忍者ブログ

Q-1住宅 / 有限会社 カトウ工務店

地元に根差して40年。高断熱住宅Q-1.0住宅(キューワン住宅)の設計、施工。 翌朝も暖かな家づくりをしています。

ウッドデッキの件。

和室前の広縁の外側に、アルミ製のテラス屋根を設置して、屋内から直接出られるようにうっでデッキを設置する事に。

 デッキに使う材料は無垢材です。
 床板はイタウバで。

 いつもは30mm厚の床板を、910mm程度の間隔で置いた大引に留付けていたのですが、今回は20mmの床板を大引の上に留付けた根太に乗せる事としました。

 根太分だけ部材点数が増えている。

 ウッドデッキには原則、輸入木材のハードウッドを使います。
国産材だと、檜辺りが候補に挙がるでしょうが、針葉樹だからなのか数年で腐朽が始まってしまいます。
我が家にも少しウッドデッキを設えてありますが、お試しもかねて最初に作ったのは、骨組みを国産材で檜を。
床板は米栂でした。
カナダ栂ですね。

 2年程度は持つかなと思っていましたが、期待を裏切ってもう少し持ちました。
しかし、床は簡単に交換できるので良いのですが、骨組みとなると床も当然撤去しますし、面倒なので、骨組みをハードウッドとして、床板は相変わらずのカナダ栂を採用してみました。

 床板のカナダ栂は、数年で腐朽(特にビス廻り)しまして、ぐらついてきて危ないので気が向いたところでダメなところだけを交換していきますが、骨組みは全く問題なさそうです。

 で、今回の構成は床板に、見栄えも良いイタウバという高級素材を使用して、骨組みの根太にはサイプレスを採用。
大引や束などはアンジェリーナという樹種を使いました。

 見えるところ、触れるところは肌触りの良い素材で、見えないところは耐久性とコストを鑑みてという構成にしてみました。

 ウッドデッキの組み方は何種類かありまして、ネットでよく見かけるのは床束を設置してから断面30mmx90mmとか105mmとかの根太受(大引)を高さを見ながら留付けて、それに床板を載せていくという方法。
高さの調整が楽で施工が簡単ですが、床束との接合がビスだけという耐久性と強度が心配になる仕様です。

 木工を行う身としてはやはり、大引は90mm角断面以上という事で90mm角です。

 これを、同じ断面の床束に乗せる、屋内の床と同じような構成で床組を行います。

 床束は鋼製でも良いし、共材でも良いでしょうね。
鋼製は、当然錆が出たりしますし、見た目もちょっと木製のウッドデッキとしては今一つかもしれません。

ただ、強度抜群で高さ調整も出来ますし、施工がとても簡単なのは良い事ですので、外周部の直接見える範囲は木の床束で、内部を鋼製とするのも良いかもしれません。

 いつもはここまでで床板を施工しますが、今回根太仕様にしたのは、ウッドデッキに用いられるハードウッドは、たまに激しく変形してしまう事があるからです

 天然素材ですから、仕方ないことですがこれを抑制する方法はないものかと、検討した結果です。

 床板30mm厚ならスパン1,000でもOK(と、最初に作ったときにどこかで見かけた)の事ですが、天然素材で個体差があるので、たまにたわみ量が大きな固体があったりします。

 激しく変形をしないように拘束するスパンを少なくし。 柔い固体でもたわまないようにする為に、今回は根太式にしてみました。 問題は見た目のビス量が多くなってしまう事でしょうか。  サイプレスという材料は、ハードウッドではないのですが、耐久性は抜群です。 加工性が良くて、見た目が檜に似ていてきれいな表面をしているのですが、大きな節が多い為、採用する際には注意が必要になります。
しかし、今回は根太。
下地材として使うので、問題は多分ないです。

 大引と床束はホゾで繋いで金物で留付けます。 天然木材は当然のように反っています。 屋内の床の様に、周囲の土台ががっちり固定されているようであれば、簡単にプレカットできるのですが、ハードウッドは文字通り固いですから、この反りは簡単には矯正できません。

なので、そのままの反りで、矯正はほどほどにして設置していきます。


そうすると必要になってくるのが、墨付けという作業です。
曲がった材が交差する部分の加工をするときに、基準となる線がないとどれだけ欠けば良いとか判断できないのです。

 大工さんの頭の中では、材木の芯を意識して墨付けをしています。
水平面も当然、高さ方向も材料の反りを鑑みながら高さ方向の基準墨を決めていきます。
高さ方向とか、水平方向に大きく変化のある材料などの芯の設定は、よく材料を観察して決めていきます。
その辺りを、許容範囲内の精度で納めていくのは楽しいものです。

 例えば、古民家のような丸太梁は芯を決めてそれを基準にして刻み、あのように曲がりくねっていてもきれいに組みあがっているのです。
今後の住宅では、丸太梁を採用するケースはなくなっていくでしょうが、個人的の欲求をかなえる為には、偶には丸太を使って墨付けしたいものです。

 基準墨を出して、 墨ツボを持って、たたき鑿で加工するなんて久しぶりですね。
でも、木工って面白いなと思えるひと時です。
面白いと思う瞬間は、職人によっても変わりますが、私の場合は墨付けと刻みと、その材をくみ上げる瞬間がとても好きです。


久しぶりの墨付けは、無駄に時間がかかってしまったようです。
刻みはサクサクと終わらせたいと思います。
PR

コメント

お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

プロフィール

埼玉県鴻巣市で創業40年。 地域に根差し、お客様にとって最適な工事を提供出来るよう心掛けています。

HN:
加藤茂貴
性別:
男性
趣味:
コンガ、ジャンベ等パーカッション演奏
自己紹介:
会社名称:
 有限会社 カトウ工務店
 (1級建築士事務所併設)
所在:
 埼玉県鴻巣市松原1-20-10
tel/fax:
 048-541-1014 / 541-1017

フリーエリア