システムキッチンのレンジフード。
すっかりシロッコファンタイプが主流になりました。
お手入れが楽なものが選ばれ続けている結果です。
台所の換気扇の主流派というと、かつてはプロペラファンでした。
換気風量は圧倒的に大きいですが、排気圧力が小さいので強い風が換気扇が取り付いている外壁に吹きつけると、上手く排気できなかったりします。
そもそも、お手入れが大変です。
プロペラファンはフードの中についていて、お掃除するには椅子に乗ったりしてプロペラを外します。
フードの中も油だらけなのでそちらも掃除・・多分していたのでしょう。
シロッコファンは換気量はプロペラファンに劣るものの排気圧が高いので、必ずしも外壁面に取付けなくても排気が出来ます。
マンションなどは外壁面が少ないので、殆んどがこれになります。
かつては、そのファンのお手入れが大変だという事が問題でした。
円筒状のファンは、無数にある羽を掃除するのに手を切ったりする事もあったと思います。
そういったお手入れのし難さが戸建て住宅で普及する為の懸念の一つでしたが、排気圧が高く設置場所がある程度自由になるという事から、ファン自体の設置場所を高いところから目の高さに下してきたのが、恐らく現在シロッコファンが主流になるきっかけになったのでしょう。
椅子に乗らずにファンを取り外せるというタイプです。
また、同時にファンが直接見えない整流版を採用したのもこの事からです。
整流版を採用する事でフード内部の汚れを減らす事が出来ましたし、換気量が少ないシロッコファンでも効果的に排気が出来るようになりました。
しかし、ファンが低い位置にあると見た目的にイマイチと思われたのかもしれません。
再びファンの設置高さは、上昇しましたが、横を向いていたファンを今度は下を向きました。
これによってフード内部の掃除をする部分が劇的に減ったと言えます。
整流版を外して、小さなフィルターを外すとそこにファンがあり、下方向に外す事が出来ました。
現在のレンジフードはほぼこの形でしょう。
その後、フィルターは網状からリーフ状や、板状になっていきました。
更にフィルターやファンを、温水をセットする手間はありますが自動で洗ってくれるモデルが出てきました。
整流版のお手入れはその都度必要ですが、フィルターとファンのお掃除は2カ月おきに、お湯をセットする手間だけで10年いけます。
クリナップの売りの一つである『洗エール』というレンジフードです。
そして現在は、ファンの掃除すら必要のないモデルが販売されています。
ファンの手前に回転する網目状のディスクを置き、ここで油の90%を取り除く仕組みです。
ファン自体は汚れない訳ではないのですが、10年間のお手入れは整流版をその都度、ディスクと、ディスクによって取り除かれた油を受けるオイルトガードを3カ月毎で3点。
リンナイが販売している『OGR』というレンジフードです。
システムキッチンを販売する多くのメーカーが取り扱うレンジフードの多くは、富士工業という会社が製作しています。
少し前までは富士工業製の製品も手に入れられましたが、現在はクリナップとかリンナイとかのブランドにOEMでの供給しかしていないようです。
さて、洗エールやOGRの様に、お掃除の手間を減らしてくれるレンジフードは共通して『10年』という期限が設定されています。
これは、レンジフードの設計耐久年数が10年だからなんですね。
設計上は10年間が寿命なのだから、注釈は必要だけども言い切って良いだろうってことです。
しかし、洗エールとOGR、カタログから読み取れる10年と言う期限は差があります。
洗エールはその洗浄機能で、フード内部の汚れを80%を洗浄する事が出来るようです。
残りの20%はファンフィルターやその周辺に残るという事になります。
月2回の洗浄という条件も中運転で1日5時間と言うもので、少なすぎる訳でもなく、むしろ多すぎるんじゃないかなって個人的には感じます。
しかし、常時換気モードで24時間365日稼働させると洗浄は月2回となり、ファンフィルターは約半分(5年)の寿命となります。
製品寿命は10年ですが、ファンフィルターを交換(メーカー対応で有償)すれば洗浄機能はその後も利用出来ます。
交換したい時に部品が残されていれば良いですが。
一方、OGRは90%の除去率と洗エールよりも高効率です。
こちらの10年は、同社の毎年お掃除をするとした普及製品の1年間の汚れとOGRの10年間の汚れがほぼ同じという理由で10年間ファンのお手入れ不要としています。
普及品でもお掃除しないで5年はつかっているという方は、50年間お手入れ不要と言えない事も無いかもしれませんw(お手入れは必要です。火災の原因になる恐れがあります。)。
いずれにしてもファンやフィルターの汚れを完全に防ぐというのは無理ですが、かつて椅子にのってプロベラファンを外していた頃に比べたら、レンジフードのお掃除は格段にラクチンになっています。
年末の大掃除の時期は過ぎましたが、今年の年末は憂鬱なレンジフードのお掃除から解放されてみませんか?
と、普段ではなかなか言わないセールストークを入れて、今回の記事は終わります。