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Q-1住宅 / 有限会社 カトウ工務店

地元に根差して40年。高断熱住宅Q-1.0住宅(キューワン住宅)の設計、施工。 翌朝も暖かな家づくりをしています。

トイレの更新。

このところ、トイレのリフォームを立て続けに行いました。

 一つは、洋式便器の交換です。
現在の便器の排便管は、後ろの壁から200mmで各社統一されていますが、以前の便器はメーカーでも違いますし、製造された時期によってもまちまちです。
その違いを吸収して、排便管の位置を変更しなくても便器の交換が出来るリフォーム用便器がありますが、今回は床材がふかふかしており、貼替を行いますので排便管を移動しました。
最もこの現場は、排便管が壁から遠くリフォーム便器でも現状より5cm程度手前に出てきてしまいます。
トイレ自体の奥行きが芯々1,365mmと少なく使いづらくなってしまうので、排便管はいずれにしても移動しなければならなかったのですが。
工事は他にトイレがないので、一日工事です。

 もう一つは、和式の水洗便器で、タイル貼の床・腰壁、床に段差のある所謂『汽車便』と言われるタイプのトイレ。
床と腰壁を剥がし、床組みをして腰壁を貼って仕上げます。
こちらは二日工事で行いました。

 使用したトイレは、両方共便器とタンクと便座を組み合わせるタイプでした。
トイレのトラブルというと、ゴムパッキンやフロート等のタンク内か、シャワー便座で発生することがほとんどです。
 タンク内のトラブルは水道屋さんの部品交換で対応が出来ますし、器用な方はご自分でも直せるかもしれません。
しかし、機械部分のシャワー便座はメーカーの出張修理に頼るしかありません。
お掃除の楽なシャワー便座がタンクと一体化しているタイプや、タンクレスのタイプはメーカー修理となりますが、例えば使い始めて20年経過した場合、修理対応出来るのか疑問です。
メーカーは製造終了してから10年は部品を保有していると言いますが、少し不安になります。
シャワー便座は現在、大手ホームセンターからプライベートブランドで2~3万円程度で販売されてますし、便座の交換はそう難しいことではありません。
多機能や、見た目のすっきり感、汚れが入り込みそうな隙間が出来るだけ少ない事を望まないのであれば、交換という方法もあるという事です。
 機械ものの発達はめまぐるしく、現在のシャワー便座の省エネ技術というと瞬間湯沸しタイプで、まだまだ上級グレードにしか搭載されていない機能ですが、将来は普及グレードにも装備されるでしょう。
便座の交換で更なる省エネ化が出来るというのは、全体的なコストを考えると、充分に魅力があると思います。

 といことで、更新するのもシンプルに、必要な部分だけ出来るものをお薦めしています。

 というのは理由がありまして、現在のトイレはタンクと便座が一体式のものと、タンクと便器と便座を組み合わせるものの便器は共通ですが、シャワー便座一体型の初期のトイレは専用の便器を使っていました。
便器の中に給水の配管が通っており、便座が壊れると既製のシャワー便座と交換が出来ずにトイレをまるまる交換することになります。
また、新しいもので出張工事を行ったものでも、再び同じ部分で不具合が発生することも数件ありました。
そうすると、お客様も嫌になってしまい、トイレ全体の交換に至る事になります。
弊社としては正直うれしいことではありますが、しかしながら勿体無い。
そういう事がありまして、それまでタンク便座一体化一筋だった自分を振り返り、メンテナンスに問題のある設備に対して反省し、考え方を変えたのです。

 不具合の出ない陶器部分まで捨てるのは勿体無い。
もっとシンプルにメンテナンス出来るものを、と。

 やはり他でもそんなこと案件が多くあったのでしょう、メーカーでもタンクと便座が一体化したタイプや、タンクレスのタイプを現在は、陶器の便器部分を残して新しいものに交換できる商品が販売されています。

