基礎の配筋も最近はユニット物が主流になってきているようです。
ユニット物とは『認定』工場でスポット溶接により鉄筋同士を緊結したものです。
結束も少なく施工が楽で、多くの現場で採用されているようです。
さて、このユニット物ですが永らくうやむやになっていた告示に対応したと判断されたようで、採用が進んでいるのかもしれません。
それは、基礎梁(基礎の立上っている部分。布)の配筋のうち縦筋とか、あばら筋とか補強筋と言われる通常D10の異形鉄筋が300mm以下のピッチで入っていますが、これとこの端部に交差する様に入るD13以上の主筋とを緊結しなければならいという事が、告示(建築基準法 告示第1347号)で謳われています。
この『緊結』をどうとらえるか。
切りっぱなしの縦筋を結束線で結んだだけで緊結と言えるかどうかというと難しく端部を折り曲げてフックを付けたり、溶接したとなれば緊結していると言えるでしょう。
しかし実際の現場を過去を含めて見てみると、ユニット物を使っていなければ縦筋は切りっぱなしで主筋とは結束線で留め付けてある現場が多くみられます。
近所ではなかなかフック付で施工している現場はなく、過去に一度見たような記憶がある位です。
緊結していなければ、告示違反となりその建物は違反建築物と言えますが、では法律上の話ではなく、実際の所、構造的に端部のフックは必要なのかを検討してみました。
縦筋は基礎梁のせん断に抵抗する補強筋ですが、木造の基礎の場合、計算してみると分かるのですがスパンが長くて、端部の柱が大きな鉛直力を支えている場合でないと数値に変化が見られないのです、異形鉄筋で端部フック無で計算しても。
このことから、木造の基礎梁についてはせん断は大きく作用していないので、フックを付けなくとも問題ないと言えるのでしょう。
だからと言って安易に300mm間隔でフック無で配筋していまっていいかというと、そうではありません。
計算による根拠があって初めてフック無の配筋と出来るのです。
計算を行わずフック無にしたいのであれば、『認定』のとれたユニット物を採用するのが良いのでしょう。
その際採用するユニットは、必ず告示に適合していると『認定』されたものを使います。
ホームセンターで売られているような安価なユニットは『認定』が取れていない事がありますので。