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Q-1住宅 / 有限会社 カトウ工務店

地元に根差して40年。高断熱住宅Q-1.0住宅(キューワン住宅)の設計、施工。 翌朝も暖かな家づくりをしています。

北側の外壁。

この頃の外壁と言えば、窯業系サイディングで色は白や黒。

 そんな白い窯業系サイディングの住宅で気になるのは、北面。
なにか嫌に汚れているのをよく目にします。

 昔は軽量鉄骨系の住宅で良く見られた、柱や梁のあるところが綺麗でその他が黒く汚れる現象。
それが木造住宅でも発生する様になっています。
なんでかなって思います。

 こういった柱や梁、下地の木材が浮き出てくる現象は外壁ばかりで起こる訳ではないのです。
小屋裏の換気が上手くいっていない軒天や、無断熱の突板またはラミネートの和室の天井とか。

いずれにしても関係しているのは、温度の訳です。

 軽量鉄骨住宅の柱や梁は当然、鉄でできています。
鉄の熱の伝わり易さ【熱伝導】は、木材よりもはるかに伝わりやすいので、接する外壁も温められます。
軒天も野縁【のぶち】と言われる木下地や、和室の天井に現れる桟木とかもそれ以外の場所よりも熱が伝わりづらいので、温かいのです。
温かいと表面で結露してもすぐに乾燥してくれます。

 古い木造住宅の外壁で、そういった現象が起きるとしたらかなり古い建物で、外壁の塗替えなどのメンテナンスをしていないもの。
それもすべてではなくて、僅か。

 なんでそんな事になっていたのか。

>>>以下の内容は、特に実験をしたわけでもなく、あくまでも私の憶測です。ひとりごとです。<<<

 一つの理由は、かつて袋入りのグラスウールが住宅の断熱材の主流でした。
施工方法は、防湿面を室内側の柱や間柱の正面に留め付けるというのが本当でしたが、柱や間柱との間に余計なものを挟み込んでしまうと、その上に留める石膏ボードや、化粧合板が凸凹になってしまうという事を危惧したのでしょう。
また、下地が見にくいという理由もあったようです。
柱や間柱の側面に留め付けるのが、一般的だったと思います。
そうすると、本当は内壁にくっつけて施工しなければならない断熱材が、外壁側にくっついて施工されます。
そうする事で、外壁の表面温度が一様になって汚れも全体的に一様になったと思っています。

 それが、外壁通気工法の普及と高気密化によって覆されました。
外壁通気工法は、その名の通り外壁の裏側を空気が通り抜けるようにしたものです。
これは壁の中の湿気を効率的に排出して、壁体内結露を防ぐ為に採用されます。
ボード系の等の吸湿しない断熱材では問題にはならないでしょうが、グラスウールやロックウール等の繊維系の断熱材では避けなければならないことなのです。
キチンと気密工事が出来て、壁内に水蒸気が侵入しなければ必要もないのですが、高気密に自信がないのか、そもそも意識もしていないのか、万が一の保険の為か採用され続けています。
 将来、気密層に穴をあけられてしまって壁内に水分が侵入してしまわないとも言い切れませんし。

 外壁の裏側を空気が流れると、当然の様に外壁は冷やされます。
それはもう効率的に。
現在の木造住宅の外壁に入れられる断熱材は、85mm以上になっています。
かつては50mmでしたから断熱性能は高まっており、既に木材よりも性能は良いのです。
そうすると、かつての軽量鉄骨系住宅と同じことが起こります。
木である柱や梁の部分が、外から見て暖かいので外壁面もこの部分が温められます。
そうすると、柱や梁部分は白くその他が汚れてしまうという現象が起こるのです。

 冷えた外壁面は結露が起こり、その水分にホコリがたかり、コケやカビが付き黒ずみます。

 さて、問題は何かをここで定めておきます。
断熱性能が上がってしまっている現在で、北側面の汚れを防ぐことは難しいのかもしれません。
表面温度が低く結露が防げないとしたら。
また、植栽に囲まれた環境では、どうしても外気は多湿になり通風も滞りがちです。
ですので、汚れる事は許容します。
ただし、柱や梁が透けて見えるように汚れる事が問題だとします。

