の不安定な足場で、重労働をするのは安全性もコスト的にも不安があります。
ブルーシートとの付き合いは長くなりますので、先の事も考えておくことが大切です。

 その一件があってから屋根の養生を変えました。
ブルーシートは使いますが、土嚢袋や瓦で抑える事はしません。
ただし、至急の場合は押える方が圧倒的に早いですから、まずはそういった方法で養生し落ち着いたら順次変えていくという方法が良いかと思います。


 使う資材はアルミテープです。


 屋根は直射日光に晒される為、建物の部位でも過酷な条件の所です。
ここにクラフトテープや、ガムテープ、その他の紙や樹脂系の粘着テープを使うと劣化もするし、粘着剤も残ってしまいます。
その点アルミテープは、金属ですから劣化しずらく瓦の形に良く馴染み、形も維持してくれて、粘着剤も残りづらいのです。
ブルーシートとの相性は今一つですが、簡単には飛ばされません。

 ブルーシートに重しを乗せて抑えようとするのは、風で飛ばされないようにする為ですが、シートの下に風が入るとバタツキと共に持ち上げられてしまう事があります。
角材にブルーシートを留める方法も試しましたが、簡単に持ち上がってしまいました。

 それよりもシートの下に風を入れないようにしてあげると強い風が吹いてもシートは持ち上がりません。
1、2カ月すると端の方がめくれてしまう事もありますが、完全に飛ばされた事はありませんでした。
もし飛ばされても、土嚢袋が落下するよりも安全でしょう。
また、直すのも簡単ですし資材も少なく交換もスムーズです。

 ブルーシートは厚手の物を使い、1枚では不安なので折って使いました。
その場合、端をアルミテープで貼り合わせて袋とじにして使いました。
折った中に風が入ってしまうと危ないですから、あくまでも1枚のシートの様にして施工する事が大切です。
 また、瓦の凹凸に沿って貼り付けていきますから、巾方向は実際の長さよりも長くなりますので、それを見越した大きいブルーシートを用意します。
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シロアリ被害。

築28年のお宅で、廊下の床を重ね張りしていた所、玄関でシロアリの被害に遭っているのを見つけました。

 場所は、下駄箱の裏の付け框。

 6尺の付け框全体がすっかりと被害に遭っていました。
材質は、スプルス。

 柱は和室の柱なので、桧。
土台も桧。
筋かいは、桧でしょうか。
間柱は、米栂。
貫は杉。

 付け框以外で、被害に遭っているのは間柱の米栂。
画面右側のものは殆んど残っていません。

左側のものは、ホゾの加工がしてあり巾木とくっついていない部分では、被害に遭っていない事が分かります。
餌となる木材に接している部分から、移動していくのが分かります。
間柱は、付け框につっくいていたので被害に遭ったのは分かりますが、同じ付け框にくっついていた桧の柱は、表面を荒らされていますが奥にまでは入り込んでいない様子です。
土台もタイルに隠れた面は何とも言えませんが、見える部分は健全です。
向こう側の根太や、荒床、貫などに被害は一切ありません。
よくあるイメージとして、木材全てを、片っ端から食らい尽くすなんて事はしないのだという事が分かると思います。
 と言いましたが、シロアリは『これが好き』とかいう好みは無いようです。
目の前にあるものをただただひたすらに齧るそうです。
コンクリートでも目の前にあれば齧るようですが、流石に硬すぎて齧ったかどうかは分からないという所でしょう。
じゃあ、なぜ今回は桧は齧らずに米栂をかじったのかというと。
シロアリ1匹の行動に注目しても、被害がどう広がるかというのは分からないのです。
シロアリは集団で行動していますから、集団でどう動くかを考えます。

 例えば、シロアリを水(『シロ水』とします)で、木材はそれぞれシロ水を吸う、浸みる速度が違うとします。
被害を受ける事を濡れる、びしょぬれになると表現します。
 スプルスや米栂は、スポンジが水を含むように短時間でシロ水が浸みていき、桧は少しずつシロ水が浸みていきます。
 シロ水が、タイルの裏からスプルスに到達すると勢いよく浸みてびしょぬれになっていきます。
その途中で桧の柱に達し、桧にもシロ水が浸みていきますが、少しずつなので少し表面が濡れる位で、びしょぬれとはなりません。
その間にも、スプルスにはどんどんと浸みていき、同じようにシロ水が浸みる米栂の間柱に到達し、シロ水に桧より後に接しているにも関わらず、シロ水を多く吸い上げてびしょぬれになるという感じです。
どうでしょうか、なんとなくイメージ出来るでしょうか。

