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Q-1住宅 / 有限会社 カトウ工務店

地元に根差して40年。高断熱住宅Q-1.0住宅(キューワン住宅)の設計、施工。 翌朝も暖かな家づくりをしています。

方位に関して書き散らし。

ようやく長い長い梅雨が明けて、夏がやってきました。

しかし、あっつい。


 昨年、弊社の移動手段として仲間入りした、e-vino(電動原付自転車)で近所のお客様宅をめぐります。
夕方走っていると、大きな窓に西日を受けて暑そうなお宅を散見します。
古い住宅は、方位関係なくそれなりに大きな窓が付いていますが、西向きの家というのは殆んどありません。
 新しい住宅だと、大きな窓が方位に関係なくついているようなものは少なくなってきますが、そういう事ではなく、これどうなの?というものがあります。

 南側に大きな吐き出し窓。
それも、折戸タイプの全開できるタイプを配置するのが、この分譲地の流行なのでしょうか。
シャッターは付けられませんし、雨戸なんて事はありません。
窓の上に霧除けも庇も跳ねだしのベランダもない、でっぱりの無い平面な南面。
夏の日差しも、たくさん入るでしょうし、少しの雨でも閉めるしかなさそうです。
出っ張りがあれば、日射対策も外壁から離れて風が抜けたりしますが、それも出来ません。

 方位を考えずに道路に面して、居間を持って来て大きな窓を付けたりすると東向きだったり、西向きだったり。
北向きのお宅は、殆んど見かけませんね、流石に。

 南北に走る道路に面する分譲地はどうしても、道路面の間口より奥行きが長いことが多いので、隣家も近く、南面の採光を1階で得ようとすると難しくなってしまいます。
その分を、東西で補おうという考え方は当然です。
道路面には2台以上の駐車場が来るでしょうから、道路から少し距離があるのでこの部分で、有効な日射対策を考えられればなと思います。

 冬季の日射は大切で、夏季では厄介者の西日もとても大切なのです。
夕方に室内に熱を貯めこめれば、夜間の暖房費が抑えられることが期待できます。
しかし、夏季の西日は、30cm角位の小さな窓でさえ、かなりの量の熱が入ってきますから、日射を遮る対策が必要になります。
対策は、屋内よりも屋外が良く、窓から離れていると通風も取れるので、なお良しという所です。

 西日は、太陽高度も低く、窓の上に霧除けや庇を付けても効果がありません。
鉛直に遮る物で風も抜ける物が理想です。
風の抜けないもので作るとなると、それ自体が熱くなって、輻射熱を発する様になると室内に容赦なく侵入してきますので、それ自体を冷やす工夫も必要になるのです。
別に人工物でなくてもよくて、落葉樹やグリーンカーテン等、植栽でも良いのです。

 ウッドデッキと、パーゴラ(垂木は高さのあるものを、建物と平行にある程度密にすると日射を防ぐ)を付けて、先にすだれをぶら下げたり、メッシュ状のロールカーテンを付けたりすると良いかもしれません。
視線も遮られますから、ここでゆっくりと過ごす事も出来そうです。


 最近は、工期と品質のバラツキが少なそうなので吹付断熱が増えてきて、断熱性能が上がってきている事を考えると、西側に大きな掃き出しサッシを、2つも3つも並べるのは考えたくないですね。
断熱性能があがり快適な性能を持っている筈が、とてもいられない環境になりかねません。
1階の南面は無理でも、2階から吹抜けを経由して、日射を確保するとかやり方はあるはずです。



 とあるところで見つけた大手メーカーの新築住宅。
敷地は南、西の道路と接する角地で、南北に長い土地です。
駐車場は南側。
大きな掃き出しサッシは・・西側に並んでいます。
南側には、縦長の細い窓が3つ。

 詳しいプランは分かりませんが、東側道路の南向きプランを西向きに90度回したような感じです。
北からキッチン、リビング。
玄関は南側。
駐車場も南側。
注文住宅で、このレイアウトはいかがなものなのか。

 省エネ大賞受賞を謳う、恐らくそれなりの断熱性能を持つこの住宅の夏は、どうなるのでしょうか。
他人事ながら、心配になってしまいます。
そろそろ引き渡しのようです。
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プロフィール

埼玉県鴻巣市で創業40年。 地域に根差し、お客様にとって最適な工事を提供出来るよう心掛けています。

HN:
加藤茂貴
性別:
男性
趣味:
コンガ、ジャンベ等パーカッション演奏
自己紹介:
会社名称:
 有限会社 カトウ工務店
 (1級建築士事務所併設)
所在:
 埼玉県鴻巣市松原1-20-10
tel/fax:
 048-541-1014 / 541-1017

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