長い梅雨が明けたらそこには、酷暑な夏が待っていました。
毎年、高断熱ではない自宅で快適に過ごすために、少しずつ手を加えてきましたが、こうも熱くなってしまっては、思い切った手段を用いないと難しいなと思っています。
そうなのです。
じつは、高断熱のQ-1.0住宅に取り組んでいながら、自宅は旧来の断熱性のは低く、隙間の多い住まいなのです。
Q-1.0住宅に住めるお客様を恨めしく思いながら、早く、Q1.0-住宅に住み替えたいと思っています。
その反面、旧来の住宅に手を加えて環境を改善することもまた、様々な気づきがあり大切だと思っています。
いや、負け惜しみじゃないですよ、本当にw。
思い切って手を加えたいなと思っているのは、天井付近の開口部。
所謂、『欄間【らんま】』です。
昔の日本の家屋には必ずついていました。
透かし彫りの彫刻や、細かな組子細工をはめ込んだ、天井付近の開口部。
広縁の外部のガラス障子の上部にも、開閉可能なガラス障子が嵌っていたりします。
この部分は、室内の熱い空気を屋外に排出する役割を担っていました。
欄間は軒天近くにあり、強い風を伴う雨でなければ吹き込まれることも少なく、開け放して置くことも出来ます。
現在の建物ですと、ランマ付のサッシとすることは殆んどなくなってしまいましたし、部屋の出入口の上に開口部が付く事も少なくなってきました。
無くなってしまったのは、サッシの断熱性の問題で冬に寒いという理由と、プライバシーの確保という理由と、予算が上げられるでしょうか。
冬の事を考えると本来は開閉できるタイプのランマにするべきなのですが、恐らく、部屋同士の間に用いられていた彫刻や緻密な格子が、縁側や廊下側にも採用される事により飾りとして扱われることが多くなり、本来の役割が忘れられてしまった事により、『音は漏れるし、冬は寒い』という記憶だけがランマの印象として残ったのでしょう。
もちろん、和室が減ってしまった為、和室と共に採用されることが無くなってしまったという事も言えます。
さてさて、我が家も欄間がどこにもない住まいです。
かつてはあったのですが、リフォームの際に和室から洋間、それもキッチンに変えたので塞いでしまったという背景があります。
我が家も夏の日差しで熱せられた瓦屋根により、小屋裏は高温になります。
高性能グラスウール16k 200mm厚を敷き詰めた我が家でも、小屋裏換気がうまく機能していないという事もあり、天井からの輻射熱を感じます。
もしも、外壁のサッシに欄間がついて、各部屋の出入口上部にも開口部がついて空気が流れるように換気経路ができていれば、天井付近の熱い空気は外部に効率よく排出されるでしょう。
それに、空気が流れる事で天井面の温度が多少は下がるはず。
換気経路を確保するために、室内の出入り口の上に開口部をつけることは、難しくはないのです。
見た目を気にしなければ単純に穴をあけて、冬季に塞げれば事は済みます。
我が家では、5か所必要になります。
外気との換気は、自然換気であれば、それなりの面積が必要で、サッシを取り付けることになると思いますが、下地を作るためには大きく外壁を開口する必要があります。
設置個所は、各居室と廊下で、我が家では最低4か所。
後付けのサッシは、雨漏りのリスクが大きいので考え物です。
方位によっては余計な日射が増えるという難点もあります。
現在義務付けられている24時間換気を参考に機械換気を導入するならば、換気経路を明確にし、パイプファンを1か所設置する事で十分ですから、それほど難しくありません。
隙間が多いので、計画通りの換気量は期待できませんが。
と、以上のことを踏まえると、外壁はパイプファンを温度センサーを組み込んで取り付けようかと思います。
内部に関しては、機械換気なので100φの塩ビパイプを使用して、コーキングと気密処理用のテープを駆使し固定と壁内の空気を室内に引き込まないように注意しようと思います。
冬季は中に念のためGWを詰めて、塩ビのキャップをつけて密閉すれば済むかなと。
外壁の給気孔も同じような処理をしようかなと。
いつ実現するかは分かりませんが、来年の夏までには頑張ります。