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Q-1住宅 / 有限会社 カトウ工務店

地元に根差して40年。高断熱住宅Q-1.0住宅(キューワン住宅)の設計、施工。 翌朝も暖かな家づくりをしています。

結露の季節。

11月も終盤で、2018年も終盤ですね。
過酷な暑さだった夏の余韻に浸っていたものの、気づいてみたら11月7日に立冬が過ぎ、本日22日は小雪です。
北の方では初雪も観測されたとか。

 日中晴れると、まだまだ暑く感じますが、今日は寒く、いよいよ『冬』なのだなと感じます。

 冬になると気になるのが、窓ガラスにびっしりと発生する『結露』です。
『結露』はご存知の通り、空気の中にある水蒸気が、冷たいガラスに触れて水になる現象です。
カビの発生を招いたりするので、結露は少なくしたいものです。

 ガラスで起こる結露は、ガラスと水蒸気をくっつかないようにするか、ガラスの表面の温度を高く(といっても結露しない温度に)してあげればよいのです。
内側にもう一つ窓をつけたり、ガラスをペアガラスにしたり、ガラスの表面にエアパッキンやプラダンのようなものを貼りつける事も効果があります。
と、こういった話はこの季節あちこちで聞く事でしょう。
内窓が安い!とか。

 さて、ここからが今回の本題です。

 家の中で他に結露を起こすところというと、お風呂場のような水蒸気の多いところはそうですが、押入とか、納戸なんてところも結露して、カビが生えていませんか?

 先日もお客様に相談されました。
『クローゼットの壁がカビだらけになるので、外壁の外側に断熱材のような物を張り付けたいんだけど、簡単に出来ないかな』といった風に。

 そこのお宅は、壁の内側にアルミが蒸着されたエアパッキンが貼り付けてありました。
それでも壁との間に隙間があって、壁にカビが生えてしまうのだそうです。

 結露するのは、壁が冷たいせいだから、断熱材を貼り付けてあげれば温かくなる。
内側に貼りつけるのは難しい。
しかも寒いのは外なので、外壁の外側に断熱材を付ければ、効果抜群!
そうすれば、結露も無くなるはず。
よしよし。
という考えでしょう。

 しかし、もっと簡単に解決する方法がありますよと伝えました。
それは、クローゼットの戸を開けておくという方法です。
戸を閉めておくと、暖房した部屋は暖かくなりますが、クローゼットの中は暖まらずに寒いままです。
当然、壁も冷えていますから壁に触れた水蒸気が結露してしまいます。
結露すると空気が乾きますから、他から水蒸気が寄って来て更に結露します。
戸を開けて室内と同じ温度にしてあげると、壁の表面も暖かくなってクローゼットの中も結露しません。

 この時、クローゼットの壁と衣服や家具をくっつけないで、少し離しておくことが大切です。
 この方法は、暖房する部屋の広さが広がるので、暖房費が増えてしまいます。

 実は、高気密高断熱住宅でもこれと同じことが起こることがあります。
使っていなくて暖房をしていない、戸を閉めっぱなしにしている部屋で。
いくら高断熱住宅でも、暖房されなければ徐々に外の空気と同じ温度になっていきます。
そうすると、壁や天井が結露を発生するほど冷えて、結露を起こしてしまう事があります。
ですから、高断熱住宅に住む場合、戸を開け放して生活をする事になります。

 私が子供の頃は『開けたら閉める!』と教えられましたが、高断熱住宅にすむ子供は、『戸を閉めない!』と教える必要があるかもしれません。
他の家では『開けたら閉める!』とも。

 q-1.0住宅をプランニングする際は、空気の流れを考えます。
どこかで空気が淀まないように。
結露だけでなく、家中温度差の少ない家にする為です。
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住宅の燃費。

省エネ住宅、健康住宅、自然派住宅、低燃費の家などなど。
色々なキーワードが、現在の住宅には適用されます。

 省エネ住宅の定義も、難しいものです。

 省エネ法とういう法律で、設定されているH28省エネ基準を満たせば、省エネ住宅と言っても問題はないのでしょう。
省エネ法に適合しているのですから。

 しかし、そういう謳い文句は前時代的な住宅業界のやり方です。
以前の住宅業界は、如何にコストを掛けずに法律に抵触しないギリギリの性能の家を建てるかという事に一生懸命になっていた時代がありました。
例えば、外断熱が流行した時代。
外断熱に使われる断熱材の厚さは30mm程度だったはずです。
法律で定められた断熱材の厚さで言うと、満たしていないのですが熱貫流率を計算すると適合となったのです。
建物を断熱材ですっぽりと覆い省エネなイメージだけが独り歩きしていて、目を見張るような性能どころか当時の最低基準の性能で、違法でなければ良いという考えのもとに家づくりが行われていました。

