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Q-1住宅 / 有限会社 カトウ工務店

地元に根差して40年。高断熱住宅Q-1.0住宅(キューワン住宅)の設計、施工。 翌朝も暖かな家づくりをしています。

指標の湿度。

湿度は、空気が含むことが出来る水蒸気の量と、実際に含んでいる水蒸気の量の比(%)で表され、正式には相対湿度と言われます。

 1㎥の空気が含むことが出来る水蒸気が10gであれば、湿度50%の時に実際に含んでいる水蒸気の量は5gとなります。

 この実際に含んでいる水蒸気の量5gの事を、(容積)絶対湿度と言い、5g/㎥と表記します。

 空気が含むことが出来る水蒸気の量は、気温によって大きく変化しますので、『相対湿度60%を超えるとカビの発生が危惧される』というのは、気温が抜け落ちているので、気温が何度でも60%以下なら安全だと思ってしまったりして、結構危険なんです。

気温10℃の時に絶対湿度は、5.6g/㎥ですが、気温が25℃の時には絶対湿度は、13.8g/㎥と、2.5倍の水蒸気を含むことが出来るのです。
相対湿度60%ではそれぞれ、2.8g/㎥と8.28g/㎥。
同じ60%でも、気温が低い方が水蒸気の量は少ない。
すなわち、空気は乾いているということが分かるはずです。
また、気温が上がり相対湿度が変わらない場合は、絶対湿度は増えて、空気はより湿っていくのです。


 北海道とか雪国では、一面雪ですから相対湿度は関東地方よりも高い60~70%超えだったりします。
『やっぱり雪があるから、湿度は高くて、空気も湿っているんだな。東京は50%位でカラカラだよ。』
と、思いがちですが、1月の札幌の平均気温は-3.2℃で、相対湿度は69%、絶対湿度は2.7g/㎥。
一方東京の同じく1月の平均気温は5.4℃で、相対湿度は51%、絶対湿度は3.6g/㎥。
相対湿度が70%近い札幌の方が、実は乾燥しているということになるのです。
絶対湿度が同じ場合、気温が高くなると相対湿度は低くなり、気温が低くなると相対湿度は高くなるのです。
 温度変化の幅が広い(1年を通してとか)のに、温度が欠けていて相対湿度だけを指標としている場合は、危険なのでご注意を。


 そんなこともあってか、医療関係ではきちんと、〇〇℃の時、湿度〇〇%と表記するようになっていますし、場合によっては絶対湿度〇〇g/㎥と表記するところもあるようです。
例えば、宮城県医師会では、インフルエンザと湿度の関係を絶対湿度で表していて、7g/㎥以下で流行しやすいとしています。


 絶対湿度で表した方が、すっきりしていてなんとなく水に換算した量がイメージできるので、分かりやすい感じはします。
しかし、絶対湿度は、直接計測することはできません。
一方で、相対湿度は乾湿球で測定することが出来ます。
当然、温度も測定することが出来ます。
このデータ(温度と湿度)の入手のしやすさが関係して、相対湿度の指標がこれまで多く採用されてきたのだと思います。


 さて、いろいろな指標の湿度があると思いますが、それを使うのは、現在の気温と相対湿度の場合に、危険かどうか知りたいという事になるのだと思います。
その時に、『気温〇〇℃の時、湿度〇〇%』という指標では、現在の気温と違う事も多く、危険なのかどうか分かりません。
その点、絶対湿度を指標とすれば、現在の気温と相対湿度からスマホを使って簡単に調べられますから、実用的と言えるかと思います。
今後の指標は、絶対湿度で表されることも多くなっていくと思います。

因みに、絶対湿度には今回説明した1㎥の空気に含んでいる水蒸気の量を表す、容積絶対湿度(g/㎥)ともう一つ、乾燥空気1kgに対する水蒸気の量を表す、重量絶対湿度(g/kg)があります。
基準が体積と重量なので、当然数値が異なりますので、指標を使う場合はどちらなのか、気にかけてみてください。
ま、大抵の場合は、容積絶対湿度です。


以下、余計な事。

 各温度での飽和水蒸気量(相対湿度100%の時の水蒸気の量)を調べて、相対湿度を掛ければ絶対湿度(の近似値)が出ますが、そもそも飽和水蒸気量ってどうやって調べたんですかね。
実務では空気線図(ネット上では計算サイトがあるので、計算式があるのでしょう)があってそこから導き出すのですど、計算式を作るにも実際を知らないと作れません。

 とある容器の内容量を調べる場合、容器を空にして秤に乗せて、水をいっぱいまで入れた時の増えた重量を調べれば容量は分かります。
それと同じようなことを空気でしようとした場合、水蒸気を取り除いた相対湿度0%の空気はどうやって作るんでしょうかね。
冷やして冷やして結露させて水蒸気を絞り出すのですかね。
温めたところで、相対湿度は0%に近づいていきますが、絶対湿度は変わりませんものね。


以下、なんとなく。

 除湿器を使って除湿を行う事もあると思います。
梅雨の時期等、洗濯物を外に干せないので室内に干すけども、乾かないので除湿機を使う。

 除湿器には2種類の方式がありまして、コンプレッサー式とデシカント方式。

 除湿機の仕組みは、室内の湿った空気を冷やして結露させて水分を絞り出します。
コンプレッサー方式は、室内の空気をそのまま冷やして除湿するため、気温が低くそもそも乾燥している冬には性能がガタ落ちになります。
一方デシカント方式は、除湿する際に空気をヒーターで温める為、除湿性能は季節で変化しづらいですが、温風が出てくるため夏には使いづらく、ヒーターの分消費電力も大きくなります。

 その両方の方式を1台の除湿器に内包したハイブリット式もあります。
気温に応じてハイブリット式とデシカント式の比率を変えつつ効率よく除湿します。
消費電力は両方の中間位でしょうか。
通年除湿能力は一番ですが、2台分の機能を内包していますから筐体が大きくなることが欠点です。
機能も2台分なのでコストもかかります。
 
 全館冷房では、除湿がポイントになってきます。
除湿できれば、冷房の設定温度が高く出来るのです。
そんなことを考えていたら、洗濯物の事を考えました。
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プロフィール

埼玉県鴻巣市で創業40年。 地域に根差し、お客様にとって最適な工事を提供出来るよう心掛けています。

HN:
加藤茂貴
性別:
男性
趣味:
コンガ、ジャンベ等パーカッション演奏
自己紹介:
会社名称:
 有限会社 カトウ工務店
 (1級建築士事務所併設)
所在:
 埼玉県鴻巣市松原1-20-10
tel/fax:
 048-541-1014 / 541-1017

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