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Q-1住宅 / 有限会社 カトウ工務店

地元に根差して40年。高断熱住宅Q-1.0住宅(キューワン住宅)の設計、施工。 翌朝も暖かな家づくりをしています。

廉価版樹脂内窓を試す。

今年の冬は寒いようです。
外仕事はつらいです。

 さて、低気密低断熱な我が家の断熱改修を、時間があったので追加で行いました。
今回は、廊下とトイレにある3つの窓に内窓を付けるという内容です。

 どうしようかと、考えてはいたのですが、ずっと放置してました。
そんなに開閉をしない窓なので、樹脂板を内側にFIXで入れてしまおうかとも考えましたが、開閉できるようにすることとしました。
木製の枠に樹脂パネルをはめ込んで、適当なレールをくっつければ出来上がり!
なのですが、レールか。
木でレールをこさえようとすると、どうしても幅と厚さが出てきてしまいます。
そうすると障子の厚さもやや厚くなってしまいますし。

 樹脂のレールを利用できれば一番良いのですが、障子が薄くなりすぎて強度が不安になります。

 そういえば何年か前からホームセンターで簡易的な樹脂製の内窓を扱っていたことを思い出します。
定尺材を現場で加工して枠と、障子を作る、DIY商品と言えばそういう類のものです。

 早速、ホームセンターへ出かけてお目当ての製品を観察します。
メーカーは、『光モール』といい、樹脂製品(見切等)を販売しています。
上下レール、左右カバー、障子枠の定尺材を用意しており、パネルは3~4.5mm厚の好きな板材を使えます。
メーカーおすすめは、ポリカの中空パネル(段ボールに近い断面)で4.5mm厚。
今回は窓なので、高さ900mm、幅1800mmまでのセット品と、中空パネルを手に入れてきました。

 簡単な説明書に従い、部材を切断して取り付けていきます。
3か所でおおよそ3時間。
大きなトラブルもなく取り付けられました。

 手間と費用を考えて、正直あまり期待はしていなかったのですが、効果は絶大と言ってよいと思います。

 我が家の既設の窓には断熱性の高い真空ガラスが嵌まっていましたが、いかんせんサッシ自体が古いアルミサッシのため、気密はないし、断熱性もなくガラスよりも枠の方が熱的には問題があり、真空ガラスの恩恵にはあやかっていない状況でした。
その状況で、二重サッシになり、しかも内窓はガラスも枠も樹脂となり、熱環境が大幅に改善されました。

 中空パネルは、ペアガラスと同じで断熱性能に優れた空気層があり(密封はされないが)、素材自体もガラスよりも熱伝導抵抗に優れるポリカーボネート。
断熱性能はかなり高いと言えます。
あ、パネルの小口に粘着テープを貼ってあげると、密封出来て断熱性能があがりそう。
貼れば良かった。

 暖かくなったと言っても、暖房されていない廊下の話なので、相変わらず寒いのですが、窓で起こるコールドドラフトの冷気が感じられなくなったので、空気の動きかなくなり、体感温度は明らかに改善しています。

 翌日、もう少し改善したいなと思いたちます。
簡易な内窓なので、隙間があります。
上下はレールにはまっていて、障子の上下のカマチもあるのでこの辺りは良しとします。

問題なのは中央の召し合わせのところ。
左右の障子の中央寄りの縦カマチのところですね。
引違い窓の宿命で、ここはどうしても隙間が出来てしまいます。
アルミサッシなどの重量がある建具ではここにモヘアや、パッキンが取り付けてあり、隙間をふさぎ、気密を上げる工夫がされています。
しかし、軽量な今回の障子に同じようにつけてしまうと、障子が間違いなく脱線してしまいますから少し工夫をして取り付けてみます。
縦桟同士の間に取り付けるのが一番隙間をなくせますが、それは無理なのでパネルにモヘヤがかかるようにして隙間を減らすようにしてみました。
取付には、木の角棒を片方の障子に取り付け、その角棒にモヘヤを貼り付ける形です。

パネルとの隙間を減らすと同時に、相手の縦カマチの側面に触れる位のイメージ(あくまでもイメージです。ここを突き詰めてぴっちり当ててしまうと、両端が縦カバーから離れてしまいます。)にします。
クランクを通って空気が漏れ出てくる形になるので、ぴったりと付けられませんが、効果はあるはずです。

