現在、築23年の住宅のリフォーム工事を行っています。
あちらこちらを解体していくと当時の断熱工事の状況が見えてきます。
その状況に愕然としながら工事を進めています。
高断熱住宅を手掛けるようになって得た知識を動員してこの時代の建物を見ると、ずさんさが良くわかります。
確かに、当時の現場では袋入りグラスウールの耳は柱の見付(正面)ではなく見込み(側面)に留め付けていましたし、壁の断熱工事は床の後でしたから土台や梁の上端から床の上端までの間は無断熱の状況です。
また、床と天井では間仕切りの中にまで施工する事は無ありません。
まさに、新住協にお世話になって初めて断熱材が効かない(効かせる)理由を知った時の状況が目の前にあります。
そしてそれは、紙面の断面図で見るよりもはるかに衝撃的な事です。
『効く断熱施工をしたい』
そうんな衝動に駆られながら、今回は断熱リフォームを断念した経緯がありますので手を出せませんが、もっともっとアピールしていかねばなと感じています。
現存する住宅の断熱リフォームをする場合、基本的に構造体の内部で空気を動かさないような施工が必要になります。
床や天井がある状態でこれを行うのは簡単ではなく、あちこちを解体しながらの作業になりますので、見た目の問題やコストの問題が出てきます。
断熱材がついた外壁材をはって省エネ!なんてのはまず効果が期待できません。
躯体内の空気が動いていますから。
遮熱塗料を塗ったら、夏の室温が変わった!
確かにあるでしょうが、年間の光熱費は左程変わらないのじゃないでしょうか。
冷房よりも暖房の方がコストがかさみます。
夏場の室温が下がったなら、冬場の室温も下がるでしょう。
断熱効果はありませんから、室内で冷暖房しても今まで通り外部に熱は逃げて行ってしまいます。
新築の時点できちんと断熱施工を施しておけば、一番コストを掛けずに高性能な断熱性能が手に入るのに。
長期的なコストで考えれば、それが一番ローコストになるのに。
そんな事を考えています。