 そう考えると、要は、壁全体の表面温度を一様に近づければ解決するはずです。
温度差があるから汚れも一様でないのですから。

 どんな方法があるのか。

 恐らく、外断熱は効果が高いと思います。
ボード状の断熱材で建物を覆ってしまいますから、木部が外壁に接する事はありません。
外壁通気工法も採用出来ますし。
ただし外断熱は新住協では推奨していません。
断熱材を貫通する部分はビスだけですから、外装を支持するのは将来的に不安があるからです。
あくまでも木桟を入れる付加断熱を行います。

 確かドイツの製品だったと思いすが、スライスしたレンガを断熱材と一体化させたものがあったはずです。
これも良いかもしれません。

 後は、内壁の仕上げ材の裏から外壁材の裏側まで断熱材で施工するような工法があったはずです。
外壁の仕上げは左官。
通気はさせない方法です。

 もしかしたら、窯業系サイディングの資材に通気金物による施工方法があります。
これは胴縁を施工せず、嵩上げした金物で外壁を取り付けていきますから、外壁材は建物本体と点で接続され、壁の中で空気の淀みが少ない方法です。
外断熱のビスと同じような問題点が出そうですが、こちらは20mm程度の厚さですからどうにかなりそうです。
それでも開口部廻り、継ぎ目の部分は胴縁が必要・・なんだと思います。
コーキングを打ちますからね。

 窯業系サイディングの色やデザインでも違いがありそうです。
櫛引のような凸凹の多いデザインと、ホワイトが圧倒的に汚れています(目立ちます)。
今は不人気でほとんど無くなってしまったタイル調は茶色いし、割と平滑なので良いと思います。
石調でも同様なものがありますので、その辺りを選ぶのも良いのかもしれません。

 21mmや24mmの厚いサイディングというのも良いのかも。

 ALCも良いかも。
メーカーは断熱材だと言っているとかいないとか。
確かに発泡コンクリートのALCは、他のセメント製品よりも熱は伝わり辛いです。
素材が柔らかく薄く出来ない為、厚さがあるからっていうのもそうですけど。

 木材の外装材というのも。
シルバーになったり黒くなったりと、変化するのが当たり前ですからその変化を受け入れられる人ならば、お薦め。
ただし、採用できるかは地域・地区によります。

 金属系の外壁材も良いかも。
熱伝導が良く温度が一様になりやすいので。


 兎に角、壁内通気工法で窯業系サイディングのホワイトは、気を付けましょう。


12/8追記

 読み返してみると、多少ぶれている感じがします。
壁体内通気工法は、柱外面と外壁との間に通気に必要な20mm程度の空間を設けて、湿気の排出を期待しますが、正しい施工をしないと空気の滞留が発生したり、そもそも期待するほどの通気を得られないとか、方角で効率が大きく異なったりと言われています。

 確か、高断熱高気密が北海道で作られるようになった頃に、壁内結露が問題となり大建工業がオープン工法として発表したもののはずです。
有り難い事です。
胴縁を使うという、職人にも受け入れやすい方法の工法で広く普及しましたが、見よう見まねで行われる事も多く通気が上手くいかないと言ったケースも散見されます。
軒天との取り合いや、開口部との取り合い、下屋との取り合いなど。
空気の流れを想像しながら施工しないと、空気の滞留を招いて結露が発生します。
例えば、開口部はその4周を胴縁で囲いますが、その上下に施す横の胴縁に直交する縦の胴縁を突き付けて施工してしまったりすると、その3方胴縁で囲まれた部分は通気が上手く出来ません。

軒天廻り。
現在は、縦胴縁を先に施工してそこに軒天材を受ける野縁【のぶち】を取付、壁から小屋裏または屋根裏に通気層を繋げますが、最初の頃は小屋裏換気と壁体内通気は別として施工されていた事があります。
壁の通気を小屋裏へ入れると、小屋裏換気孔の必要面積が足らなくなるという事だったのか、単に名称が違うから別にしたかったのか。
いずれにしても、軒天を先に施工してから通気胴縁を施工、通気用の見切を取付けるという事をしていました。
この時、そもそも通気用の見切を採用しないという事もあったと思います。
胴縁を施工したからそれで満足して、出入口まで気が回らなかったのでしょう。

 現在、注意したいのはベランダの手すり壁の扱いです。
ベランダ手摺の上部は笠木が施されますから、外的に閉鎖されがちです。
どうやって通気を処理するかは、一考が必要になります。
また、ベランダの床は屋根扱いになりますが、屋根は通気が必要です。
FRP防水の場合は野地に直接施工しますから、野地の裏側に通気層を考えなければなりません。
万が一、水の侵入を許した場合の対策も考えなければならない部分です。