 そして、前日よりも少し改善しました。

 高さ900mm 幅1800mmまでの窓に使えるセットが、6、000円前後。
ポリカの中空パネルが3x6で2,500円程度。(プラダン4mm厚は、900円程度)
他に両面テープ、20mm幅、10m巻、薄手が1,000円程度。
材料費10,000円程度でこの効果であれば、納得できるでしょう。
壁とか天井とか床とか、がっちりと断熱改修する場合には窓もそれに見合った製品にしたいですが、そうでなければこれで十分かと思った次第です。

 
予算を抑えるため、プラダン(4mm厚)を使うことも出来そうですが、障子のカマチを付けるときに気を付けないと折れます。
間違いなく。
別に中空パネルでなくても、ガラスでもアクリル板でもポリカーボネート板でも使えますので、断熱性能は落ちますが、中空パネルの見た目がダメと思う方はそちらも検討してもよいかと思います。

 なかなかコスパに優れた良い製品だと思います。
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耐震補強で行政から補助金をもらえる場合。

2025年でしたか、4号特例が撤廃されて平屋住宅以外は建築確認申請において構造の見当根拠を提出しなければならなくなりました。
それに合わせて、要求されれる最低基準も高くなる・・あれ、長期優良住宅でしたかね。

 それは置いておいて、いずれにしても法律で要求される保有耐力(筋交いの量)というのは過去に何度も上方に変更されてきたわけです。
その中でも、一番重要なものが、昭和56年の改正(新耐震基準)です。
これ以前に建てられた住宅は阪神淡路大震災で、倒壊し、これ以降に建てられた住宅は被害が少なかった事から、不動産売買においても重要な指標の一つになっています。

ん、表現が違いますね。
阪神淡路大震災で倒壊した多くの住宅が昭和56年以前に建てられたものでした。
の方がよいでしょう。
それでも、極端に筋交いが偏って配置されていたりして、バランスの悪い建物に倒壊が見られたので四分の一法という、建物の平面計画の上下左右のエリアで、筋交等の配置バランスを検討方法が導入されました。


 鴻巣市の耐震診断・補強にもらえる補助金の条件は、まずこの昭和56年以前に建てられた住宅と制限がされています。
恐らく補助金を出す行政のほとんどがそうだと思います。

 これに当てはまる方は、補助金をもらって耐震診断を受けるという事はあるのです。
『うちは古いけど、地震に耐えられるのだろうか』と心配になって。

 耐震診断を受けるのですから、その先にある耐震補強までも視野に入っているはずなのですが、耐震補強で補助が貰えるかどうかというとかなり難しいことになってきます。
補強工事を行えば貰えるのですが、行うかどうかという判断が難しいのです。

 耐震診断の結果は、筋交(耐力壁)のバランスと量、軸組の緊結状況で判断されます。
もちろん基礎、水平構面等でも補正がかかっているのですけど、それよりも分かりやすく影響してきます。
昭和56年以前の建物の耐震診断をすると評点0.3とか。
筋交いの端部や軸組の留付けは釘打ちだったりするので、評点は低めです。
南側に大きな掃き出しの窓が並んで壁がなく、反対に北側に壁が多く集まっているのでバランスが悪くいことで、評点は低めです。
基礎も無筋(鉄筋が入っていない純粋なコンクリート製)なので床下換気口周辺でひび割れていることが多くここでも評点は低く補正されます。
築10年を超えると10%下方補正され、劣化部分があるとさらに減らされてしまいます。

 で、行政の補助金をもらえる耐震補強というと、この評点0.3くらいの建物の評点を1.0とする耐震補強設計を行い、耐震補強工事を行わなければならないのです。
このハードルが高いのです。

 インターネットで耐震診断とか補強と検索をかけると、耐震補強の予算平均が100万円とか書かれています。
これだけを見れば、100万円の工事をして、行政から20万円の補助が貰えるならやってみてもよいかなと思うでしょう。
しかしこの金額は昭和56年以降の建物も含んでいるからこういうことになるのですが、それ以前にしぼるとそんな金額では到底収まらないのです。
300万円~と考えなければならないかもしれません。

 昭和56年以降であれば耐力壁量は足りているはずなので、あとはバランスをとってあげたり、経年劣化や下方調整されて足らなくなった分を足してあげればよいので、数か所、屋内の補強で評点1.0は達成できるでしょう。
この場合は、100万円という金額になるのはうなずける話なのです。

