お請けするリフォーム工事で、外装リフォームも多くあります。
外壁の塗替えで、良く効かれる塗料の種類です。
まずは、配合されている樹脂の種類で、耐久性の低い物から、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂となります(現在、アクリル樹脂とウレタン樹脂は余り使われない)。
以前はウレタン樹脂が、コストパフォーマンスが良かった為多く採用しましたが、現在ではその座はシリコン樹脂になっています。
フッ素樹脂は、価格が高くなりますが、シリコン樹脂より長い期間、塗膜を維持してくれます。
次に、塗料を何で薄めるかという事で、水か、シンナーかで変わります。
水で薄めるものは、水性と言われて匂いが無い塗料ですが、水の蒸発によって塗膜が出来上がるため、耐久性がやや劣ります。
シンナーで薄めるものは、弱溶剤型が多く、多少の匂いがありますが、水性に比べ乾燥が早く、固い塗膜を作るので耐久性があります。
最後に、現場で混ぜ合わせるか、混ぜ合わせないかというのでも変わります。
混ぜ合わせないものは、1液型といって、水かシンナーで少し薄めて塗る事が出来ます。
混ぜ合わせるものは、2液型といって主剤と硬化剤の2つの缶に材料が分かれていて、塗る直前に混ぜ合わせて、その後、水かシンナーで少し薄めて塗る塗料です。
2液型の方が、硬化のスピードが速いので強固な塗膜が出来、1液型よりも耐久性に優れていると言えます。
という訳で、『樹脂』、『溶剤』、『1か2』の3つのキーワードで塗料のグレードを表します。
樹脂の話は、良くされると思うのですが、水性か溶剤か、1液か2液かという所も耐久性に大きくかかわりますし、工事金額にも大きくかかわってきますので、注意してください。
『シリコン樹脂だから、耐久性は15年!』
と、単純には言えないのです。
2液型溶剤形であれば、文句なく言えますが、それ以外では12年位になるかもしれません。
メーカーのカタログから、分かり易い例を。
促進対抗性試験(キセノンランプ法)という塗膜のツヤの引け具合をみる試験があります。
まずは、弊社で使用している2液型弱溶剤形 エスケー化研 クリーンマイルドシリーズのグラフです。
耐候性1種(2500時間で80%以上のツヤ)を、楽々クリアしているのが分かります。
5000時間でシリコン樹脂が80%です。
次に同じエスケー化研 溶剤形1液マイルドのグラフを見てみます。
パッと見、クリーンマイルドと変わらないグラフに見えますが、照射時間に注目してください。
こちらは、2500時間で80%のツヤをぎりぎりクリアしているのです。
分かり易いように二つのグラフを重ねてみます。
1液マイルドシリコンが、クリーンマイルドウレタンと同じ位です。
耐候性1種はクリアしていますが、耐久性に劣るという事は一目瞭然です。
同じ、シリコン樹脂でも塗料によってこれだけ耐久性が異なりますので、価格を比較する際には樹脂以外の部分にも注目してください。
見積項目に『シリコン』としかない場合は、具体的な塗料の製品名を聞くようにしましょう。