みなさんのお宅に『太陽光パネルを無料で載せられます』とか、『屋根の無料点検』や、『畳表の交換』等様々な勧誘がある様に、弊社のような会社にも電話による勧誘というのはあります。
先日かかってきた電話は、いやに『一般社団法人』を強調する『一般社団法人 〇〇協会』という団体でした。
先日NHKでしたか、放送されて注目を浴びた『火災保険を利用』して住宅の屋根の修繕をしたいお客様と業者を繋げる役割をしている団体と同じような仕事をしている団体のようです。
同一の団体ではないようですが、この地域で対応できる業者がいないので無料説明会に参加しませんかという内容でした。
そういえば、一般社団法人というのは一体何なのだろう。
漠然と、非営利で活動する会社なのかなと。
大抵『協会』と名乗っていて、『株式会社』とか『有限会社』なんて物はついていません。
もっとも、その代わりが『一般社団法人』ですからね。
ボランティア的な、何か?
という事で、調べてみる事にしました。
そうすると、全くの勘違いである事に気付かされたのでした。
まず、『一般社団法人』という名称を分解して、その意味を探っていきます。
『社団』とは。
ある目的の為に集まった人の集まりのことです。
『法人』とは。
これはちょっと難しいのですけど、民法上の『人』というのは、生まれながらにして『権利と義務』を負う事が出来るのですね。この『権利と義務』を負う事を認められた団体を、『法人』というそうです。
『人』が付くのは、法律上の『人』として扱うからという事みたいです。『法人格』という言葉もありますが、格付けの格かと思ったら、『人格』でした。
この権利と義務、わかりやすい例で言うと、『契約』を結べるかどうかという事のようです。
どういうことかというと、例えば、子供に『お小遣いをあげるから、お買物をしてきて』と依頼します。
子供が『うん、いいよ』と言えば、契約は成立します。
この時、親には子に対し『お買物をしてきて』もらう権利が生まれ、同時に『お小遣いをあげる』義務を負います。
反対に、子は『お小遣いをもらう』権利が生まれ、同時に『お買物をしてくる』という義務が発生するのです。
『社団法人』とは。
社団 + 法人 なので、契約を結べる人の集まりという事になりますね。
ではこれに普通を意味する『一般』が付くとどうなるかですね。
これは、一般社団・財団法人法という法律に基づく名称です。
『一般社団法人』とは。
営利を目的としない非営利法人です。
会社のように営利を目的とするのは営利法人です。
非営利法人でも、行う仕事は、営利法人同様になんでも自由に出来ますから、表向きは会社と変わりません。
『営利、非営利』とは。
非営利であろうと利益を追求することには問題がなく、発生した利益を、出資者(社団の社員)で分けない事を、非営利というそうです。
営利法人の会社であれば、株主に配当しますがこれをしないのが、非営利法人なのです。
発生した利益は、会社と同じ営業活動の資金になったり、役員の報酬になったりします。
配当はないけども、出資者の社員から選出された理事になれば、役員報酬は受け取れます。
役員の報酬。
日産の元役員のゴーンさんの役員報酬は、破格でしたね。
ちなみに、労働力を提供する社員に賃金は支払われます。
結果、『一般社団法人』を妙に強調するような団体は、信用ならないのかなという印象です。
会社と何ら変わりはないのに、違いがあるかのように振る舞っているのですから。
さて、一般社団法人が、なぜにボランティア的なイメージを持たれるのかというと、『社団法人』という名称は、かつて民法上の『公益法人』で営利を目的としないものだったのです。
この『公益法人』というイメージがずっと、いまも残っているのでしょう。
また、NPO法人(特定非営利活動法人)のイメージも強いものと思います。
こちらは、一般社団法人とは別の法律で定義されており、法律にも『公益』『非営利』と定められていて、活動内容も制限があります。