毎日、用を足すおトイレです。
毎日、読書をするおトイレかもしれません。
毎日、お掃除をするおトイレでもあるでしょう。
毎日、痛い足を引きずって用を足すおトイレです。
 毎日必ず入るおトイレですが、立場によって視点も変わり求めるものも変わります。
用を足す人は、シャワーや暖房便座の快適性、操作性を望むでしょう。
また、手洗いのしやすさを望むかもしれません。
読書をする人や、長時間籠る方は、BGMや消臭、花を置ける場所を望むかもしれません。
お掃除をする人は、掃除が短時間で終わるように汚れが付きにくく、落としやすいものを望むでしょう。
足の痛い人は、タンクの上の手洗いを恨めしく思うかもしれません。

 人によって、何を重視するかは変わるものです。
おトイレにも様々な特徴を持った製品がありますので、こだわりによって自分に合ったものをチョイスしてください。
 別にという場合には、シャワー便座の更新が簡単なタンクと便器と便座のタイプをお薦めしています。
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耐震の事。

昨年は、耐震診断を2棟程行いました。
行った耐震診断は一般診断の方法1というものです。
これは、一般的な木造住宅を対象とした診断法で、主に筋交等の耐力壁で地震に抵抗する建物を対象としています。

 大きな声では言えないのですが、耐震診断の準備をしてから久しぶりのご依頼でしたので思い出すように色々と調べました。
この一般診断というのは原則として、診断の際、建物の部分的な解体は行わないという診断方法です。
インターネットで調べてみますと、それを逆手にとって室内を一通り眺め、外部を眺め時間的には2時間程度、持ち帰ってそれ用のソフトにデータを入力して出来上がり!なんて事をしている設計士がいると知りました。
 また、今回診断を行ったお客さんの手元にも建築確認に添付された図面をもとにして、他の業者が、『無料』で行った一般診断の資料もありました。
結果から言えば、無料の診断の点数は0.5位で『倒壊する可能性が高い』と、私が行った0.39と総合評価としては同じでした。
現況と図面とが一致しなかったことは、この点数差から容易に判断できると思います。

 耐震診断は、診断して終わるものではありません。
診断の先には耐震補強があるので、耐震診断は現況に則したものでなければ、耐震設計すら出来ないのです。

 私、大工としてこの業界に入りましたから、20年前位から現在までの現場の現状ってのはいろいろと見聞きしています。
現在は、平成12年の建築基準法の改正で耐力壁のつり合い良い配置について具体的な決まりが出来ましたから、それ以降のものは恐らく図面があればそれ通りに施工されているはずなので、問題は少ないですが、それ以前は金融公庫を利用した住宅でも結構いい加減というか・・。
平成12年以前の耐力壁の考え方は、法律では『つり合い良く配置する』と規定されているものの具体的な方法は規定されてなかったので、設計士が設定した耐力壁が納まりや、プラン変更によって移動しなければならなくなると、x方向ならx方向で別の場所に簡単に移動して施工していた事実があります。
もともとの設計が、規定がない為『つり合い良く配置』している訳ではないので、金融公庫住宅でも、移動してあれば問題なかったのです。
 そういう訳で、残っている図面に筋交位置が記されていても、本当にそこに施工されているかというと分からないのです。
 このことは、先日市役所職員と別件で話をしていた時に、職員の方から言っていましたから、行政も周知の事実なのです。

 といことはどういうことか分かりますよね?

 実際に施工状況を確認しない事には、金融公庫を利用した住宅でさえ正確な診断など出来るはずがないのです。
それなのに、床下にも天井裏にも潜らずに室内を眺めて行った診断など、信用できません。
 診断を行った設計士は、『提示された当時の設計図を元に診断を行ったので、現況と違っていたとしても、私の責任ではない』と言うでしょう。

その通りです。
図面とは本来、信用するに値する資料ですから。

 しかしながら、時代背景として大工が絶対的な地位にいて完了検査もほとんど受けなかったですから、建築確認に添付されている図面とは全く違う建物が建てられていたなんて事もざらにあり、図面通りの施工などまず信用出来ない時代がある事は事実なのです。
それを無視して、図面と現況を照らし合わせる努力もせずに診断したところで意味などありません。
お客様は、現実にその住宅に住んでいてその住宅の耐震性能を知りたいと思っていますし、危険であれば耐震補強もしたいと思っていますから、出来る限り正確な診断をすることが当たり前なのです。

