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Q-1住宅 / 有限会社 カトウ工務店

地元に根差して40年。高断熱住宅Q-1.0住宅(キューワン住宅)の設計、施工。 翌朝も暖かな家づくりをしています。

白蟻被害。

 先日は、白蟻の後にクロアリが住み着いたところへ地震が発生。
外壁にひびが発生、大きく浮いてしまったというお客さんの話を書きました。

 今回は、白蟻被害のお宅の話です。
軽量鉄骨系のハウスメーカー製の築30年のお宅です。

 白蟻被害を発見し、駆除業者に消毒はしてもらったのですが、食害にあった枠などの造作材はそのまま。
交換を依頼されました。
現地を調査すると、思ったよりも被害は広範囲に渡っていました。

 物入れの一番下の床も被害を受けており床を押すとかなりたわみます。
間違いなく根太も被害を受けていますから、床に鋸を入れて中を見ると。

 荒床というか、捨て張りが出てきました。
樹種は分かりませんが、ラワンのような、いずれにしても南洋材でしょう。
本実加工がされており、どうやら床下一面に張られているようです。
廊下のカラーフロアもこの捨て張りの上に施工されていました。

 この捨て張り材は、流石に固かったのでしょう。
ほとんど被害は見当たりませんが、実が道の代わりとなって物入れの床下に達したようです。

 軽量鉄骨といえど、白蟻の被害にあうのですね。
そして、被害に合うと構造材である鉄骨部分は流石に被害は受けませんが、その代り造作材に被害が集中し、造作材を伝っていく為その被害は広範囲になり易いようです。
また、今回修理して分かりましたが、なかなか修理しづらい。
被害に合うのが造作材の為、床や壁との取合い部分ばかり。
さらには、壁の下地材は防蟻処理は施されていないようで、間柱の被害も結構あり、壁一面を作り直しとなりました。


 このお宅は、勝手口周辺から侵入されたと思われます。
勝手口の上り框は、外形を何とか維持をしている状態でしたが、これに接してある土台は無傷。
土台、床束、根太等の床組はがっちり防蟻処理が行われていたようで、限られた見える範囲では食害に合っていませんでした(駆除業者も同じ事を言っていたらしいです)。
ちょっと信じられませんね。
一体何が使われていたのでしょう。
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震災の被害。

 3・11の地震発生から、100日が経過しました。
人々の生活からは、その影響が感じられなくなってきましたが、被害の相談は今も舞い込みます。

 先日は、外壁の剥離のご相談をいただきました。
モルタル塗の外壁に大きなヒビが発生し、剥離してします。
モルタル補修と考え壁を落としてみると、クロアリの巣が出来ていてたくさんのアリが右往左往しています。
土台も、筋交いの端部も、ラス下地も蟻の被害にあっています。
しかし、クロアリが木材に被害を与えるという事はあまりありません。
解体を進めながら観察すると、どうやらシロアリが食い散らかした後に、クロアリが巣を作ったもののようでした。

 工事は、被害を受けた土台の交換、柱の補強、筋違の代わりにラスカットを、土台から胴差まで張込、モルタル、吹付けを行いました。


 また、サッシの開閉に難ありというお宅では、不動沈下が発見されました。
こちらは今後の対応を検討中です。

夏場も内窓。

 福島原発の深刻な事態が続く中、これから訪れる夏場の東京電力管内の電力供給量に不安ですね。
政府の浜岡原発の運転停止要請を、中部電力が受け入れ、それに伴い東京電力への供給も取りやめるということで、東京電力管内の電力不足に拍車がかかったことは否めないでしょう。
政府も、全体の3~4割を占める一般家庭での更なる節電を要求してくるでしょうし、計画停電が行われる可能性もあるでしょう。

 どうやって、今年の夏を乗り越えるか?

