家の断熱性能を上げて『快適』に住めるのかというと、そうではないのです。
また、際限なく断熱材を厚く施工出来れば、省エネになるかというと、これもまたそうではないのです。
高い断熱性能は、快適に住まう為のとても重要な性能ですが、あくまでも快適に住まう為の土台となる性能であって、これが全てではないのです。
断熱性能をしっかりした上で、他の事が考えらる様になります。
例えば、換気の事。
気密がしっかりと取れている住宅は、計画した入口から新鮮な空気が入って来て、出口から汚れた空気が出ていくので、効率的に空気を入れ替える事が出来ます。
気密が低い住宅の場合は、様々なところにある隙間から勝手に空気が入ってきたり、出ていったりしてしまい、計画通りには換気が出来す、特に(あとに出てきますが)第1種換気は十分な換気が出来ない場合もあります。
換気の方法は住宅の場合2つあります。
一つが、外の空気を取り入れるのも、中の空気を外に出すのも換気扇を使う方法で、第一種換気と呼ばれるます。
もう一つが、外の空気を取り入れるのは、単なる穴(給気口)で、中の空気を外に出す方に換気扇を使う方法で、第3種換気と呼ばれます。
高断熱住宅でも従来通りどちらの換気方法も使われますが、省エネ性能や快適性を考えると第1種換気にして、熱交換という、汚れた家の中の暖かい空気の熱を、綺麗な冷たい外の空気に受け渡して暖めて取り込む方法にすると、換気で捨ててしまう熱を少なくする事が出来ます。
また、全熱交換という水蒸気もやり取りするタイプになると、より一層の熱の交換と室内の過乾燥を抑制する効果もあります。
その一方で、熱交換素子というフィルターを定期的に交換する必要があり、一般的に天井に点検口があるので、脚立にのって交換する場合には転倒など、安全に気をつけてください。
第3種換気の場合、熱交換は行わないので室内の暖かい空気をそのまま外に捨てて、外の冷たい空気をそのまま室内に取り込みます。
メンテナンスは給気口にあるフィルターの清掃で、給気口の数だけ行い、フィルターは必要に応じて交換します。
第1種換気の場合にもフィルターの清掃は必要ですが、換気扇の台数分(大凡1棟に1台、又は各階に1台)の清掃が必要です。
より省エネ性能を、乾燥対策を求めるのであれば、第1種換気。
定期的なメンテナンスを楽にしたいというのであれば、第3種換気。
そういうイメージで良いと思います。