 通気胴縁は、縦張りのサイディングの場合、通気が上手くいかない事が懸念されます。
縦胴縁に比べれば当然、その効果は低くなるでしょう。
大凡1間間隔で、30mmの隙間を作りそれを互い違いに配置していくのですが・・。
そこで登場したのが、エアホール胴縁と言う胴縁を大きく抉った製品でした。
これを使えば、縦張りでも通気が行えますが、価格が高い事と端材が多く出てしまうのがネックです。
また胴縁の強度も個人的には心配です。
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ききかた。改訂版。

今年の夏は終わったのでしょうか。
お盆前までは確かに暑かったはずなのですが、お盆直前から雨が降り続けてたまに晴れながらも、概ね雨の日が続いています。
10月の陽気とか。

 昨年はお盆前から急激に暑くなり、お盆明けも暑かったような気がします。

 空調服ってありますが、今年は暑くなる前にTVでも話題になっていたようですが、弊社では昨年のお盆頃に屋根の上の工事があって、とても暑すぎて動けないので探し回り手に入れましたが、当時はどこも品切れだったことを覚えています。
恐らくその反省からか、今年は早い時期から店頭にあふれていました。

空調服って外気を服の中に取り入れて、強制換気するものです。
機械給気の自然排気なので、住宅ではまずお目にかからない第2種換気ですね。
空調って聞くとどうもエアコンのイメージが付きまとい冷却してくれるものと思ってしまうのは私だけかもしれませんが、どうやらそうでもなくて着ていると『涼しいの?』と良く聴かれます。

 私としては、ちょっと困るのですね。
涼しいかと言われると、そういう場面もあるし、そうでない場面もあるのです。
yesだしnoでもあるのです。
なので、『体は楽ですよ』と言う風に答える事が多いです。

 空調服の実態は換気服なのですが、ネーミングで売り上げが大きく変わる事を考えると、換気服で売るよりも、空調服の方がより涼しそうです。

 換気服なので冷却機能はなくて、ただただ、服内の空気を入れ替えるものです。
外気が体温よりも低ければ寒いほどに冷えますし、体温に近かったり同じだと涼しいとは感じられない事もあります。
それでも、体が楽なのは体から出た熱を外部へ放出してくれるからなのです。

 人の体の周りには薄い水蒸気の幕があります。
体から放出された水蒸気は、熱を含んでいて幕を作る事で保温する役割も持っています。
そこへ風が吹くとこの幕が取れ除かれて、体に直接新鮮な空気が触れて体温を奪う事で涼しく感じたり、寒く感じたりします。
これは、外気温が体温より低いので外気自体も体温を奪ってくれるからそう感じます。
外気温が高いと外気自体は温度を奪えませんから涼しくは感じないのですが、保温をしてしまう水蒸気を取り除くことは体温の上昇を抑える効果があり、涼しく感じなくても『体が楽』なのです。
 ただ、外気が高温で更に高湿だと効果は無くなってしまうはずなので、作業環境によっては役に立たない場合があります。
温度も湿度も高い方から低い方へ移動しますから、その辺を考えて着るか着ないかを考えると良いと思います。


 先日、NHKのサッカー関連の番組で名波監督が出てて、サッカー選手の育成に言葉の専門家を招いているという事を話題にしていました。
その言葉の専門家の女性も出演していました。
 サッカーは試合中にフィールド上に散っていて、選手同士が話をするのはとても少なく、全員が集まって話をするとなると前後半の間の休憩時間に限られています。
ボールが外に出たり、得点の直後、ファールの直後などの短い時間で話をして効果を得るのはとても難しい。

 日本人はもともと空気を読んで行動するのが得意ですが、それでは正確に伝わる事は難しいでしょうし、KYだなんて言葉が過去に流行りましたが、空気を読む能力も人それぞれです。
試合中はもっと短い時間で的確に伝わる方法を考えなければいけません。

 積極的に言葉に出すことで、コミュニケーションが円滑になり初見の間でもまとまる事が出来るのだそうです。
その点は外国人の方が得意で、初見同士のチームでも意見をどんどんかわす事でどんどん打ち解けていく事が出来るそうです。
日本人は、言わずもがなですね。