 もし、昨年のような酷暑になってしまったら、エアコンに頼らざるをえません。
現場で仕事をしていても、1時間続けて作業するのが辛かったですからね。
水分を補給しないと、朦朧として思考がうまく働かなかったものです。
また、屋内にいるから安全かというと、屋内でも熱中症になる方も多くいらっしゃいましたし。

 どうしたらよいのでしょうか。

 室内への日射を防ぐことと、風通しを良くすること。
風を通す窓の前の土間に打ち水をするのも効果がありますね。
これが出来て、これで我慢出来たらよいのですが、間取りや家電の発熱によって快適にならない場合もあるでしょう。

倒れてしまっては元も子もないですから、エアコンを使うとするとしたら、部屋の断熱性能を上げることで使用電力量を抑えることが出来ます。
たとえば、昨年から施行されている住宅エコポイントで注目されている、窓の断熱性と遮音性を上げることが出来る内窓(トステムのインプラス等)の設置。

 窓周辺は、他の部分に比べて熱の出入りの激しいところですから、ここの断熱性を上げることで断熱性はかなりUPします。
 この内窓、冬場の商品と思われがちですが、夏場でも有効なのです。
外からの熱を室内に取り込まないことで、冷房負荷を下げ、使用電力を減らすことが出来るのです。
年数の経過している住宅ですと、壁床天井の断熱材が入っていない場合も多いものです。
断熱材を充填してあげることで、同じように使用電力を減らすことが出来ます。

 暑くなる前の準備をお勧めします。
ぜひともご相談ください。

屋根材の重さと、瓦材の事。

 先日の東北地方太平洋沖地震で、瓦屋根の棟に被害を受けたお宅が多くあります。
棟を直すか、それとも建物自体も古いので屋根を軽くしたいと思い悩むところだと思います。

 地震に対して、屋根材を軽くするのは安全側に作用します。
屋根が軽くなると建物の重心が下がるので、大きく揺れる事を防ぐ事が出来ます。
また、筋交1か所当りの負担も小さくなるのでより大きな地震に抵抗する事が出来る事になります。

 さて、では各屋根材の重さはどのくらいなのでしょう?

粘土瓦            1㎡当り 43.34kg
平板スレート(コロニアル)  1㎡当り 20.60kg
金属系段葺き(しゃねつルーフ)1㎡当り  5.34kg

 3間x5間の15坪のお宅で、屋根面積は、大体21坪くらい。
21坪は、約70㎡ですから

粘土瓦    3,033.8kg
平板スレート 1,442.0kg
金属系段葺き   373.8kg

 粘土瓦では、実に3トンの瓦が載っています。
これを平板スレートにすると半分。
金属系段葺き材にすると1/8。

 重量だけを考えれば、これだけの差があるのです。
軽い屋根材を使う事は、新築の場合は同じ耐震性にするなら少ない筋交で済み、コストが下がりますし、既存の建物なら瓦から変更する事で、筋交(配置のバランスを考えなければ)を増やしたのと同じ効果になります。

 重さではこんな結果です。
では、各屋根材の特徴を。

 瓦のメリットと言うと、色彩等の見た目の美しさと耐久性です。
寿命は大体55~60年と言われ、その間ほぼメンテナンスフリーですので、トータルコストは安くなります。
瓦とその下の野地板との間に空間がある為、断熱性に優れます。
隙間も多いので、下地の換気や湿気の排出等も出来、下地の健全性が保てます。
また、今回被害をうけたのはのし瓦と冠瓦で棟を作る和型の瓦屋根で、洋風デザインにあう平型では
棟を高く積む事がほとんどない為、被害を受けませんでした。
和型の瓦でも平成13年に刊行された『瓦屋根標準設計・施工ガイドライン』による施工(以下ガイドライン工法)で耐震性が飛躍的に高まります。