 話を戻しますが、被害が酷い範囲は、屋内の下駄箱とくっついていた部分。
中央の柱から式台にかけて、比較的被害が酷いのでこの周辺から侵入したのでしょう。
土間床の下の土から基礎とタイル(団子張りの為、隙間が多い)の間を通り屋内に達したと思われます。

 シロアリ駆除業者に、駆除と防蟻処理をしてもらいました。

 あくまでも『駆除』と『防蟻処理』です。
『消毒』って表現をする事も多いですが、虫に対しての処置に『消毒』というのは違和感を感じます。
シロアリは目に見えない得体のしれないものではないですし、何もないところから湧いて出てくるものでもありませんから。

シリンダー錠。

シリンダー錠って、ご存知ですか?
あちらこちらで使われている鍵なの事ですが、シリンダー錠に関係する不具合が2つほどありましたので、紹介します。

 一つ目は、私が普段乗っているスバル サンバーの軽トラック(現在は販売終了。RRの希少なレイアウト。農協が販売していた農営サンバーで農家に人気。)のエンジンがかけられなくなりました。

かからなくなったのではなく、かけられなくなりました。

 というのは、普段使っている鍵はある程度使い込んだオリジナルキーを元にして作った、合鍵でその鍵も長きに渡り使っていたので、結構すり減っていました。
ある日、現場へ普通に乗っていき、エンジンを止めて用を足し(小便ではありません)再びエンジンを掛けようと合鍵を差し込み、スターターを回そうとひねっても鍵がびくともしません。
ついさっきまで、何の不自由もなくかかっていたのに。

 幸い、閉じ込み用にもう一本を持ち歩いているので、そちらを使ってみるとエンジンをかける事が出来、事なきを得ましたが、本当に焦りました。

 その後、合鍵は引っかかりがあり、使うにはストレスフルな為、合鍵の摩耗が原因だろうと、同級生の車屋さんにメーカーに新しい鍵を1本発注しました。
 しかし、その後何事もなかったかのように、合鍵が使えるようになりました。
まだまだ、乗り続けるつもりなので新しい鍵も、必要だったと思っています。

 もう一つは、18時過ぎに一人のお客様からの電話が入りました。
玄関の鍵が開けられなくなって、もう30分も格闘していると。

急いで駆けつけると、補助錠の鍵が動かなくなってしまっていました。
こういう時は、鍵に鉛筆をこすりつけて何度か抜き差しすると・・動かない。
何度やっても、動かない。
高速で抜き差ししても、動かない。

 結局は、浴室の窓が開いていたので面格子を外して中に入り、事なきを得ましたが、この面格子は特殊な工具が必要な代物で、たまたま以前、手に入れていたから外せましたが、無かったら・・どこか壊していたか、鍵屋を呼んでいたでしょう。


 と、この二つともシリンダー錠の不具合によるものです。
鍵を鍵穴に差し、回して開錠する鍵(本当は錠)の殆どがシリンダー錠(円筒錠)です。
シリンダー錠の構造を知ると、とても小さな部品の不具合で窮地に立たされてしまう事が分かります。
本当に小さな部品なので、こんなものでどうにもできなくなるのかと思うのです。

上の図がシリンダー錠の構造です。(ピンシリンダータイプ)
外筒のシリンダー、内筒のプラグからなっていまして、プラグは回る様になっています。
鍵を差さない状態が断面①。
この状態では、ピンによってプラグは回転出来ないようになっています。
ピン1本は、シャーラインで切れていて2つから出来ています。
プラグに鍵を差すと、断面図②の様にピンが押されてピンのシャーラインとシリンダー、プラグの境目が一致してプラグが回転する様になり解錠されたことになります。

 他にもディンプルシリンダーや、マグネットタイプなどもあり複雑になりますが、解錠する理屈は同じです。

 シリンダー錠が動かなくなるのは、ピンが引っかかりプラグが回せなくなるから起こります。
 鍵の厚みを考えると、このピンは太さ1.5mm位じゃないかと思いますが、そんな細いものの為に自動車を動かす事も、家に入る事も出来なくなってしまうのです。
ちょっと恐ろしくありませんか?

