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Q-1住宅 / 有限会社 カトウ工務店

地元に根差して40年。高断熱住宅Q-1.0住宅(キューワン住宅)の設計、施工。 翌朝も暖かな家づくりをしています。

S造の断熱化工事の事。

2月の週末は、工場の断熱化工事を行っていました。
建物はS造ラーメン構造で、外壁面の胴縁は100x50のチャンネル。
外壁はALC37mmでした。

 断熱化工事で考えるのは、熱橋【ねっきょう】(ヒートブリッジ)を減らす事が重要だったりします。
特に、鉄骨は木材に比べて熱伝導率は非常に優れていますから、本当は、胴縁の内側にボード系の断熱材を張り付けたかったのですが、部屋が狭くなるのはNGという事で胴縁内に充填工法で行う事にしました。

 基礎の部分にはフェノールフォーム保温版30mmを貼り付けて、塗装型枠を保護層にしてさらに張り付けました。
また、何度か現場調査させていただいて気付いたのですが、乾燥を緩和させるためにコンクリート土間に水を撒くこともあるそうなので、塗装型枠の下端を土間床から25m離してそこへアルミ形材を入り巾木の様に取り付けました。

使用した断熱材は、高性能グラスウール16k相当の105mmのロールのもの。
現場で切断して、チャンネルの内部にも入るように加工して充填していきます。
そのあと、防湿フィルムを張り付けて石膏ボードで抑えるという内容で行いました。
 その他に窓に内窓を、Low-Eのペアガラスと合わせて設置し、ロンカラードア(ハニカム心材)レベルの出入口の1か所もK4相当のドアにカバー工法で交換しました。

 施工後にサーモグラフィーで見てみますが、やっぱり鉄骨の熱伝導率の高さを実感します。
日が当たっている南面の胴縁は赤く見え、その他の方角の面では青く見えます。
その他の壁の部分は基礎部分も含めてどこも大きくは変化がありませんから、南面では胴縁の方が温かく、その他の面では胴縁の方が冷えている事が分かります。

 冬場に結露しなければ良いな。

 そんなことを考えましたが、工場のような建物なので道路側にはシャッターがありますし、気密性能は今回施工した壁と開口部を除くと期待できませんし、壁際に置かれる棚もオープンなものばかりなので心配はないのかもしれません。

 夏はオーバーヒートが懸念されます。

 気密性の期待できない(外気の流入が多い)建物なので、外部の熱気は侵入してくるでしょうし、湿気も然り。
除湿できれば良いのですが、こういった建物ではどうしてもシャッターを開放する機会も多いので難しいですね。


 4週に渡って断熱化工事を行いましたが、2週目を終わったころから、『前日の熱気が残っている感じがする』(社員談)という感想をいただきました。
4週目は内窓工事がありましたから、翌日からは窓廻りで発生するコールドドラフトが改善して、存分に温かさを感じられるように…なったはずです。


 S造の断熱化工事は充填断熱を施した上に、胴縁の内側に薄くてもボード系の断熱材を張り付ける形で行いたいものです。
ALCの外壁材は、多少の断熱性はありますが胴縁の熱伝導率の高さから、熱橋になることは防ぎづらいので、高性能なボード材で覆ってしまいたいのです。

柱に関しては胴縁が外側を回っているので、室内に露出しても、胴縁との接点だけですし、断熱層の内側に位置するので、それほど熱損失の心配はしなくてもよさそうでした。


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プロフィール

埼玉県鴻巣市で創業40年。 地域に根差し、お客様にとって最適な工事を提供出来るよう心掛けています。

HN:
加藤茂貴
性別:
男性
趣味:
コンガ、ジャンベ等パーカッション演奏
自己紹介:
会社名称:
 有限会社 カトウ工務店
 (1級建築士事務所併設)
所在:
 埼玉県鴻巣市松原1-20-10
tel/fax:
 048-541-1014 / 541-1017

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