 平板スレートのメリットは、瓦屋根よりも軽く仕上がる事と、見た目の屋根の厚みを薄くする事ができるのでシャープな印象の建物に仕上がります。
セメント版を高圧養生する事で、高強度が得られるので薄く仕上がります。
施工時のコストが安く上がる事も上げられますが、10前後で表面の塗装面がはげ苔が生える等見た目が悪くなってしまいます。
メーカーは、この状態でも屋根材としての機能は果たすので問題ないといいますが、見た目も性能の内と考えると塗替え等のメンテナンスを行う事になり、その後は5年位での塗替えをお勧めします。
寿命は30年位。

 金属系の屋根材は、葺き方に多くのバリエーションがあり、緩い勾配にも対応出来る為、金属特有の無機質な質感から、モダン建築で採用される事もあります。
現在は、ガルバリウム鋼板とよばれるメッキにアルミニウムを含ませる事で、以前のトタンよりも耐久性が向上しています。
塗装面が劣化する為に、塗替えも必要になります。
雨音は他の屋根材に比べ大きいのは否めませんが、断熱材など他の部分の工夫でかなり抑えられます。
また、完全に錆びない訳ではないので、メンテナンスの頻度によって寿命は大きく変わります。

 地震に対しては、軽い屋根材が有利ですが、台風や竜巻など強い風に対しては被害を受けやすくなります。
軽い屋根材で軒の出を大きくする事は、被害を受けやすくなります。


 既存住宅、それも昭和56年以前に建てられた住宅は、阪神大震災でも多くが倒壊の被害にあいました。
それだけでは不十分な事もありますが屋根材を軽くしてあげる事はかなりの耐震効果が得られます。
それでも瓦が良いと思われる方は、耐震診断を受け、耐震工事を行う事をお勧めします。

 新築の場合は、建物の強度は以前よりはるかに上がっていますので、瓦屋根でも十分な耐震性があります。
和型瓦自体の施工方法を耐震性の高い『ガイドライン工法』を採用する事で、棟を含め桟瓦の落下等も防ぐ事が出来ます。

 今回の地震は確かにショッキングで、多くの瓦屋根に被害をもたらしましたが、日本に古くから受け継がれてきた瓦という屋根材を否定してしまう方向へ進んでしまうかも知れませんが、それはいかがなものでしょうか。
長年受け継がれてきたおかげで、職人たちが自己流で葺いてしまったという事は確かにあり、被害を受けた屋根の養生を行っていると色々な事が分かります。

 (全ての屋根材に言えますが)適正な方法で施工する事で、瓦屋根でも地震被害を抑える事が出来るのです。

 有限会社カトウ工務店は、1級建築士の設計事務所併設の工務店です。
住宅の耐震診断も承りますので、ご興味のある方はご相談ください。

こんな手すりは、いかがでしょう?

ミガキ丸太手すり

 弊社で以前、新築工事をさせていただいたお客様のお宅のリフォームをさせていただきました。
その一部として、玄関のI型手すりの設置を依頼されました。

 室内の雰囲気は、全体的に和のテイストで、家具も無垢のケヤキやクルミの板を使ったものが揃えられています。
建具も組子をふんだんに使った、框戸。

 そんな、雰囲気のお宅に集成材の丸棒手すりでは・・・。
しかも、玄関先でまず目に入る場所です。

 という事で、考えた末に、檜のミガキ丸太を使いました。
金具の受け板は、ケヤキです。

 丸太の凸凹とした表面が、握った時にしっくりとし、やや太めですが丸棒のものよりも握りやすいですね。

 
 そうそう、こういった手すり工事も、エコポイント対象の内窓等の断熱リフォームと一緒に行うと、5,000ポイント貰えるのです。
内窓設置と合わせて、どうぞ。

プロフィール

埼玉県鴻巣市で創業40年。 地域に根差し、お客様にとって最適な工事を提供出来るよう心掛けています。

HN:
加藤茂貴
性別:
男性
趣味:
コンガ、ジャンベ等パーカッション演奏
自己紹介:
会社名称:
 有限会社 カトウ工務店
 (1級建築士事務所併設)
所在:
 埼玉県鴻巣市松原1-20-10
tel/fax:
 048-541-1014 / 541-1017

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