 動かなくなったからといって、鍵穴に潤滑剤や油を差してしまう方がいますが、その時は良いのですが、いずれホコリなどが内部に入ると油分によって内部にホコリが溜まり、ピンが動かなくなる事があります。
こうなると、否応なしにシリンダーまたは、鍵全体の交換となりますので、応急処置としては鍵を鉛筆で良くこすり、芯の粉が付いた状態で鍵をシリンダーに抜き差しを数回繰り返すと、動くようになるのが殆んどです。
また、動かなくなる前には、引っかかる様になったり、鍵がかかりづらくなったりと、何かしらの不具合が出てきますので、その時に鉛筆を使うと未然に防ぐことが出来ますので、是非、覚えておいてお試し下さい。

軽量鉄骨住宅のリフォームで考える。

7月から8月にかけて、中古住宅の内装リフォームをさせていただきました。
建物は軽量鉄骨系HMのものです。

 お客様のご希望は、LDKとそれに接する和室6帖を一つにする事と、床壁天井の仕上げ直し等。

 現場を見させていただいて、LDKと和室の間の間仕切壁はあっちとこっちの壁までの引き分けの戸襖【LDK側が化粧板で、和室側が襖紙の建具】があり、取り払う事が出来ますとお伝えしました。
外付け【建具の枠が壁面より飛び出して取り付けてあるもの】でない引戸の場合(壁の厚さの中に納まっている)、建具が動く範囲は穴が開いている(壁がない)のと同じなので、引き分けの場合は建具4枚分の穴が開いているのと同じなのです。
つまりは、この部分は垂壁しかない状態と同じです。
垂壁しかないという事は、大きな断面の梁が室内に一部出てきていると考える事も出来ますが、LDKに梁は見られませんから、構造的にはこの垂壁部分だけ大きな梁があるとは考えづらいのです。
そもそも鉄骨造で、一つの部屋の中のあちこちで梁の大きさが異なるなんて事はありませんし。
 で、解体してみるとこの垂壁、梁とも繋がってもおらず、無事に取る事が出来、無事に広い空間が生まれました。

 壁や天井の仕上げ直す場合は、いろいろな事が出来ます。
今回のような間取りの変更の場合、必要になる照明器具やコンセント等の位置替えや、新設、廃止。
出入口の閉鎖も出来るようになります。
また、重い額や液晶テレビを壁掛けにする場合の補強なども、簡単にそして仕上がりも綺麗に出来ます。
仕上がった後の家具配置や、生活スタイルを考えておくことはとても大切な事です。 

 鉄骨造の強みは、材料強度が高いので柱の数が少ないという事ですかね。
その為、今回の様に2部屋を1つにするなんて間取り変更は簡単に行う事が出来ます。
木造の場合は、最初の間取りで構造を計画されることが多い為、壁を抜いたりする事が難しかったりします。
間取りと構造を切り分けて考えられると、将来的に汎用性のある建物になるのですけどね。
私も学校では、間取りを作ってから構造を考えるという手順を教わりましたし、プレカット業者も同様のやり方で加工図を作ってきますから、未だに間取りと構造が一体となっている建物が多いと思います。

 軽量鉄骨住宅のリフォームは余り経験がありませんが、色々と発見がありました。
配線器具【コンセントやスイッチ等】のプレートには簡易耐火用の鉄板が入っていましたし、1階の天井は石膏ボード9mmの2枚重ねでした。
解体して初めて分かり、当然予算は計上していませんが、そういう仕様の建物の場合、同じ仕様で直すのが当たり前ですので、壁紙を貼り換える範囲にあるプレートはすべて同様の物に交換し、天井も石膏ボード9.5mm【規格の変更があって暑さが増してます】の2枚重ねにしました。

 当初の計画よりも追加があり、工期いっぱいで仕上げる事となりましたが、お客様には喜んでいただきました。

外付けブラインドという選択。

毎日暑い日が続きます。
炎天下での作業は、40分くらいが限界でしょうか。
体温が上昇していくのが分かります。
家の中に入ると、エアコンがうなりをあげて動いて室内を涼しくしようとしています。