 そういう考え方で耐震診断を行うとどういう流れになるかと言いますと。
まず、予備調査を行います。
お客さんの記憶を参考にしながら当時の施工状況や、リフォームの履歴を調査します。
図面があればそれを参照しながら、現況と図面の違いや、仕上げを確認していきます。
図面が無ければ、図面に起こしながら各部の仕上げも確認していきます。
 別の日に改めて、現場調査を行います。
 外部の基礎の施工状況(各部の寸法)、クラック、外装材の状況等を、地面を掘り返したり、屋根に登ったりしながら確認していきます。
 内部は床下や天井裏に潜り、基礎の配置や金物の施工状況、耐力壁の位置、構造体の劣化状況などを確認していきます。
 40坪位の建物だと、現場調査は軽く丸々一日かかります。
そこで得た情報を元に専用のソフトにデータを入力して診断を行い、現場写真も整理して考察も書きますと3~4日程度の手間がかかります。
その診断の費用として、10万円前後の費用をいただいています。

 因みに、鴻巣市では市内の業者が行った一般診断法での耐震診断について、助成金が最大で5万円(費用の1/2以内)出ます。
また、耐震補強の補助金(20万、65歳以上30万)を利用する場合は、耐震診断で助成を受けていないといけませんので、ご注意ください。
 同時に行うリフォーム助成金も利用することが出来ます。

 色々と書きましたが、現在建てられる住宅は、10年の保証が義務化されている関係で、瑕疵保険に入ります。
そうすると、耐力壁の施工状況の現場調査が行われますから、図面通りに入っている・・筈です。

年代物の引掛けシーリング。


 昨年、戸建ての市営住宅の片づけをした時に見つけたものです。
台所に裸電球がぶら下がっていましたが、その根元を見て驚きました。
引掛けシーリングがあったのですが、それが陶器製。

 ガイシを見ることはあったのですが、引掛けシーリングは初めてでしたし、そもそも引掛けシーリングが当時あった事も知らなかったのです。

 余りに珍しかったのでぱちりと写真を撮りました。

断熱材の性能を発揮する為には。

7~8年前でしょうか。
近所に大手の比較的お求めやすい価格帯のハウスメーカーの注文住宅が建ちました。
そこで行われていた断熱工事は、間違ったものでした。

 その現場では一般的に使われている袋詰めのGWを使っていました。
袋詰めの断熱材は両端の耳を間柱や柱の見付面(正面、室内側の面)に留め付けるのが本来ですが、そこの職人は見込み面(側面)に留め付けていました。
よくある間違った施工方法です。
 私が見付面に取り付ける通常の施工方法を知ったのは20年以上前ですから、断熱メーカーの施工方法の啓蒙活動の不足を思いますが、ハウスメーカーの現場監督も知らないというのは問題だなという事を感じました。
流石に、省エネにうるさくなってきている現在もこんな施工をしている現場はないと思いますが、『いまだにそんなことを?』と思う事が断熱の施工方法に限らずに様々なところで聞こえてくので、もしかしたら変わっていない現場もあるのかもしれません。
いずれにしても、現場の職人よりもメーカー側の意識の問題であって、そういった知識のある現場監督が指揮をとらなければ現場は変わりません。

 さて、そんな間違った方法で施工された断熱材は、その性能を発揮できるのかどうかを考えてみましょう。

 耳を見込み面に留める事により、断熱材を包む袋と内壁材の間に隙間が出来てしまいます。
そうすると、床下と天井裏がこの隙間によって繋がり、空気の移動が起こります。
移動する空気は壁の裏側から室内の熱を奪い、壁の中を上昇し奪われた熱は小屋裏を抜けて外部へと逃げていきます。
断熱材が性能を発揮する方向とは違う方向へと熱の移動が起こるのです。

 裾や袖口、襟元が大きく開いたダウンジャケットを着ているようなイメージでしょうか。
体温で温められた空気は軽くなり、襟元から逃げていきます。
そうすると、ジャケット内は圧力が下がりますから袖口や裾、襟元から冷たい空気を内部に引き込みます。
その空気が内部で温まり、襟元から逃げていき、袖口や裾から冷たい空気が・・・
順番に書きましたが、これらが連続して起こる事で、ダウンジャケットの内側では風が吹いているようなものなのです。
当然のように、ダウンジャケットが持っている性能は発揮されずに、ダウンジャケットなのになんか寒いジャケットになってしまいます。

 このダウンジャケットを暖かなジャケットにするにはどうしましょう?

