天井上の断熱は、断熱材を施工する部分によって3種類があります。
①天井断熱
文字通り、天井の上に断熱材を載せる方法です。
断熱ライン内の気積が一番小さくなる方法なので、冷暖房の負荷を一番小さく出来る工法と考えられますが、マット状、ボード状の断熱材を隙間なく施工するのは難しく、吹込み工法で行うのが現実的でしょうか。
電気配線やダクト、埋込照明器具などが断熱材の中に埋もれるので後々のメンテナンスの為には配慮が必要になります。
②桁上断熱
これは、梁・桁の上に断熱材を施工する方法です。
通常は、桁の上に合板を2階床の様に張り、その上に断熱材を施工します。
天井の上に断熱ライン内側の空間が出来る事により、電気配線やダクト配管、埋込照明などの気密処理が不要になって施工効率は良くなる面があります。
メンテナンスも気密層の内側で行えるので良いです。
断熱材は、弊社ではボード上のグラスウールか、マット状のグラスウールを採用します。
建て方の際に、小屋の足場が良くなるのも利点です。
壁と桁上の断熱材の取り合い部分が熱的に不利になるので、桁の上にもう1本桁を載せるなどの配慮が必要になります。
③屋根断熱
文字通り屋根の直下に勾配なりに断熱材を施工します。
熱環境を検討する際の気積は一番大きくなります。
施工箇所は、野地上、垂木間、、垂木下、梁間があります。
野地上は、荒野地板(【あらのじいた】野地板を2カ所に施工する場合の下の野地の事)の上に断熱材を載せて、通気層を確保して、上野地板(【上野地板】野地板を2カ所に施工する場合の上の野地の事。1カ所施工の野地板と同じ役割)を張って屋根を施工します。
外断熱の場合は、押出発砲ウレタンフォーム(以下XPS)を施工して通気層用の垂木を流して野地板となるのでしょうか、外断熱は興味が薄いので、分かりません。
通常は、荒野地の上に断熱材の厚さ+通気層分の垂木を流して、垂木間に断熱材を充填し上野地を張って屋根を施工します。
垂木間は、2x10等の高さの大きな垂木を使いその間に(垂木の高さ分の断熱材)を施工します。
その際、通気層は垂木の間に作ります。
そうしないと荒野地を張って、通気層垂木を打って、上野地を施工する形になります。
垂木下は、垂木間の様な大きな断面ではなく、通常の垂木を施工して通気層とし、その下に断熱材を施工する方法です。
垂木の下端には透湿シートを施工してあげると空気層がつぶれずに済みます。
断熱材を受けなければならないので大抵の場合、勾配天井の天井断熱とも言えます。
梁間は、登り梁の時に使いますが、梁の間(から天井まで)です。
この場合、登り梁の上に施工する合板は厚板として、水平構面を形成する場合が殆どですので、通気層は厚合板の上になります。
厚合板は4周桁、登り梁、棟木に留付けますから、空気を抜く穴が施工できません。
軒の出、」ケラバの出が小さい場合(軒ゼロ)は、垂木の高さは通気層に必要な高さが確保できれば十分です。
軒の出やケラバがある場合は、ケラバを支える母屋がありませんから、垂木の施工に配慮が必要になります。