 現在は、ハウスメーカーも他社も当然そうだと思いますが、新住協に参加する弊社でも、省エネ基準を大きく超える性能の住宅づくりをしています。
新住協のQ-1.0住宅【キューワン住宅】は、H28省エネ基準の半分以下の燃費(お金ではなく、エネルギー量)で全館暖冷房を行える住宅を言います。
Q-1.0住宅は、レベルが1~4まであり、Level.1がH28省エネ基準の4割の燃費で、レベルが上がるごとに1割削減されて、レベル4では、H28省エネ基準の1割以下となります。

 その性能を担保するために使用されるエネルギーの消費量計算プログラムが、『QPex(キューペックス)』【外皮平均熱貫流率・日射熱取得率及び暖冷房用エネルギー消費量計算プログラム】で、これを用いてQ-1.0住宅の各部分の仕様を決めていくのです。

 化石燃料を原料とするエネルギーは、化石燃料の価格上昇に伴い当然、値上がりしていきます。
この先、値下がりする事はまず考えられません。
このまま化石燃料を使い続けるにしても、使用量を減らす事が生活費の削減につながります。

 弊社は今後も、お財布にも、地球にも、体にも優しい燃費半分の家、Q-1.0住宅を地元の工務店の強みを生かし、イニシャライズコストもランニングコストもトータル的にコストパフォーマンスに優れた住宅を作っていこうと考えています。

高断熱住宅の断熱以外の所。④

H28省エネ基準を大きく上回るQ-1.0住宅のような高性能な住宅の場合、暖冷房は全館暖冷房にした方が省エネになります。

 今までの(H28省エネ基準でも)住宅は、間歇(かんけつ)暖冷房という必要な部屋だけ、必要な時に暖冷房を行うものでした。
この方法、使うエネルギーが少ないと思うでしょう。
それは、今までの住宅の断熱性能が低い住宅では正解なのですが、より高性能な高断熱住宅の場合は、当てはまりません。
なにより全館暖冷房の方が家中、どこでも室温が同じ位なのでヒートショックのリスクが少なくなります。
間歇暖冷房よりも全館暖冷房の方が、快適に暮らすことが出来ます。
 炊飯器で言うと、これまでの(H28省エネ基準の)住宅で全館暖冷房を行うと炊飯中のようなもので、Q-1.0住宅等の高性能な住宅では保温状態という感じでしょうか。
前者はフルパワーで暖冷房を常に行いますが、後者は室温を一定に保つのに必要な分だけの段冷房です。

 さて、鴻巣の地域でのQ-1.0住宅では暖冷房にはエアコン(ヒートポンプ)を使用する事が一般的です。
これは、エネルギー効率が他の段冷房器具に比べてとても優れている事と、エアコンで十分な暖冷房が行える事等、地域の特性があります。
設置するエアコンは暖房用と、冷房用の2台で十分な家も作る事が出来ます。

 暖房の暖かい空気は上昇して天井付近に溜まります。
天井付近が比較的高温になりますが、床面の温度が高く高さ方向の温度差も小さいので、不快に感じる事はほぼありませんが、吹き抜け等は多少の温度差が発生するのでシーリングファンを付ける事で、ちいさな空気の移動が起こりより快適になります。
 冷房の場合は反対に冷たい空気が床に溜まります。
この冷たい空気は重い為、シーリングファンなどではなかなか高いところに持ち上がりません。
なので高いところに付けて効率的に落とす事を考えるのです。
冷気の通り道をどこにするかを考えます。

高断熱住宅の断熱以外の所。③

高断熱住宅を考える時に、よく言われるように『熱が逃げにくい』ので、不要な熱を室内に取り入れないように気をつけます。

 窓から日差しが入ってくれば、熱も一緒に入ってきます。
夏の日差しは高く、冬の日差しは低い。

 窓の上の軒の出の工夫で、南の日差しのコントロールは比較的簡単に行えます。
南面にはベランダが取り付く事が多いので、これを日除けとする事も多くあります。
また、屋根の軒の出は80cmくらいになると、室内に日差しが全く入らない日が出てきます。
 一方、東西面はお日様の高さがありませんから、軒の出や、庇では日差しを遮る事は出来ません。

 冬の日差しはウエルカム。一方夏の日差しはノーサンキュー。

この二つを実現するには、それぞれの季節に応じて対策をとる必要があります。
窓の外にブラインドやロールスクリーン、すだれ、グリーンカーテンなどを活用するという方法があります。
もしも、そういったものを付けずに外観をスッキリ見せたいというのであれば、遮熱ガラスを採用してしまうという方法もありますが、冬の採暖は少なくなり、夏の遮熱も外に取り付けるものに比べると劣りますが、ここは何をとるかという事が重要かと思います。
また、ガラスフィルムを施工するというのも遮熱の効果は高く、屋外側に施工するものであれば90%以上の遮熱効果がある製品もあります。

