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Q-1住宅 / 有限会社 カトウ工務店

地元に根差して40年。高断熱住宅Q-1.0住宅(キューワン住宅)の設計、施工。 翌朝も暖かな家づくりをしています。

市街化調整区域内での開発許可申請。

都市計画区域内の市街化調整区域内での建築に関しては、建築許可若しくは開発許可というものを得なければなりません。

 住宅関連の手続きで多いのは、農・林・漁業従事者の自宅の新築若しくは建替え、長期居住の親族関係や、線引き前所有といったところでしょうか。

 農業等従事者の場合は、開発許可申請は不要です。
建築許可は必要です。
・・まぁ、法的な話で、実際の手続きは添付書類を集めて申請するので、あまり違わない感じですが、添付書類は少なくて済みます。
農業の場合は、農家証明があれば問題なく許可は取れます。

 市街化調整区域内の長期居住者(20年)が親族にいる人は、市街化調整区域内の自分か親族が所有する土地において、開発許可を受ける事で住居の建築が可能です。
鴻巣市では長期居住者は、市内の市街化調整区域内に居住していないと認められませんが、北本市では近隣の市町村でも大丈夫だったはずです、確か、以前は。

 線引き前所有というのは、市街化調整区域が決められたそれ以前から住宅の敷地として所有していたという事です。
農地ではだめです。
線引き時点で所有していて、現在も所有している人の親族であれば、開発許可を受ける事で住居の建築が可能です。

この線引き(区域区分日)は、大体市町村単位で異なりますが、合併していたりすると地域で異なります。
以前は、この基準日以前の所有を証明するのに、航空写真を添付したことがありました。
古い建物は登記がされておらず、いつ建築されたのかが特定できない事から、写真で証明だったのだと思います。
土地の地目が農地のままだったかな?
求められるままに奔走して、手に入れた覚えがありますww
現在、添付書類一覧に航空写真はありません。

 開発許可も、以前に比べると各段に取りやすくなっています。
私が始めた頃は、市役所の窓口で『市内で開発許可を取れるのは、○○さん位だろう』と言われた記憶があります。

今の役所の窓口は、親切丁寧、優しく応対してくれますが、当時の窓口は本当に優しくなかった。

 その当時は、難しい手続きなんだろうなって思いましたが、今思えば、窓口では手続きについて詳しく面倒を見る事はしないという意味だったのだろうと思います。
手続したことの無い奴の相手をするのは面倒臭いと、多分、その職員の個人的な思いとして。

 今は建築確認が民間でも行えるようになって久しいことも影響してか、法整備が進んだからか、行政毎に要求される書類や、書式が全然違うという事も無くなりましたし、添付書類一覧も重要な点がかかれているので補正する事も減りましたし。
ん、それは私の経験が豊かになってきたからでしょうかww


 さて、最後に市街化調整区域内に住む事の心構えと言うか、そんな感じの事を。


 市街化調整区域内に家を持つ最大のメリットは、広い土地が安価で手に入れられるという事です。
最低の面積(鴻巣市では、200m2か300m2以上)が決められているので、特例はありますがそもそも狭いはずがないのです。
 それでも、市街化区域内で土地をみつける事を考えると金額に対する広さのお得感が、とても大きいです。
土地を安価に手に入れた分を、建物やガーデニングに!

 その反面、デメリットも当然あります。
まず、購入するにあたってもっとも気を付けないといけないのは、ライフラインの位置です。
市街化区域内は、上下水道は整備されているのですが、市街化調整区域内は人が住むことを前提としないのでそんなものの整備はされていませんから、個人で整備する必要があります。
200m近く上水を引っ張ってきたケースもありますし、排水(浄化槽から出る排水)の放流先も確保しなければなりません。

 上水は道路から取り出しますが、道路と言っても県道や国道を掘って上水を引く事は認められません。

近くの市道に布設されている上水道管から取り出してくるしかありません。
近くに住宅があっても、そのお宅も自費で上水を引っ張ってきていますから、分岐できるほどの太さの管が埋まっているかどうかは調べてみないと分かりません。
排水については、県道であっても側溝に放流する事が許されている区間がありますが、これも調べてみないと分かりません。
側溝が無い道路の場合は、近くのマンホールを探しましょう。

市街化地域と市道を挟んで隣り合った土地は、上水を引くにも放流先を確保するのもすぐそこにありますから、ライフラインの確保については安価で済みます。
土地代金は高くなりますが、ダメもとで探して見るのも良いかもしれません。
その場合でも、本下水は利用できませんが。


 土地が広いと、外構にもお金がかかります。
とりあえず建物を建てて、外構はおいおいと思っていても、周囲を囲う塀位は防犯上、早い段階で整備したいものです。
開発許可を受けた段階で、境界には雨水が隣地(高低差があると絶対)に流れ出さないような配慮を求められるので、土留め等を設置してある筈ですが、高さはありませんから。
土地が広いだけに長さも長くなります。

 土地が広いので、建物もついつい大きくなってしまったり。
大きくなると、メンテナンスや光熱費などのランニングコストが多くなります。


 資金計画の他に、許可を得ているという事と、将来的な事について。


 市街化調整区域内に住むというのは、その前提として市街化区域内では困難(市街化調整区域内にある土地に住むには、市街化調整区域内に住むしかないです)だから、自らが住むことを前提に許可を得て住んでいるのです。
その許可を受けたのは申請者本人ですから、出来上がった建物を転売する事は簡単には出来ませんし、他人に貸す事も出来ません。
もし、その土地に長く住めないかもしれないのであれば、市街化調整区域内で建築をするのは止めた方が良いかもしれません。

 鴻巣市では原則20年が経過しないと手放す事は出来ません。

 ただし、抜き差しならない状況(破産等の経済的な理由、大きな環境の変化)になってしまった場合には、5年経過後であれば手放す事が出来る可能性があります。

 開発許可を得て建築し住み始めてすぐに、仕事の都合で地方へ転勤、そのままその地に居住する事になったとしても、鴻巣市では最低5年間は売る事も貸す事も出来ないですし、5年経過したとしても抜き差しならないと認められなければ、20年が経過するのを待つことになるのです。


 そういう事も念頭において、市街化調整区域内に住むかどうかを決めましょう。
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プロフィール

埼玉県鴻巣市で創業40年。 地域に根差し、お客様にとって最適な工事を提供出来るよう心掛けています。

HN:
加藤茂貴
性別:
男性
趣味:
コンガ、ジャンベ等パーカッション演奏
自己紹介:
会社名称:
 有限会社 カトウ工務店
 (1級建築士事務所併設)
所在:
 埼玉県鴻巣市松原1-20-10
tel/fax:
 048-541-1014 / 541-1017

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