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Q-1住宅 / 有限会社 カトウ工務店

地元に根差して40年。高断熱住宅Q-1.0住宅(キューワン住宅)の設計、施工。 翌朝も暖かな家づくりをしています。

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通気工法。

構造と外壁の間に胴縁を打ち付けて通気層として空気が流れるようにする通気工法は、性能表示の劣化対策の等級2以上で選択肢の一つになってきます。

 通気工法は、躯体内の水蒸気を外部に排出するのに重要な役割を果たします。
気密層の欠陥部分から躯体内に侵入した水蒸気は、結露を起こす危険がありますので、これを排出する為に必要なのです。

 さて、通気工法の上下端はどうなっているかご存知でしょうか。
一階の下端は土台水切り周辺が入口となっています。
土台水切りの取り付け方によって2種類あって、一つは土台に取り付けて透湿防水シートを張って通気胴縁を施工する方法。
もう一つが、透湿防水シートをはって通気胴縁を打ってこれに取り付ける方法。
前者が恐らく一般的に行われている方法です。
透湿シートから連続して水切に繋がり、外壁材の裏側に侵入した雨水などを土台にダメージを与えることなく排出出来る方法ですが、透湿防水シート、通気胴縁、土台水切のそれぞれを誰が施工するのかによって施工順序が変り、施工の仕方も工夫が必要となります。
また、通気層と外気の間にネズミ等の侵入を防ぐ必要がある場合には、フィルターを別施工します。
 後者は土台パッキンの防鼠材の役割を土台水切に持たせる際に使われます。
床下の換気口と壁の通気層の入り口を一つにした方法です。
水切施工するだけで、床下と通気層へのネズミの侵入を防ぐ事が出来ることがメリットです。
透湿防水シートの施工の仕方によっては、土台が外壁材の裏側に侵入した雨水などに濡れる恐れがあります。
また、床下、通気層内への空気量が不足する恐れがあるとどこかで読んだ気がしますが確かではありません。

 さて、上端はどこでしょうか。
上端も2種類ありまして、一つは軒天との取り合いに専用の見切をつけて、ここを出口にする方法です。
通気層は、躯体内の水蒸気を取り除く役割がありますから、その空気には水蒸気が外気より含まれている場合がありますので、これを小屋裏に入れると小屋裏で結露を起こすリスクが増すことを避けたい時に採用します。
 もう一つは、軒天の施工前に通気胴縁を桁まで打ち付けて小屋裏まで連続させる方法です。
小屋裏内の水蒸気量が増えるかもしれませんが、小屋裏換気の給気口として通気層の土台廻りを活用できるとしたら小屋裏が乾燥した状態に出来るのではないかと思っています。
通気層と連続したことを勘案して小屋裏換気口を増やしてあげれば良いです。

 外壁が太陽熱で温められれば通気層内の空気は上昇し小屋裏へ入り、小屋裏の換気口から外部に排出されるのでははいかと。
また、北側面は逆に空気が下降して土台水切付近より外部に排出・・されるんじゃないでしょうか、その効果はそれほど期待できないと思っていますが。
 こういった理屈で夏場、断熱層の間に通気層を設け室内の熱気を外部に排出させたり、外部からの熱を室内に入る前に排出する工法がありますが、通気層で排出される熱気は必ずしも暖かいとは限りません。
室内でクーラーを使って冷やした冷気も排出してしまっているのです。
何故なら、厚く施工した断熱材のその間に通気層を設けることによって、夏季は半分の厚さに減らしてしまっていますので、外側に通気層を設けている断熱工法と比較しても冷気の排出量は多いことが想像できます。
 特に近年の夏は非常に暑く、エアコンの使用が必須となっています。
わざわざ断熱材を薄くして断熱性能を落とす何てことは省エネではありません。
 夏場の室内の気温上昇は、開口部からの日射を防ぐことで抑える事ができます。
高断熱住宅は、室内の熱を外へ逃がしづらい為、外部からの熱を遮断してあげる必要があります。
 その代わり、日射量を減らす工夫を行えば、小さなエアコンでも全館冷房できますし、日射を防いで窓を開けて通風を得ることで、春秋の中間期はエアコンに頼らなくても快適に過ごせる期間が長くなります。

 話がそれました。
 
通気工法が出始めの頃は、小屋裏の有効開口が不足する等の理由で軒天下で外部に繋げていましたが、現在は小屋裏内へ連続させる方法が一般的のようです。

 弊社で行っている断熱施工は、裸のGWを充填してから室内側に防湿フィルムを別に施工して壁内への水蒸気の侵入を防ぐことに気をつけています。
通気層が過度の水蒸気量になる事はまずありません。
完璧な施工がいつでもできれば、通気層はそういう意味では必要なくなりますが、現場作業ですからエラーもありますので、通気層を設けておくことは大切なことなのです。

 原則ではそうなのですが、下屋やベランダの笠木ではどう扱うのかが問題となってきます。
ベランダの笠木がある壁では、下端は土台水切で入口が確保されていますが、上端は施工中に通気層内へ雨水が侵入する事を嫌って、また施工後も雨が吹込みことを嫌って余った窯業系サイディングや、防水紙で通気層の上端を塞いでしまう事があります。
こうなると、通気層内の空気は効率的に水蒸気を外部に排出出来ない為に、通気層内で結露を起こすことになり、躯体や外壁材に大きなダメージを与える事があります。
 弊社ではこの部分、通気ライナーという部材を施工して上端の出口を確保するとともに、雨水の侵入を防いでいます。
 また、ベランダの床も立上りも通気層を設けているので立ち上がりの上端に通気ライナーを設け、水切を付けて透湿防水シート、通気胴縁、外壁の順番で施工し通気の確保と雨水の侵入を防いでいます。


 見えない部分ですが、住まいを長持ちさせる大切な部分なので、特に丁寧に施工しています。

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プロフィール

埼玉県鴻巣市で創業40年。 地域に根差し、お客様にとって最適な工事を提供出来るよう心掛けています。

HN:
加藤茂貴
性別:
男性
趣味:
コンガ、ジャンベ等パーカッション演奏
自己紹介:
会社名称:
 有限会社 カトウ工務店
 (1級建築士事務所併設)
所在:
 埼玉県鴻巣市松原1-20-10
tel/fax:
 048-541-1014 / 541-1017

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