 評点0.3から1.0に上げるのにどれだけの量の壁を追加しなければならないのか。
大きな家であれば、開口部をふさいで壁にしたりとできるのですが、コンパクトな2階建ての住宅となると追加できる壁量には限界があります。
そうすると評点を低く補正している部分を改善することを考えて、既存の軸組の継手・仕口に補強金物を追加したり、基礎を補強して現況全体を底上げするという事になってきたりします。

 補強金物の追加はあちこち穴をあけなければなりません。
そうなると雨漏りが心配になりますので結果、外装をすべてはがすような事になります。

 基礎の補強は屋内の床をはがして行う必要もあるので、生活しながらの工事というのは難しいかもしれません。

 国が示す参考例として既存の基礎に同様の基礎をくっつけて補強するというのがあります。
これは効果がどれだけ期待できるのかというのは当然ありますが、増えた重量を考えると不動沈下を起こしたりしないのかなんて事も考えなければならなくなって、地盤調査も考えたくなります。
その結果次第では地盤補強もという話になります。
重量を増やすというのは、耐震性能を考える場合は危険側ですから、できれば重量を軽くする方向で考えていきたいところです。
この場合は、繊維素材による補強を考えることになりそうですね、できれば両面。

 瓦屋根の場合は、瓦を金属屋根に葺き替える事で耐震補強になります。
コストはかかりますが、それによって屋根の寿命も長くなります。
最低でも40年は経過していることと、瓦の寿命は50年前後ですがその下にあるルーフィング材が劣化して穴が開き寿命を迎えますから、その場合は屋根の葺き替えを行う事を前提に耐震補強計画を考えることになります。
100万円からは程遠い内容なりますが。


 新耐震基準になって41年が経過し、屋根材としては一番寿命の長いと言われる瓦も、50年程度です。
それ以前の建物は、部分的な壁だけの耐震補強を行うよりも、今のまま手を付けないか、持ち主が変わってスケルトンにして仕立て直すか、取り壊されていくという判断が増えていくのでしょう。


 すっかり、補助金をもらおうという話ではなくなってしまいました。

耐震補強の補助の判断が、評点1.0から0.8とか、昭和56年以降でも耐震診断の評点が0.7を下回る場合に評点1.0にする耐震補強になれば、もう少し補助金の活用も進むのだろうと思います。

アスファルトシングルという屋根材。

コロナとウクライナの件で、材料が軒並み値上がりしてしまいました。
建売住宅の仕様を見ていると、思い切ったコストダウンの参考になったりします。

 建物の周囲がコンクリートからアスファルトになってもう2年くらいでしょうか。
境界のCBも地面すれすれになりましたし。
2階のトイレもなくなって、シャッターもなくなったりしています。

 屋根材については、建売住宅というと平板スレート(コロニアル等)が定番だったのですが、どうやらアスファルトシングル葺きを採用しているビルダーが出てきたという話を聞きました。

 アスファルトシングルは、ほかの屋根材よりも柔らかいのが特徴です。
曲面の屋根なんかにもそのまま対応できるのは、ほかの屋根材にはない魅力です。
軽いので地震にも有利というか、瓦屋根等重い屋根材の建物よりも耐力壁量(筋交の本数)を少なくすることが出来ます。
平板スレートよりも軽く、金属屋根よりも重いのです。

【参考】各種屋根材の単位重量。
・陶器瓦:45kg/m2
・平板スレート:20kg/m2
・シングル:9kg/m2
・金属:5kg/m2

 軽くてお求め易くて、今後は平板スレートの座を奪ってしまうかもしれませんね。
平板スレートはアスベストが使えなくなってから耐久性は落ちていますから、昔ほど魅力的な屋根材ではないと言えます。

 耐久性は、軽く柔らかいので施工に左右される点ですが、はがれた場合に風に弱いと言えます。
メンテナンスの頻度は、おおむね平板スレートと同様と考えてよいようです。
コケも生えるようなので、再塗装やカバー工法を行っていくことになるでしょう。
葺き替えは施工的には軽量で柔らかいことから比較的楽そうですが、処分費はどうなのでしょう。

 気を付けたいのは(防火地域、準防火地域以外の都市計画区域内の22条地域内のお話です)他の屋根材が不燃材なので問題なく葺けるのに対し、シングルは防火認定を取得して屋根材として使えるようになっています。
この防火認定は飛び火認定と言われるもので、ベランダに多く採用されるようになったFRP防水を屋根材として正式に使えるようにする為に作られた認定・・と思っています。