 もっと、家の中を涼しくする事は出来ないのでしょうか。

 室内が暑くなるのは、外壁や屋根、窓から熱が入って来るからですが、外壁や屋根には断熱材が入って(いない場合もありますが)いるし、太陽光は遮っているので、外壁側の室内側の壁、天井が温まってしまい熱を放射している状況です。
しかし、壁や天井と比べ物にならないくらい、熱が入って来る部分があります。
それが窓です。

 窓については、太陽光の殆んどがガラスを通り抜け、直接室内に入り込む事により、床や壁が温められて気温が上昇してしまうのです。
どんなガラスでも多少は、反射するのですが、太陽光がもたらす熱量は膨大なので役に立たないと思ってよいのです。
その反面、冬は暖かく過ごせるのですが。

 家の中の気温上昇を防ぐには、太陽光を家の中に入れないように、窓に工夫をする必要があります。
すだれをぶら下げたり、縦掛けたりするのは効果的ですね、通風も期待できますし。
でも、建物のデザインによっては合わない事もありますし、2階の窓などには霧除け等がないとぶら下げる事も出来ませんし、1~2年位で交換でしょうか。
また、明け方や夕方、曇りの日のやや暗い時などは、すだれを退かしたいという場合もあるでしょうが、開けたり閉じたりするのはやや面倒ですね。
取付けるのも年々辛くなってきていませんか?

 西側の窓の雨戸を締め切りにしているお宅を良く目にします。
鋼板ののこぎり状の雨戸は焼けてしまって、室内に輻射熱という形で熱を放出してきますから、効果はありますが涼しさを保つことは難しいと言えます。
輻射熱は空気を直接温める事はしませんが、物質を直接温めますから、雨戸から熱が飛んできている事を感じる事が出来るはずです。
シャッターも同じです。

 内側に窓を付ける方法は断熱性能は飛躍的に上がりますが、太陽熱を取り入れる量は少し減るだけですので、太陽光を遮る事は得意ではありません。

 金属膜を複層ガラスに貼りつけてある遮熱型Low-Eガラスを採用しても、太陽熱は室内に入ってきますから、Low-Eガラスそれだけでは、やはり役不足です。

 昨年は通風が出来る雨戸がよさそうとお薦めしていました。
雨戸に鍵がかかるので、夜内側の窓を開けて通風が出来るのでとても便利です。
ですが、気づきました。
雨戸は、閉めた時に内側に雨風を入れないようにある程度の、密閉した空間になっていますから、雨戸と内側の窓に熱がこもる事があるようです。
また、通風雨戸の開閉具合の調整が内側の窓を開けなければできず、また、操作レバーも動きづらいという欠点があります。

 外部のロールカーテンもお薦めですが、操作するにはやはり窓の開閉が必要です。
ネット状なので通風量が、網戸よりも少ないという事も言えるでしょう。

 今年は、窓の外に付けるブラインドをお薦めします。
外付けブラインドシステム ヴァレーマというドイツ製のものです。
これは電動で、窓の開閉なしに上下や羽根の角度を調整できます。
家の外で太陽光を遮る事はとても大きな効果を得られます。
入って来る太陽光を19%まで減らす事が出来ます。
これにLow-Eガラスを合わせれば、もっと減らす事が出来るでしょう。
この製品は原則、後付なので既存の住宅にも取り付けられます。
出入のある窓には使いづらい商品ですが、窓がないところでも付けられます、例えばベランダまで屋根がかかり柱が建っている場合は、柱の間に取付たり・・。
よしずやすだれだと建物のイメージに合わない、でも夏が暑すぎて・・・なんて方、如何でしょうか。

プロフィール

埼玉県鴻巣市で創業40年。 地域に根差し、お客様にとって最適な工事を提供出来るよう心掛けています。

HN:
加藤茂貴
性別:
男性
趣味:
コンガ、ジャンベ等パーカッション演奏
自己紹介:
会社名称:
 有限会社 カトウ工務店
 (1級建築士事務所併設)
所在:
 埼玉県鴻巣市松原1-20-10
tel/fax:
 048-541-1014 / 541-1017

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