かなり傷んでしまった流し台。
様々な理由はあるのですが、現在のシステムキッチンと比べると、『清掃性』と『収納力』の違いが大きいのだろうなと思います。
『清掃性』で言えば、天板が一枚板というのが大きな違いです。
写真のタイプの流し台は、シンク、ガス台、調理台とそれぞれ、独立しているユニットを並べるだけなので、隙間が出来てしまいます。
この隙間から水やよごれが床に落ちていきますが、掃除をすることは出来ません。
ユニット同士の間やユニットの後ろは空気が通らないので、乾燥がしにくく、長い間じめじめしていて、床や壁、流し台自体も腐らせますし、雑菌の発生や、ネズミやゴキブリを呼び寄せたりします。
ガスコンロの回りも汚れやすく、掃除しづらくなっています。
テーブルコンロというやはり独立したガスコンロをコンロ台の上に置いて使いますから、周囲に空間があり油汚れがコンロ自身も、コンロ台の天板、周辺の壁を汚します。
キレイにするには、コンロをどかして掃除する事になりますが、ホースを外したり繋げたりするのは割と大変です。
一方システムキッチンでは天板が1枚となり、ユニットの間に隙間が出来ません。
ガスコンロ、IHクッキングヒーターも埋込式で、この廻りにも隙間がありませんから、キレイを保つことが出来るのです。
もう一つ汚れが目立つのが、換気扇廻りです。
この写真の流し台もそうですが、
プロペラファンが使われいます。
その上、この流し台では換気扇フードという換気扇を囲うような箱もついていません。
換気フードは、コンロなどの調理器具の上に付けて、コンロなどから出てくる煙や水蒸気を囲い込んで部屋の中に逃げないようにして、換気扇で効率よく外に出す手助けをします。
フードがないと、室内に煙や水蒸気が散ってしまい、部屋中を汚してしまうのです。
プロペラファンという換気扇は、扇風機のような羽根の換気扇で単純な空気の排出量は多いのですが、圧力がかけられない・・・といっても分かりづらいですよね。
掃除用具で言うと『ほうき』みたいなもので、目に見えるごみを集めるのは得意で、大半のごみを短時間で集める事ができますが、とても細かいチリや軽いホコリを集めるのは苦手だったりします。
なんとなくイメージできますか?
これとプロペラファンは同じようで、多くの空気を外へ出すことは出来るのですが、散ってしまった煙や水蒸気を集める事は苦手です。
また、外壁に面していないと使えません。
その為、大きな箱状の換気フードが必要になるのですが、このフードの内側全体が汚れてしまいます。
プロペラファン自体も汚れます。
個の掃除は、コンロ台の上に乗ったり、椅子の上に乗ったりして不安定な姿勢で行うので、とても危ないのです。
では、現在ではどうなのかというと、弊社ではプロペラファンの採用は久しくなくて、代わりに
シロッコファンというタイプを採用します。
シロッコファンは、筒状のファンで単純な空気の排出量は少ないですが、圧力がかけられる・・。
掃除用具で言うと『掃除機』で、広い範囲のごみを一気に集める事は出来ませんが、細かいチリや軽いホコリを集める事が得意です。
これと同じで、大量の空気を一気にすい込む事は出来ませんが、換気扇近くで発生した煙や水蒸気を室内に散らさずに吸い込んで外に出すことが出来ます。
また、ダクトを使いますので、部屋の真ん中に取り付ける事も出来ます。
以前のシロッコファンは、プロペラファンと同じような箱状のフードが付いていましたが、現在は平たいフードで、空気の通り道を細くして空気の流れを速くして・・・。
ええと、掃除機の先を床用の幅広いアタッチメントから、サッシのレールのホコリを吸い取る先の細いアタッチメントに変えると、強く吸い込めるのと同じ原理です。
そうすることで汚れた空気が触れるフードの面積が小さく、掃除をする部分も小さくなっているのです。
また、深さがないので椅子に乗る事もなく掃除が出来るのも魅力的です。
長くなってしまいました。
すみません。
収納性については、
次回に回します。
リフォーム後の写真もそちらで。