このところ、トイレのリフォームを立て続けに行いました。
一つは、洋式便器の交換です。
現在の便器の排便管は、後ろの壁から200mmで各社統一されていますが、以前の便器はメーカーでも違いますし、製造された時期によってもまちまちです。
その違いを吸収して、排便管の位置を変更しなくても便器の交換が出来るリフォーム用便器がありますが、今回は床材がふかふかしており、貼替を行いますので排便管を移動しました。
最もこの現場は、排便管が壁から遠くリフォーム便器でも現状より5cm程度手前に出てきてしまいます。
トイレ自体の奥行きが芯々1,365mmと少なく使いづらくなってしまうので、排便管はいずれにしても移動しなければならなかったのですが。
工事は他にトイレがないので、一日工事です。
もう一つは、和式の水洗便器で、タイル貼の床・腰壁、床に段差のある所謂『汽車便』と言われるタイプのトイレ。
床と腰壁を剥がし、床組みをして腰壁を貼って仕上げます。
こちらは二日工事で行いました。
使用したトイレは、両方共便器とタンクと便座を組み合わせるタイプでした。
トイレのトラブルというと、ゴムパッキンやフロート等のタンク内か、シャワー便座で発生することがほとんどです。
タンク内のトラブルは水道屋さんの部品交換で対応が出来ますし、器用な方はご自分でも直せるかもしれません。
しかし、機械部分のシャワー便座はメーカーの出張修理に頼るしかありません。
お掃除の楽なシャワー便座がタンクと一体化しているタイプや、タンクレスのタイプはメーカー修理となりますが、例えば使い始めて20年経過した場合、修理対応出来るのか疑問です。
メーカーは製造終了してから10年は部品を保有していると言いますが、少し不安になります。
シャワー便座は現在、大手ホームセンターからプライベートブランドで2~3万円程度で販売されてますし、便座の交換はそう難しいことではありません。
多機能や、見た目のすっきり感、汚れが入り込みそうな隙間が出来るだけ少ない事を望まないのであれば、交換という方法もあるという事です。
機械ものの発達はめまぐるしく、現在のシャワー便座の省エネ技術というと瞬間湯沸しタイプで、まだまだ上級グレードにしか搭載されていない機能ですが、将来は普及グレードにも装備されるでしょう。
便座の交換で更なる省エネ化が出来るというのは、全体的なコストを考えると、充分に魅力があると思います。
といことで、更新するのもシンプルに、必要な部分だけ出来るものをお薦めしています。
というのは理由がありまして、現在のトイレはタンクと便座が一体式のものと、タンクと便器と便座を組み合わせるものの便器は共通ですが、シャワー便座一体型の初期のトイレは専用の便器を使っていました。
便器の中に給水の配管が通っており、便座が壊れると既製のシャワー便座と交換が出来ずにトイレをまるまる交換することになります。
また、新しいもので出張工事を行ったものでも、再び同じ部分で不具合が発生することも数件ありました。
そうすると、お客様も嫌になってしまい、トイレ全体の交換に至る事になります。
弊社としては正直うれしいことではありますが、しかしながら勿体無い。
そういう事がありまして、それまでタンク便座一体化一筋だった自分を振り返り、メンテナンスに問題のある設備に対して反省し、考え方を変えたのです。
不具合の出ない陶器部分まで捨てるのは勿体無い。
もっとシンプルにメンテナンス出来るものを、と。
やはり他でもそんなこと案件が多くあったのでしょう、メーカーでもタンクと便座が一体化したタイプや、タンクレスのタイプを現在は、陶器の便器部分を残して新しいものに交換できる商品が販売されています。
毎日、用を足すおトイレです。
毎日、読書をするおトイレかもしれません。
毎日、お掃除をするおトイレでもあるでしょう。
毎日、痛い足を引きずって用を足すおトイレです。
毎日必ず入るおトイレですが、立場によって視点も変わり求めるものも変わります。
用を足す人は、シャワーや暖房便座の快適性、操作性を望むでしょう。
また、手洗いのしやすさを望むかもしれません。
読書をする人や、長時間籠る方は、BGMや消臭、花を置ける場所を望むかもしれません。
お掃除をする人は、掃除が短時間で終わるように汚れが付きにくく、落としやすいものを望むでしょう。
足の痛い人は、タンクの上の手洗いを恨めしく思うかもしれません。
人によって、何を重視するかは変わるものです。
おトイレにも様々な特徴を持った製品がありますので、こだわりによって自分に合ったものをチョイスしてください。
別にという場合には、シャワー便座の更新が簡単なタンクと便器と便座のタイプをお薦めしています。