 他に、庭木を積極的に採用するという事も手段としてあります。
植栽は、手入れが大変という声もありますが、緑があるお客様のお宅へ伺うと、緑の良さを感じます。
この分野は私、苦手なので大したことは語れませんが、基本的には落葉樹と常緑樹の使い分けです。
落葉樹は夏に緑が生い茂り日差しを遮り、冬には葉が落ちて枝だけになり日差しを通します。
常緑樹を北側に植えると、北風を防ぐ事ができますし、夏の東西からの日差しも遮ってくれます。
 また、地面をコンクリートなどで舗装せずに、土のまま、芝生などを植えたり、ウッドチップを敷き詰めたり、池を造ったりすることで、室内に入って来る風がここで冷やされて、室内が涼しくなり、夏の時期に効果が出ます。
 お庭が大きく取れ、建物の周囲に余裕があるのであれば、採用したい方法です。

高断熱住宅の断熱以外の所②。

最近の住宅を見たお客様の多くが
『最近の家は、窓が小さい』
とおっしゃいます。

 私は、この時に
『小さい窓は開けておいても人間の出入りが不可能なので、防犯上有利なうえ、換気も出来るんです』
とか、
『建物の外側(外皮)の断熱性能を上げるために、断熱性能の低い窓の面積を小さくしたり、西日を避ける為に小さくするんですよ』
と言います。

 窓の役割は、採光、採暖、通風(換気)、景観などがあり、それぞれが省エネに貢献する事が出来ます。
採光は室内を十分に明るくして、照明器具の使用時間を短く出来ます。
採暖はお日様の熱を室内に取り込み、冬の暖房時間を短く出来ます。
通風は春秋の中間期や、夏の夜に効率的に行う事で冷房時間を短く出来ます。
景観は直接省エネにはなりませんが、外の景色が良く見渡せるという事は、外からも家の中が良く見えるという事になります。
外からの視線を遮る事を考えると、省エネ性能にも関係してくることがあります。

 採光や採暖は、窓を大きくすれば効果が大きくなり、小さくすれば効果も小さくなります。
また、採暖については方位と大きさの関係が重要になり、例えば西側に大きな窓を設置すると夏の西日で、室内が非常に高温(オーバーヒート)になり過ぎて就寝時に室温が下がらなくなることもありますので、小さくしたりいっその事無くしたりという事も考えます。
その一方で、冬の時期は西日も室内に取り込んで部屋を暖める事で暖房時間を短くする事が出来ますから、冬を考えるとある程度大きく取りたいなと考えます。
 南面は夏のお日様は高いので、庇を少し出すことで遮る事ができ、冬はお日様が低くなるので部屋の奥まで取り入れる事が出来ますので、南にはお日様の熱を取り込みやすいガラスを採用します。
冬場の縁側はポカポカして、おばあちゃんと猫が日向ぼっこ。
そんなイメージでしょうか。

 通風は、室内の熱を外に排出するのに大きく役に立ちます。
窓の大きさは採光や採暖程に大きなものは必要なく、大きさよりも取り付ける位置が重要になってきます。
換気扇に熱の排出をさせるよりも、効果が大きくエネルギーも必要ありません。
通風は部屋の異なる方位の壁、2ヵ所以上に付ける方法のほかに、高さを変えて取り付ける方法があります。
 前者は風による通風で、風がない場合には通風が出来ませんが、風があるときには効果が大きく、涼しさを得やすいです。
また、地域や周辺環境によって風の方向が変わりますので、効率的に風を取り込むにはそういった事も、考慮して窓を設置します。
 後者は空気の温度差による通風(重力換気)で、暖かい空気は高いところにある窓から外に出ていき、低い窓から冷たい空気が流れ込んできます。
風速は速くないので、風のような涼しさはこれでは感じませんが、室温を一定に保ちやすい方法です。
1階の窓から取り込み、2階の窓から排出するように家全体で通風できるように計画します。
夏の夜に十分な通気ができると、エアコンの使用を抑えられ、翌朝も涼しく目覚められます。
重力換気は、高低差が必要なので平屋では効果が少なくなります。

 一般的にはこんな感じなのですが、土地の条件やお客様のご希望や、住まい方で変化してきます。

プロフィール

埼玉県鴻巣市で創業40年。 地域に根差し、お客様にとって最適な工事を提供出来るよう心掛けています。

HN:
加藤茂貴
性別:
男性
趣味:
コンガ、ジャンベ等パーカッション演奏
自己紹介:
会社名称:
 有限会社 カトウ工務店
 (1級建築士事務所併設)
所在:
 埼玉県鴻巣市松原1-20-10
tel/fax:
 048-541-1014 / 541-1017

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