現在、増築工事を行っています。
5畳の増築なので、建築確認は必要のない工事です。
築20年位。
壁を剥がし、天井を剥がし、床を剥がしていくと色々と当時の事や、施工した職人の意識もうかがえしれます。
当時の壁の断熱材は、袋入りのGW10K相当、厚さ50mmが標準。
防湿層はフィルムです(以前はアスファルトを含ませた紙)。
天井の断熱材も同じものが1枚載せてありました。
壁の断熱材はやはり、天井までの所が多く、天井から梁・桁下までの間は無断熱になっています。
和室の雨戸付掃き出しサッシの戸袋の上には断熱材があるものの、戸袋の裏には断熱材が無かったり、玄関に縦長のFIX窓が2つあったのですが、このサッシは後から急きょ付ける事になったのか、窓下に断熱材が折りたたんで・・詰め込んでありました。
恐らく窓がつく前に入れたあった断熱材を詰め込んだのでしょう。
ベランダの出入、跨ぎの壁には当然の様に断熱材は無く。
ビルトインガレージですが、ガレージ側に防湿フィルムが向いていました。
筋交は45x90の米栂で、端部はZ金物が使われていました。
釘とボルトを併用しているやつですね。
張り出しの造作ベランダは芯々で910mm跳ねだしていますが、105角が910mm~1820mmピッチ。
105角。
プレカットで刻まれています。
出隅に通し柱(120mm角)が、外面平らで納められています。
レーザーで2方向確認してもほぼ鉛直に建っています。
ここから2間(3,640mm)、桁行方向にある管柱を見てみると通し柱とは反対方向に15mm程倒れています。
土台の芯々間隔は3,640mmであっているのですが、上が寝ています。
105mmの通し柱でデータ入力して、後から120mmの通し柱に変更した際に梁の長さの変更をしなかったのでしょうか。
そうなると、もう一方も同じでしょうか。
もっというと、反対にある通し柱でも同じことが起こっていると、そちらでは都合30mm寝ている事になります。
そちらの方は手を付けないので確認はしていませんが。
床材は12mm厚の複合フロアが採用されていて、捨て張りもしてあります。
床材の留め付けは、接着剤にフィニッシュネイルで行われています。
床材の施工説明書に『フィニッシュネイルは使わないでください』という文句を見かけます。
そんなもので固定が出来る訳ないと思っていて、そんな事をやる人がいるのかとずっと思っていましたが、実際にいました。
そのせいでしょうか、全体的に床鳴りが気になります。
また、解体していくと分かりますが、捨て張り合板との間に隙間が見られます。
部屋の周辺、壁際では顕著になっていました。
和室(真壁)の化粧柱は貼物の集成柱で、貫穴を掘らなかった(掘れなかった?)為に、胴縁材が大壁側に取付けてありそれをガイドに貫が留めてあります。
様々なところに下地材の受材として30x40断面の木材が留めてありますが、50mm程度のくぎ打ち機のワイヤー連結釘でトトトトト留め付けた感じ。
ビルトインガレージの壁、天井と軒天はフレキ板で、10mmのステープルで留めてありました。
剥がれてはいなかったですが、フレキ板は硬いので、ステープルは表面で座屈しているものが多く見られます。
このステープルは、室内の天井の石膏ボードにも使われていました。
間仕切壁の受けを取り付ける為に天井裏に潜ると、野縁を外したステープルが散見し、留めたかった野縁付近をおすと留め付けられていない事が分かります。
同じエアツールでも釘やビスなら、野縁から外れると頭が潜らないので気づくのですが、ステープルでは気づかないのでしょう。
野縁は梯子に組んだものを並べていく方法でしたが、その梯子通しの接続は釘打ち機の50mm程度の釘。
30mmの材を止めるには少し短いですね。
弊社の当時のやり方と比べてもずいぶん違うものだなと、ある意味勉強になる現場です。