 その番組の中で、マスコミ嫌いの中田選手の本当の話をしていました。
当時の記者達は試合後の選手たちにこう質問します。
『今日の試合、どうでしたか?』
色々な場面で良く聴く言葉ですよね、『どうでしたか?』
試合の感想を聞こうという意図は分かるのですが、受けた方は印象に残っている事は様々ですし、その事を話すにも状況や背景を説明しない事には伝わらない内容もあるのです。
聴く側は、こちら側はこういった背景が分かっている事を前置きする事で、何を聞きたいのかを明確にするべし。
選手から話を聞き出すのが仕事であるのならなおさら、プロ意識をもってこれにあたるべし。
と言う事で、中田選手は怒り、マスコミ嫌いと言われるようになったと言います。

『今日の試合、後半で追いつかれましたが何が原因だと思いますか?』とか、
『前回の試合とポジションが変わりましたが?』とか。
『今日の試合の結果を受けて、次回のスタメンはどのように考えていますか?』とか。
話題の的を絞るべきだと。
確かにその通りだなと。

 そうなる為の訓練も紹介していました。

 問答ゲーム(?)というそれは、相手の感想に対してどうしてそう思ったのか、原因や根拠を考えて説明させるものでした。
日本人はゲームにすると食いつきが良いそうです。
1枚の絵を見させて、ストーリーを付けさせる。
その絵は、海が見える小窓がある建物の中の絵で、建物の中には季節家電が無造作に置かれていたり、椅子が立てかけてあったりと『物置』を連想させるものでした。
回答者の2人は『物置』と決めつけてその根拠を示さずにストーリーを組み立てますが、言葉の専門家はなぜ『物置』だと思ったのかと問いかけたりします。
そう聞かれると、なんとなく物の配置などからそう思い込んでいる事に気が付かされます。
 また、普通に話をしている中でも、『どうして?』『なんでそう思ったの?』『これこれはどいうものなの?』と聞いて相手に説明を促します。

 根拠や原因を意識しながら話す事で、短い時間で効率的な会話が出来るのだそうです。
試合中のあの場面で、なにが悪かったのかどうすれば良いか、どうしたいかと言うのは、普段からそういう意識で話を重ねているので、僅かなやり取りで理解が出来るのだそうです。

『私は、これこれこうだからこう思う。』
そういうことを意識して、話をしていこうと思います。
それを意識する事は、質問をする時にも役に立つのですよね。

 それでは、最初に戻ります。
『それ、涼しい?』という質問は、自分では使った事がなくて効果が分からないものについての質問なので、ついついそう聞いてしまうのでしょうが、条件を提示して範囲を限定してくれればお互い有意義な受け答えが出来るのだろうなと思います。
折角、見ず知らずの得体の知れない職人風の風体の人間に、話しかけてくれたのですから。

 例えば『農作業で使いたいと思っているのだけど、それ着れば涼しいの?』と聞いたりしてくれればこちらも、農作業だと炎天下だろうと想像が出来ますので『炎天下だと涼しさはそれ程感じられないかもしれませんが、着ないよりは長い時間作業が出来ますよ』とか、『炎天下は大して変わりませんが、日陰に入ると涼しいですよ』とか。
『脱穀とかホコリっぽい所で使うと、ファンが吸い込んで服が埃だらけになりますよ』とか。

また、『裏地にアルミの処理がされたものが、このお店では扱い無いですけどネットで売られています。それだと、輻射熱を反射してくれるので炎天下でもいくらか涼しく感じるみたいですよ』なんて情報を提供したりできるんですけどね。


 普段の生活で、『どうする?』みたいな相手に丸投げな質問を安易に聞いてしまう場面は多いものですよね、今後は気をつけたいです。

『今日は、何食べたい?』

 奥さんに聞かれて答えに困る質問ベスト1ですが、これはどうでしょう。
 これ、奥さんの救難信号なのですが、上手に受け答えできてます?