 『屋根は不燃材で造るか、葺かなければならない』という規定がある為、この認定が制定される前のFRP防水の扱いはグレー微妙なものでした。
FRPというとガラス繊維を樹脂で固めたものです。
ガラスは不燃材なのですが、樹脂は?
それでも、採用数はぐんぐんと伸びており、ベランダの防水はFRPが当たり前な状況でした。
行政は苦肉の策として、下地材に不燃材を使うこととしていましたが、屋根材はあくまでもFRP防水層なのでどうなのでしょうか~という時期でした。
ちょうど、民間で建築確認を下せるようになった時でそれまで行政でまちまちだった法解釈を、一本化するということで問題になってたと思います。
同様にカーポートの屋根材とか、アルミの防火性能とかも言われていた頃ですかね、記憶があいまいですけど。

 で、結論として、不燃材でなくても隣家の火事で、火の粉が飛んできてFRP防水の上に落ちても、一定時間以上燃え落ちなければ屋根材として採用できますよということになったのが、この防火(飛び火)認定なのです。
 
 つまりこの防火認定の屋根材は、他の屋根材に比べたら火には弱いのです。
直接火で焙られたら燃えるという材料といえます。
FRP防水の場合、そのほぼ全てが陸屋根で、軒の出も無いでしょうから、隣家の火災で直接火で焙られるというシチュエーションは考えづらいですが、軒の出があってこう配屋根のシングル葺きの場合はどうなのだろうなぁって考えてしまいます。

 火事を起こす、隣家で火事が起きる可能性は少ないでしょうけれども。

 意匠的には柔らかい感じに仕上がります。
柔らかい材料で、エッジが立っていないので線が柔らかいのですね。
これはシングルならではと思います。

 印象としては、やっぱり平板スレートと同じポジションです。

耐震診断。

昭和56年以前に建てられた木造2階建住宅の耐震診断を依頼されて、潜ってきました。

 計算自体は、PCソフトがやってくれるので図面があれば入力できない事も無いのですが、図面自体が信用できない場合も多いですし、耐震改修まで考えていらっしゃるのであれば、潜って実態を見てしまった方が、より信頼性の高い診断が出来ます。

今回の物件は今は統廃合を繰り返して名称が残っていない会社の建てた住宅ですが、図面はしっかりしていて構造伏図も展開図もありました。
しかし、屋根伏図はなく。
平面図に方位の記載もなく。

 図面をお預かりして、図面上で耐力壁の位置を中心に確認をしていきます。

 ん?
『和室の窓の障子が全て引込になっている。』

 ん?
『引き込む壁に筋交が設定してあるし、戸袋もある。』

 ここ、筋交がどうにか入っていたとしても、効果ない筈。
いや、入らないでしょう。
全部で5カ所も、しかも南側に集中しています。

さて、一体現場はどうなっているのでしょうか。
役に立たない図面なのかもと思いつつ、現場調査当日、該当部分を部屋内部から確認すると筋交が入っているような納まりにはなっていません。
やはり筋かいが不足してしまっているのでしょうか。

 床下に潜ってあちこち確認します。
図面に指示がある場所には筋違が入っています。
件の場所には当然筋かいはありません。

 すると、図面には指示が無いところに筋かいが入っている箇所を見つけました。

どうやら、筋かいを違う場所へ移動して施工してあるようです。
図面の上で、移動先になりそうな場所の見当を付けて探して見ると、ありました。
図面で指示された筋かいの本数と方向は、未確認の2本はありますが、他の状況から判断して間違いなく施工されているだろうと判断しました。

 構造は伏図通りに施工がされてます。

 それでも、基礎は無筋コンクリートで床下点検口の角にひびが発生しています。

 床下も湿度70%位、木材の含水率は20%を下回っており、蟻道の類も腐朽の類もなさそうです。
クレオソートが塗布されている様に見えます。

壁には袋入りGWがなんとなく入っていて、1階の床下には洋室のみGWが垂れ下がっていますが、なんとなく入っています。
天井は無断熱。
・・。

 床の断熱材はあっても無くても影響ないな。

 調査の結果を持ち帰り、計算してみると0.31という評点がはじき出されました。
耐震改修で市の助成金を受ける為には、この評点を1.0にする必要があります。

そちらも検討してみます(耐震設計の範疇になりますが)。

 バランスをとって低減係数を1.0にしてから不足分をどんどん足していきますと、1階の外壁の3/4を剥がして筋かいを45x90の断面に変更し、金物を取付、構造用合板を施工するという内容になりました。
件の和室のサッシは、柱を立てて耐力壁にしなければならないので、7カ所入れ替えになります。
屋内は7カ所の壁の改修が必要です。
2階は、屋内の壁3カ所で外部は不要でした。

