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Q-1住宅 / 有限会社 カトウ工務店

地元に根差して40年。高断熱住宅Q-1.0住宅(キューワン住宅)の設計、施工。 翌朝も暖かな家づくりをしています。

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袋入りGWの施工。

再びプレハブ建物の内装を施工中。

 前回は、40mm厚のパネルの骨組みに50mmのHGW16kを充填し、付加した65mmの間柱にも50mmのHGW16kを充填して、0.2mmの防湿シートを施工しましたが、今回は予算の都合により袋入りGW90mmを、前回と同じ軸組構成に充填していきます。

 パネルの骨組みは、縦の桟が大凡600mmピッチで入っています。
そこへ、455mmピッチで間柱を付加して袋入りGWを充填しますから、いろいろな事を諦めなけらばなりません。
壁の中の空気を移動させない事が高断熱の大前提ですが、それを実現するには、このプレハブ建物は難しすぎます。
そもそも、気密も断熱性能も考慮されていない、ローコスト重視の外側だけの建物をどうこうする事は無理なのです。

が、そんな事よりも今回は、久しぶりの袋入りGWの施工しづらさを実感しました。

 在来軸組工法で、設備関連の配線、配管が無い間柱+間柱の間に充填するのは、とても楽ちんな(断熱性能や気密性能は考慮せず)袋入りGWですが、設備関連の配線、配管があったり、筋かいがあると途端に面倒になります。
本音で言うと、不良品じゃないのかってくらいイライラするのです。

 何がイライラさせるかと言うと、表面の防湿層のペラペラでタッカーで留め付けてもすぐに破けるフィルムと、裏側の更にペラペラのフィルムの存在。
カッターナイフで切断すると、GW本体は割ときれいに切れますが、2枚のフィルムがとても邪魔をしてくれます。
GWを切断しているとカッターナイフの刃は、すぐに切れ味が悪くなるのですが、そうするとフィルムの切れづらさが更にひどくなる事です。
しかも切断したこのフィルムがとても邪魔で邪魔で。

防湿フィルムの方は、まだましです。
弱すぎるところが難点で、GW本体と接着されている部分を剥がすと、本体の表面が荒れてしまう事、GWが張り付いて残ってしまったものをこすって取らなければならないのが面倒ですが。
裏のフィルムは、本体の保護を通り抜ける風邪から保護する為にあるのでしょうが、高気密高断熱を目指すのなら、無用の長物です。

 結果、施工し易さを考えると一番いいのは、フィルムを分離して本体を充填して、裏のフィルムは捨てて、表面の防湿フィルムを張り付けるという事に行き着きます。
しかし、それならば袋無しのGWと後張りの防湿フィルムにする方が、格段に断熱性能は向上するし、気密性能も段違いとなります。
防風の事はあれですが。

 久しぶりに施工して、以前は当たり前だった袋入りGWを壁に施工する理由が今はすっかり分からなくなっていました。
こんなものは、メーカーは販売する事を止めてしまえば良いのにと、本気で思うのです。
これを完璧に施工して高気密高断熱住宅を作る事が出来る人がいたら、本当に尊敬します。
これを使っている場合、高気密高断熱住宅を作る事は出来ないでしょう。
特に気密は難しすぎます。

 また、今回間仕切壁にも事情で施工しました。
こちらは構造的には関係のない壁の為、筋かいは無く、電気配線位があるだけですので、施工は比較的楽できれいに納まったと思います。
しかし、裏側から見るとGW本体が裏のフィルムに引っ張られて厚みが不均一であり、間柱側は丸くなってしまっていたり、長さが1350mmなので継ぎ目の部分もあれです。
裏から見るという機会はなかなかありませんが、見てみると問題点がはっきりとします。

■間仕切壁防湿フィルム側


■間仕切壁裏側


■間柱際はフィルムがある為に丸くなる
■継ぎ目部分は、防湿フィルムと裏のフィルムを剥がして突きつけているので割きっちりとくっついているが、剥がさないとここも丸くなって厚みが変わる。


■柱-間柱間で巾を詰めた部分は、割ときっちり納める事が出来る。


袋入りのGWでも、気密性能を重視した気密フィルムが厚いものも用意されています。
こちらは高性能GWになるのですが、こちらも基本的に施工しづらいのですが、フィルムが厚いので剥がす時に破ける心配は少なくて済みます。
しかし、間柱-間柱の製品と、間柱-柱の製品で印刷内容は違いますが、フィルムの巾は一緒の為、間柱-柱に施工するとフィルムの弛みが酷く、入隅に施工する際は受け木を入隅柱に取り付ける関係で柱側のみフィルムを剥がしますが、フィルムが異常に残るので嫌になります。
また、フィルムが厚く、455mmピッチで重ねていくのでとても嫌になります。
これを施工後に天井の下地を組みますが、野縁の墨を打つのが難しい。

 別張りの防湿シートを採用すると、シート自体が透明なので先に野縁の墨を木下地に打って置けるのです。
留め付けるのも下地が良く見えるので外す事もありませんし、外れてもすぐに確認出来ます。
袋色の防湿フィルムは大抵白色で下地の状況は手探りで探るしかありません。
色々と不満が募る製品です。


 袋入りGWを、窓下など長さが短い場所へ施工する場合に、国が行っている断熱講習会では、施工する部分の長さよりも留め付ける耳を作る為に、長く切断して、GWのみを切り取って耳を作るという事を言っていますが、これをやるとGWのごみが沢山出てしまいます。
それならば、フィルムをはぎ取って中身を寸法通りに切断してフィルムを少し長めにして別に施工する方が、ごみが少なくなります。
留め付ける為の耳を作る為にゴミをたくさん出すのはいただけません。
裏側のフィルムをどうするかが課題ですが、気流止めがされている壁の中に施工するのであれば、別に裏のフィルムは必要ないので捨ててしまって良いでしょう。
 従来の壁の中を風が吹く建物の場合は、裏のフィルムを余裕を持たせて先に取り付けて、GWを充填し、最後に防湿フィルムを施工する事で対応できると思います。

 因みに、新住協では防湿フィルムは乾燥木材で30mm以上抑える事となっています。
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プロフィール

埼玉県鴻巣市で創業40年。 地域に根差し、お客様にとって最適な工事を提供出来るよう心掛けています。

HN:
加藤茂貴
性別:
男性
趣味:
コンガ、ジャンベ等パーカッション演奏
自己紹介:
会社名称:
 有限会社 カトウ工務店
 (1級建築士事務所併設)
所在:
 埼玉県鴻巣市松原1-20-10
tel/fax:
 048-541-1014 / 541-1017

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