このご時世ですから、省エネ住宅は当たり前。
どこのメーカーも『エアコン1台で冷暖房可能』とか、『家中どの部屋も室温の差がありません』なんて事を言うかもしれません。
もしかするともう、そんな事も改めて言わない程に省エネ住宅は当たり前なのかもしれません。
住宅展示場で、内部ばかりではなく外部、それも裏の方を見てみるのも面白いものです。
省エネ住宅なのにエアコンの室外機がずらっと並んでいたら、それって省エネ住宅なんでしょうか。
お粗末な断熱性能の住宅で、エアコンをがんがん動かしていれば、家中同じ室温にする事も可能でしょう。
本当に省エネなのは、少ない設備でそれを実現する事です。
エアコン1台でというのも無理ではないでしょうが、エアコン2台がいいですね。
夏用と冬用。
空気は暖かいと上に溜まり、冷たいと下に溜まります。
冬の暖房は低い位置に付けたエアコンで行い、夏の冷房は高い位置につけたエアコンで。
自給自足の家というのも聞こえてきますが、どんな建物でも極端な話をすれば実現できます。
太陽光発電パネルを大量に載せて発電し、大容量の蓄電池を設置すれば可能でしょう。
理想は、小さな設備で自給自足が出来る事です。
それを実現できるようにするには断熱性能の向上が必須です。
もう一つ、隙間相当面積(c値)。
住宅にどれだけの隙間が開いているかという数値です。
最低でも1.0。
出来れば0.5以下。
これも、住宅展示場の担当者に『C値はいくつ位ですか?』と聞いてみてください。
この部分は職人の意識の高さに依存し易い部分です。
適当に造れば、C値は低くはなりません。
その為、多くの職人を使うメーカーでは3年前のデータでは、2.0位と言われていました。
専用部材や施工方法の開発で良くはなっているのかもしれませんが、それでも同じプラン、デザインの住宅を建てても職人によってばらつきが出るでしょう。
メーカーとしては簡単に『1.0以下』と言うのは難しいと思います。
実はこのC値は侮れなくて、例えば0.5を実現する仕様で設計して実測2.0だったりすると、省エネ性能は当然悪くなりますし、空気環境は悪化し易く、結露が発生してしまうなんて事も起こり得るのです。
断熱性能は、将来に渡って低下しないとは言い切れませんが、後から断熱リフォームをするよりも新築の時点で行った方が、安く出来ますし、性能も高いのです。
もちろん、前述のC値も低くなります。
一方で、冷暖房設備、発電蓄電設備というものはいずれ交換しなければなりません。
更新するものは小さく安いもので、更新しなくて良いものは少々高くても性能重視が良いと思うのです。