 ①ダウンの厚さを増やす。
 ②ダウンをもっと保温力の高い高級品に換える。
 ③裾や袖口、襟を塞ぐ。

 どれも暖かくなりそうですが①と②の方法は多少効果を期待できますが、ジャケット内の風は止みませんから十分に暖かくはなりません。
 ③を行い、風を止めることで外部に熱を逃がすことがなくなり、暖かなジャケットになるのです。
①や②を行う場合は、③も同時に行うことで更に暖かなジャケットになります。

 住宅の断熱改修もこれと同じです。
壁の中に風が発生しないようにする事は、非常に重要な事なのです。
 ダウンジャケットで言えば裾や袖口にゴムを入れて隙間を減らし、襟元はマフラーを巻くことで対応できます。
住宅ではゴムやマフラーの代わりに『気流止め』という部材を施していきます。
気流止めを外壁、間仕切壁の上下に施工し、壁の中に空気が出入りしないように塞いでいきます。
これで、風が止まり熱の逃げる量が格段に減り暖かな家になります。
この『気流止め』工事が前提にあって、天井・屋根、床又は基礎の断熱強化を施しますと、壁の半分以上は断熱材の強化は出来なくとも最新の省エネ住宅には劣りますが、壁の中の断熱材が持っている性能を十分に発揮して、現在よりも格段に快適な住宅になります。

 住宅内の温度差が関係して亡くなられる方が後を絶ちません。
年間では交通事故で亡くなる方を大きく上回るそうです。
仕上げや設備のリフォームだけでなく、断熱リフォームも検討してみてはいかがでしょうか。

アルミ製の手すりにドアを付ける。

2階建ての住宅のベランダが、1階の屋根の上にアルミ製で作られている現場でした。
1階の屋根の周りはパラペット(立ち上がり)があって、パラペットに沿って箱樋があります。

 近くに神社があり大きな木が生えている森があり、秋になると落ち葉が多く飛んできます。
箱樋の中にも落ち葉が積もるので、以前、脚立を立てて手すりを乗り越えようとした時に、脚立が倒れ、骨折したしまったそうです。
 掃除を業者に頼むのは簡単ですが、1階の屋根はパラペットもあり、屋根に対してベランダは一回り小さいので屋根に出れれば、比較的安全に作業が出来る状況でした。

 そこで、アルミの手すりを一部開口して、出入りが出来るようにドアを付ける事としました。
しかし、アルミ製エクステリアの組立を行う業者に見積をとってみると、普段扱っていないメーカーだという事もあったのですが、非常に高額の見積金額となってしまいました。
頻繁に出入りするならばまだしも、殆んど使われないドアを付ける為に、解体を含まず、新規にアルミ製のベランダと屋根を出入口を含めて設置出来る程の金額となると、流石に考えてしまいます。

 今回は、イタウバという、最近ウッドデッキの材料として注目されている樹種を使ってドアを制作、取付ました。

 なかなか良い感じに仕上がりました。
これで、安全に樋の掃除が出来ます。

プロフィール

埼玉県鴻巣市で創業40年。 地域に根差し、お客様にとって最適な工事を提供出来るよう心掛けています。

HN:
加藤茂貴
性別:
男性
趣味:
コンガ、ジャンベ等パーカッション演奏
自己紹介:
会社名称:
 有限会社 カトウ工務店
 (1級建築士事務所併設)
所在:
 埼玉県鴻巣市松原1-20-10
tel/fax:
 048-541-1014 / 541-1017

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