宇都宮特産の石材に、大谷石【おおやいし】と言うものがあります。
かつては、旧帝国ホテルの内装にかのフランク・ロイド・ライトが惚れこんで採用したことで有名です。
今から50年くらい前でしょうか。
鴻巣市内でその頃造成された分譲地の擁壁に大谷石が多く採用されていたようです。
軽くて加工性が良い⇒大きい材料で省力化と言う事でしょうか。
また、塀や門柱の材料として採用されていたりします。
知人のお宅には大谷石つくりの蔵もあります。
大谷石は、耐火性能が高く、独特の風合いがあって、柔らかく加工性が高い石材ですが、屋外使用では風化が進みやすいようです。
お客様のお宅の門柱と塀が大谷石で作られていますが、その表面は剥がれ落ちてしまっています。
ビシャン仕上げが施してあることも関係しているのかもしれません。
凸凹したハンマーのような道具で表面に細かな凹凸を付けていく方法は、内部の浅い範囲にも当然影響して、ヒビは発生してもろくなっているでしょうから。
このお宅のある分譲地内には、当時の流行なのか同様に大谷石で塀のお宅が多く見られますが、そのどれもが多かれ少なかれ同様の様相を呈しています。
柔らかく加工性がいいという事は、密度が低いという事で、更に耐火性能が高いというのも同様の事が言えると言えます。
風雨に晒されると、深部まで水が浸透して凍結や、何かしらの分解作用が働くのか、酸性雨の影響だったのか、兎に角内部での破壊が進むのだろうと思います。
この剥がれ落ちた表面を直せないかとお問い合わせをいただく事があります。
思い浮かぶのはモルタルを塗り付けるという事ですが、それが正解とも思えないので出来ないという事をお伝えしています。
どこかで薄く挽いた大谷石を貼りつける方法があると聞いたことがありますが、積み替えるという方法もあるでしょう。
ネットで検索をかけると、なんと県内のさいたま市内に大谷石専門の施工会社があるようです。
サイトの更新は2011年で止まっていますが、検索結果に同社の広告が出てくることから営業はしているようです。
うちのサイトも同じようなものですが。
御影石のように固くて磨くとツルツルとなる石材も魅力的ですが、表面が荒い大谷石の柔らかな印象もまた魅力的です。
屋内に採用すると、その存在感から空間的な魅力がUP!ですね。