 とりあえずはここまでで、お客様に報告をします。
この先は改修工事と言う事になりますので。

 バランスをとって低減係数を1.0にするくらいの改修で、評点が0.6近くになります。
そこで納得するか、あくまでも1.0を目指すか。
それとも、0.8位でとどめるか。
お客様の判断にゆだねる事にします。

 耐震改修は保険と同じなので、どれだけの改修を行えばよいかの判断は難しいところです。
大きな地震が発生する事は間違いないでしょうが、自分の住む土地で震度7が発生するかは分かりません。
また、震度7に見舞われても、現状のままで倒壊に至るかと言う事もまた分からないのです。
また、評点1.0になる耐震改修を行ったとしても、震度7に必ず耐えられるかと言うと、それもまた分からないのです。

 評点1.0と言うのは、現行法規基準相当であるという事を表していますが、現行法規基準で建てられた住宅と同じ耐力があるかと言うと、違います。
現行法規で建てられる住宅の耐力は、構造だけで計算されています。
在来工法であれば、柱と梁、構造体だけのスケルトンの状態で計算します。
耐震改修の場合は、柱と梁、構造体にプラスして、床や内壁、外壁などが仕上げられた状態で計算しています。
なので、現行法規ギリギリの耐力となる両方の住宅でも、床や壁を含まないで計算されている今の建物の方が耐力がある、地震に強いという事になります。

 少なくとも、現行法規、昭和56年以降に建てられた住宅の耐震改修は、バランスを調整してあげるだけでも1.0を達成出来ますから、数カ所の改修で終える事が出来るでしょう。
潜在している耐力は現行法規を満たしている筈だからです。
量は足りているがバランスが悪いのです。
バランスの規定がはっきりと定められる前までの建物は、南側に大きな窓が並べられて、北側に壁が集中していたりして、偏っている事が多いのです。

 気になる方は、一度ご相談ください。

中古住宅の玄関の吹抜け。

玄関ホールが吹き抜けている建売の中古住宅を購入すると、その吹抜けに床を作って納戸等に活用したくなるみたいです。

 一時期、建売住宅で玄関ホールの1坪(2畳、3.3m2)位の吹抜けが流行りました。
海外の邸宅の影響なのですかね、玄関入ると階段があって吹き抜けているという。
アメリカのTVドラマとか映画で良く見かける住宅ですね。
大きくなると、左右の壁にそれぞれ階段があって、とか。

 いずれにしてもそういう住宅の吹抜けは、それなりの広さがあるのです。
1坪位の吹抜けは狭くて高さ方向が視界に納まりきれないので、あまり解放感は感じられず気づかれない事もあるかもしれません。

 実際に生活をしてみると、冬の時期、玄関とそれに続く廊下の寒い事に愕然とする事でしょう。
中古の建売ですから、断熱性能は期待できません。

Q1.0住宅ならそういった心配はありませんけど。
逆に、吹抜けがあった方が上下階の温度差が少なくなりやすいのです。

 最初に購入した方々は、それなりにこの吹抜けに憧れがあったりしますが、中古で購入した方々はそんな事はありません。

『吹抜けは無駄、部屋にしたい』

 そう思う事も多いようで、相談されることがあります。

 リビングなどの吹き抜けに床を作るという話になると、床を受ける梁を入れる事に悩まされます。
それなりの大きな断面の梁を入れなければなりませんし、場合によっては柱をどこかに建てなければならなくなります。
そうなると、床下からの補強も必要になったりするのです。

 しかし、1坪位の吹抜け(柱芯~柱芯寸法が2000以下)であれば、梁を入れずに根太ですみます。

外周もぐるりと胴差と梁が回って言いますから、根太を受ける根太掛けもがっちりと留める事が出来るので、簡単に床を作る事が出来ます。

 出入口の工事や、電気配線等、他に必要な工事が発生してきますが、とりあえず、床を作る事はそう難しくはないというお話でした。

プロフィール

埼玉県鴻巣市で創業40年。 地域に根差し、お客様にとって最適な工事を提供出来るよう心掛けています。

HN:
加藤茂貴
性別:
男性
趣味:
コンガ、ジャンベ等パーカッション演奏
自己紹介:
会社名称:
 有限会社 カトウ工務店
 (1級建築士事務所併設)
所在:
 埼玉県鴻巣市松原1-20-10
tel/fax:
 048-541-1014 / 541-1017

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