聞く側は毎日1~3食以上の献立を少しはバランスを考慮しながら決めなければならず、料理がすっごい好きという訳でなければ、レパートリーやアイディアもそんなに豊富でもないので大変な事です。
また、食べさせる相手のなるべく満足するものを提供したいと考えている筈です。
それでも体調不良やなんやらで考えたくない事もあります。
 その反面、聞かれる側は出されたものをただ食べる位にしか考えていないので、漠然と質問されてもついつい『なんでもいい』なんて答えになってしまいます。

 なので、例えば、
『昨日はお魚だったし、今日のお昼はトマトソースのパスタ。夜は、何が食べたい?』とか、
『ここの所、お野菜を食べる機会が少なかったから、お野菜も食べたいよね?』とか。
恐らく、『今日jは、何食べたい?』と聞くまでにはこれまでの献立を反芻していいる筈なんです。
そういったいろいろな事を考えてもまとまらず、『今日は、何食べたい?』となった訳ですから。
なので、その辺りを少し説明してあげる事で、相手も答えやすくなるのだと思います。
いつも一緒に料理を作るなんて仲良し同士なら、いきなり『今日の夕飯何にする?』で良いのですよね。
『冷蔵庫にこの間いただいた、肉があったからあれを出そう』とか。
『この間あそこのお店でお肉に合いそうな、気になるワインを見つけたから買っていきましょ』とか。
話も弾むでしょうが、大抵の場合、今日の献立を考える事は無いでしょうからある程度の状況説明は必要と思います。

 長年一緒にいるんだから分かれよ!一緒に考えろよ!というのも分かりますが。
うっ、胸がいたい・・ww

保守的。

建築業界は超保守的と言う人がいました。

 あ、なるほど。
保守的。

 実績の無い物は簡単にお客様にお薦め出来ません。
つまりはアフターフォローを考えてしまうと、ついつい新しい製品や技術の導入に二の足を踏むのは確かにあります。

 人生で最大の買い物と言われるように、35年ローンで借り入れをして手に入れるお住いに発生した不具合が、建築当時に真新しい優れた技術や製品だったとしても、10年経過した時点でメーカーが存在しているかと言う事も考えなければなりません、お薦めする側としては。

 例えば、屋内の建具。
今やユニット建具全盛と思います。
ユニット建具の魅力は、お客様にとってはオーダーメイドで作ると高額となる建具が、気に入ったデザインがあればお手頃価格で手に入る事。
施工者から見れば、大工が取り付ける事で完了するので、工期短縮や工種削減、コストの削減も期待できます。

 その一方で、部品の問題が発生します。
ユニット建具の場合、その丁番は取付条件に対応できるように、様々な方向に調整できるものが採用されています。
調整できるという事は、勝手に動いて調整が狂うという事も言えますし、従来の丁番に比べ動く部分も多いので壊れやすいという点があります。
そこにはユニット建具の重量がかなり大きいというのも関係しています。
壊れた時点で、メーカーが交換用の部品を用意してあれば良いですが、モデルチェンジと共に全く異なった部品になってしまっているケースもあります。
丁番メーカーが建具メーカーに部品を供給している場合は、同じものを見つける事も出来る可能性は大きいですが、それも丁番メーカーが製造を続けていればの話。
また、オリジナルの丁番となると交換が困難になり、枠毎全部替える、建具を建具職人に作らせるという事も考えられなくもありません。
従来の簡単な構造の丁番であれば、同じようなものは簡単に手に入るので、丁番が入手困難なんてことはまずありません。
同じ建具をずっと、使い続ける事が出来るのです。

 10年先、20年先、30年先・・という事を考えると、なかなか新しい技術や製品を採用に踏み切るの事は難しいのです、心情的に。

 製造メーカー、開発メーカーが長く存続していてくれれば、良いのですがそうでもないケースが結構あります。
壊れたりしたら修理不能で即交換。

 仕方のない事と言えば、そうなのかもしれません。
物は壊れるのが当たり前。
しかし、出来るならば信頼性の高い物を採用したいと考えてしまします。

 そういう観点から考えると、建具は建具職人に作らせるのがベストだと考えています。
そうなると枠は無垢材か集成材で、MDFの採用は見送ります。
MDFの場合、ビスの保持力に疑問がある上、一度ビスが抜けてしまうと直す事は出来ませんが、無垢だったリ集成材の場合は、穴を細い木材で埋める事で直す事が出来てしまいます。
思い建具も安心して吊る事が出来るのです。
コストを考えれば、戸はフラッシュ戸。
フラッシュ戸とは、木材の骨組みに合板などの薄い板を圧着して作った中空の軽量の建具の事です。
圧着する板はシナ合板を現場で塗装したり、MDFの板に木目を印刷した化粧シートを貼った板を使ったりします。
薄くても無垢のシナ合板をお薦めしています。
他にも様々な薄い木を貼ったものもありますが、コストが跳ね上がります。

