ここのところ、会社の周辺では建売住宅花盛りという感じで、建築ラッシュになっています。
鴻巣から北の方と、南の方の2社の物件が競う様に建てられています。
プレカットが導入されるようになって、もう20年以上経過するでしょうか。
手刻みの現場も、見なくなりました・・って、自分の現場は大抵手刻みですが。
そんな建売。
上棟後の印象は、『白い』に尽きます。
なんであんなに白いのだろうと思っていたら、まさに白い木、ホワイトウッドの集成柱が使われているんですね。
弊社では、柱は桧か杉の無垢柱で、構造部分の集成材と言うと梁間を大きくとる場合に梁に米松の集成材を使う位なので、あんな白い現場はないのです。
気づけば、柱まで集成材。
タイコ仲間の建売大工に言わせると、『自分が建てるものはみな集成材』と言いいます。
土台から柱から梁まで、みんな集成材。
それを聞いた時は、ちょっとしたカルチャーショックでした。
集成材を否定する気はないのです。
製作直後の数値を見れば、明らかに無垢材よりも強度はあるし、寸法も品質も安定していますから作業はとてもし易い。
重いですけど。
それよりも問題なのは、樹種の方。
木材は、桧、杉、松、集成材という区別じゃないんです。
単純に『集成材だから大丈夫』という言葉は危険。
使用場所(部分や地域)に適した樹種を選択した上での集成材なら良いですが、なんでもかんでも『集成材だから』ではいけません。
あくまでも『桧の集成材、杉の集成材、米松の集成材、ホワイトウッドの集成材』なのです。
集成材にしたから、最強な材料になる訳ではありません。
コストのかけられない住宅では、見える部分にキャッチーなデザインを採用し、見えない部分の性能は二の次になる事も多いかと思います。
内装の仕上げや、素敵なシステムキッチンやユニットバスは、長く住み続けるうちに必ず交換する日が訪れます。
しかし、構造部分はそうそう交換できる部分ではありません。
構造部分には耐久性のある材料を使いませんか?
有限会社カトウ工務店 加藤茂貴