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Q-1住宅 / 有限会社 カトウ工務店

地元に根差して40年。高断熱住宅Q-1.0住宅(キューワン住宅)の設計、施工。 翌朝も暖かな家づくりをしています。

カラフルな水素。

ヨーロッパにおいて自動車はEV100%にしよう!なんて事が推進されていますが、その方針に少し陰りが出てきたというような事を、何処かの記事で目にしました。

 車の環境への負荷を考える場合、走行時だけでなく、製造から廃棄までの環境負荷までを含めた考え方(LCA・・ライフサイクルアセスメント)で判断されていく時代に入っています。  

走行時のEVは『負荷0』ですが、使っている電気が何に由来するかで変わってきます。 現在走行しているEVが使っている電気の多くが、火力発電に由来すると言われていますから、この場合『負荷0』とは言えなくなってきます。

 日本では電力の多くを火力発電に依存していますから、日本でEV生産をすることはLCAの観点からみると、不利になってしまいます。


 電力事情の改善は、世界と戦えるかどうかに繋がるのです。


 EVは電気をためる為にバッテリーを使いますが、走行距離やハイパワーを実現しようとすると搭載するバッテリーは大きく重くなってしまいます。

搭載するバッテリーが40kWh級であれば、現在市販されている自動車の中ではPHEV(プラグインハイブリット・・充電できるハイブリット)と共に、低負荷ですが、80kWh級のバッテリーを搭載してしまうと、ハイブリットやFCEV(燃料電池)よりも負荷が大きくなります。


 という事は。

 EVは小型であれば良いですが、より長距離を走らせようとか、パワフルなモーターを使うとか、快適性を求めてボディが大きくなればなるほど環境負荷が増えていく事になるのです。


 そうなると、トラックなどの大型車のEV化はどうなかと。

大型車の場合、車重自体も大きいですし、積載量も大きく、走行距離も長い。


 当然、モーターも高出力になりますし、バッテリーもかなりの量を積まなければなりませんから、結果、ほぼバッテリーを運ぶための構成になってしまうようです。


 EVは普段の足として使うのが、とても地球にやさしいと思うのです。

高齢化・過疎化が進む地方で、昔あった50c.c.カーのような小さなEVが普及すれば良いのになと思います。


 で、期待したいのは『水素』です。


水素というと、数年前にトヨタがそれにまつわる特許を公開して話題になった、燃料電池車(FCEV)が思い浮かぶと思います。


 これは、走行時に水素を使って発電し、モーターを動かすというものです。

 EVのように何も出てこないわけではなく、水が生成されますが、エコな方式として注目されましたが、普及したかというと・・。


 しかし、現在トヨタは、水素エンジンを搭載した車両(ヤリス)でレースに参戦しています。

今度は水素で発電してモーターを動かすのではなくて、水素を直接燃やしてエンジンを回す、ガソリンを水素に置き換えたエンジンの開発を行っているのです。


 今年初めまでは、圧縮した水素(気体)をタンクに納めて利用している為、後部座席のスペースはすべてタンクで占領されてしまっている上、走行距離は短いというのが難点でしたが、今年は水素を液体化したものを搭載する事で、タンク容量を小型化して、3月にレースに参戦しました。

液体化に伴い航続距離が延びるのと、車内スペースが増えました。


 結果は、燃料系統のトラブルに見舞われてしまったのですが、次の5月のレースでは問題を解消して完走してくれるでしょう。

 因みに、気体の水素の場合、大型のトレーラー3台分を持ち込んでいたそうです。


 水素エンジンのデメリットは、
『安全面』ですね。
水素は燃焼しやすいですから、怖い感じがしますよね。
実際は拡散スピードも速いので、そんなことないと言いますけど、やっぱり不安です。
液体水素を搭載する技術の研究は始まったばかりですから、今後に期待です。
また、水素が液化する温度は、マイナス267度とほぼ絶対零度。
魔法瓶の技術で対応済と言っていますが、温度を維持するにもエネルギーは必要ですよね。