 また、建具職人に建具を作らせると枠の納まりが変わってきます。
文章で説明するのは難しいのですが、簡単に言うと線を減らしてスッキリと納める事が出来るのです。
3尺廊下にドアを付ける場合、ユニット建具では建枠のどちらかに少し壁が出来ますが、建具を作らせる場合は、柱にケーシングなしで縦枠を直接取り付けても納められますし、石膏ボードを張ってから取り付ける事も出来ます。
どちらの場合も建枠はケーシング無、上枠はケーシング有で納めています。
ケーシングは豪華に見えますが線が増える為、くどくなり易いので場所によっては無い方が綺麗に納まったりします。

ウッドショックと雨。

5月も半ば頃からスッキリしない天気が続いています。
3月から行っていた内装工事もようやく目途がつき、次の現場に入りました。
増築+内装リフォーム工事。
木工事が絡まない戸建ての解体や、土地の造成工事も進んでいるのでそちらにも顔を出しながら、工事依頼の現場調査も行いつつ・・・。

 少し前から海外のどこかの海峡で積み荷を降ろせない貨物船が大量に停留していて、世界的にコンテナも貨物船も不足しているというニュース映像を見かけました。

『大変だな』

 と、そんな他人事の感想を抱いて眺めていましたが、にわかに『ウッドショック』というキーワードが業界から聞こえ始め、構造材の不足から新築工事が止まり、少し前までは忙しくてこちらの工事を捻じ込むのが大変だった基礎工事担当業者が、それらの工事が延期になったと聞きました。
おかげで予定よりも早く(早すぎ?)に増築工事の基礎工事を無事に行う事が出来ましたが、構造材の心配も同時に起こり材木店に問い合わせると、『三五梁なら大丈夫かな。他のお客さんが新築するというので探した四寸梁は揃わなかったんですよ。』と。

 内装工事に取り組んでいた間に、大変な事態になっていた物だと感じましたが、とりあえずの材料は確保できたので今しばらくは大丈夫かなと思います。

 材料は手に入りましたが、次に問題は天気。
既存の屋根と繋ぐのであまり雨が続くようでは、着工に二の足を踏みます。
内部の工事もあるので、様子を見ながらとなりますね。

 構造材の墨付け・刻みを行いますので、その作業もありますし。
出来るところから攻めていこうと思います。

4月を過ぎて5月。

気が付くと、5月。
1年の1/3が過ぎ去ってしまいました。
コロナ禍の中、業務への目立った影響は無く、そこそこに忙しくさせていただいています。

 歳を取ると時間の経過が早くなるというのは本当のようです。

 個々の所、現場作業を中心に動いていまして、デスクワークがやや停滞気味です。
通常ですと、現場作業がひと段落つくとデスクワークの時間がしばらく取れるのですが、昨年あたりから現場作業が多くなっています。

 現場作業を終えて帰宅すると、どうしてもアルコールを欲してしまいます。
ビール1本くらいなら大して影響はないですが、疲労度によってはもっともっとと体が求めます。
アルコールを飲めない人って良いなって思う事しばしばです。

 アルコールを摂取しても起きていればデスクワークも出来るのですが、そこには数々の罠が潜んでいます。
ついつい飲み過ぎたり、子供と一緒に寝てしまったり、やる気が出なかったり。

 なんとかデスクワークを始めると25時近くまで頑張ったりする事もありますが、朝食を作る担当の為、5時半には起床しなければなりません。
就寝時間の理想は22~23時ですから、何日も続けると日中に影響が出てきます。
昼寝である程度の回復は図れますが、気を失いかける事もあります。

 このGWは現場の都合で4連休を取りました。
3日目に異常に眠くなり、良く寝ていました。
4日目はスッキリ!

 寝貯めは出来ないと言いますが、睡眠負債は返済できるのですね。
改めて実感しました。

 アルコールを摂取せず、毎日すこしずつこつこつとデスクワークをすれば良いだけの話なのと、ちょっと忙しいという内容のブログでした。

プロフィール

埼玉県鴻巣市で創業40年。 地域に根差し、お客様にとって最適な工事を提供出来るよう心掛けています。

HN:
加藤茂貴
性別:
男性
趣味:
コンガ、ジャンベ等パーカッション演奏
自己紹介:
会社名称:
 有限会社 カトウ工務店
 (1級建築士事務所併設)
所在:
 埼玉県鴻巣市松原1-20-10
tel/fax:
 048-541-1014 / 541-1017

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