その一方でメリットは、

 車両の生産段階で大きなバッテリーを必要としないので、バッテリーの生産と廃棄にかかるエネルギーが不要。
大きなバッテリーが要らないので車重が軽くなり、燃費が良くなる。
エンジンの生産技術は現在のガソリンエンジンの技術を流用できる部分が多い。
燃料の補充が短時間で済むと期待できる。

 と、LCAの観点からも普段の使い勝手もEVよりも改善される部分がありそうです。



 水素を使うというのは、目新しい事ではなく産業界では以前から利用されています。

製鉄所では所内で水素を生産して、製鉄に利用していると聞きます。



 そんな水素ですが、色があるんですよ、知っていましたか?


 水素自体に色はついていないのですが、その生産方法(環境負荷)によって水素を色分けして呼んでいるのです。



①グレー水素

 従来から使われている生産方法で作られた水素。
石炭や天然ガスなどの化石燃料を使って生産され、CO2を大量に大気中に放出します。


②ブルー水素
 グレー水素同様の生産方法ですが、発生したCO2を回収して貯留したり、他で利用する事で環境負荷を減らした水素。


③グリーン水素
 中学生の頃に実験でもやりました、電気分解で製造された水素。
とても大量の電力を使いますが、その電力は再生可能エネルギーを利用する事でCO2を発生しない、再エネ由来のクリーンな水素。


 この次に来るのが、現在研究中の『ターコイズ水素』です。

ターコイズ色って、緑がかった青ですね。

生産方法が、グリーンの様にクリーンではないけども、ブルーよりもクリーンという事なのでしょうか。


④ターコイズ水素
 天然ガスやバイオガスに多く含まれるメタンガスを加熱し、固体炭素と共に取り出した水素。
グリーン水素よりも少ないエネルギーで水素を製造でき、固体炭素も別の用途に利用できる方法で、世界各国で実用化に向けて競争が激化しているみたいです。

 この方法、「反応場分離水素製造システム」と言って、温室効果ガスであるメタンガスとCO2を、水素と一酸化炭素(CO)に分解させるという、なんか、地球にとっても優しそうな雰囲気のある方法です。
 固体の炭素を取り出すのですから、更にCOを、炭素(C)と酸素(O2)に分けることが出来るのでしょう。


 温室効果ガスを使用して作られるターコイズ水素をいっぱい使えば、それだけ地球の温暖化の進行を遅くすることが出来そうです、というのは安易すぎるのでしょうか。


 違いますね。
エネルギーは大切にですね。
必要最低限であることが前提という事は、忘れないようにしないと。



 ターコイズ水素の製造に必要なCO2は・・。
あ、ブルー水素ではCO2が発生してしまうのだから、このC02を使ってターコイズ水素を製造すれば、化石燃料を使用してもCO2の発生をかなり減らせますね、たぶん。

 また、メタンガスを天然ガスでなくて違うものから調達できれば、より環境にやさしくなりますよね。
牛のゲップとか、ふん尿とかから出来るバイオガスを利用するとか。


 なんとなくつながっていくような雰囲気はありますが、実用的かどうかは私には分かりません。
小規模であればうまく回るかもしれませんが、設備の小型化が可能かどうか。
小規模で安価に対応できる部分までは小規模で行い、回収して大きな設備で一括処理というのもあるのかもしれません。

 調べていくとわくわくしますよね。
環境の為にいろいろな方法が開発されて、試されていて。
将来が楽しみです。
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プロフィール

埼玉県鴻巣市で創業40年。 地域に根差し、お客様にとって最適な工事を提供出来るよう心掛けています。

HN:
加藤茂貴
性別:
男性
趣味:
コンガ、ジャンベ等パーカッション演奏
自己紹介:
会社名称:
 有限会社 カトウ工務店
 (1級建築士事務所併設)
所在:
 埼玉県鴻巣市松原1-20-10
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