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Q-1住宅 / 有限会社 カトウ工務店

地元に根差して40年。高断熱住宅Q-1.0住宅(キューワン住宅)の設計、施工。 翌朝も暖かな家づくりをしています。

一般社団法人とは。

みなさんのお宅に『太陽光パネルを無料で載せられます』とか、『屋根の無料点検』や、『畳表の交換』等様々な勧誘がある様に、弊社のような会社にも電話による勧誘というのはあります。


 先日かかってきた電話は、いやに『一般社団法人』を強調する『一般社団法人 〇〇協会』という団体でした。
先日NHKでしたか、放送されて注目を浴びた『火災保険を利用』して住宅の屋根の修繕をしたいお客様と業者を繋げる役割をしている団体と同じような仕事をしている団体のようです。
同一の団体ではないようですが、この地域で対応できる業者がいないので無料説明会に参加しませんかという内容でした。


 そういえば、一般社団法人というのは一体何なのだろう。

漠然と、非営利で活動する会社なのかなと。
大抵『協会』と名乗っていて、『株式会社』とか『有限会社』なんて物はついていません。
もっとも、その代わりが『一般社団法人』ですからね。
ボランティア的な、何か?

 という事で、調べてみる事にしました。
そうすると、全くの勘違いである事に気付かされたのでした。


 まず、『一般社団法人』という名称を分解して、その意味を探っていきます。


『社団』とは。

 ある目的の為に集まった人の集まりのことです。



『法人』とは。

 これはちょっと難しいのですけど、民法上の『人』というのは、生まれながらにして『権利と義務』を負う事が出来るのですね。この『権利と義務』を負う事を認められた団体を、『法人』というそうです。
『人』が付くのは、法律上の『人』として扱うからという事みたいです。『法人格』という言葉もありますが、格付けの格かと思ったら、『人格』でした。

 この権利と義務、わかりやすい例で言うと、『契約』を結べるかどうかという事のようです。

 どういうことかというと、例えば、子供に『お小遣いをあげるから、お買物をしてきて』と依頼します。
子供が『うん、いいよ』と言えば、契約は成立します。
この時、親には子に対し『お買物をしてきて』もらう権利が生まれ、同時に『お小遣いをあげる』義務を負います。
反対に、子は『お小遣いをもらう』権利が生まれ、同時に『お買物をしてくる』という義務が発生するのです。



『社団法人』とは。

 社団 + 法人 なので、契約を結べる人の集まりという事になりますね。



 ではこれに普通を意味する『一般』が付くとどうなるかですね。
これは、一般社団・財団法人法という法律に基づく名称です。



『一般社団法人』とは。

 営利を目的としない非営利法人です。

会社のように営利を目的とするのは営利法人です。


 非営利法人でも、行う仕事は、営利法人同様になんでも自由に出来ますから、表向きは会社と変わりません。


『営利、非営利』とは。

 非営利であろうと利益を追求することには問題がなく、発生した利益を、出資者(社団の社員)で分けない事を、非営利というそうです。

営利法人の会社であれば、株主に配当しますがこれをしないのが、非営利法人なのです。
 

 発生した利益は、会社と同じ営業活動の資金になったり、役員の報酬になったりします。
配当はないけども、出資者の社員から選出された理事になれば、役員報酬は受け取れます。


役員の報酬。


日産の元役員のゴーンさんの役員報酬は、破格でしたね。
 ちなみに、労働力を提供する社員に賃金は支払われます。



 結果、『一般社団法人』を妙に強調するような団体は、信用ならないのかなという印象です。

会社と何ら変わりはないのに、違いがあるかのように振る舞っているのですから。



 さて、一般社団法人が、なぜにボランティア的なイメージを持たれるのかというと、『社団法人』という名称は、かつて民法上の『公益法人』で営利を目的としないものだったのです。
この『公益法人』というイメージがずっと、いまも残っているのでしょう。
 また、NPO法人(特定非営利活動法人)のイメージも強いものと思います。
こちらは、一般社団法人とは別の法律で定義されており、法律にも『公益』『非営利』と定められていて、活動内容も制限があります。
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大雨。

弊社の作業場は、鴻巣市上谷にあります。
太平団地の向かいなのですが、この辺りの地域はもともと湿地帯というますか、当時の事を知っている方に聞いたところ、『ドブっ田』だったそうです。
腰までつかってしまうような田んぼだったとか。
 まぁ、そもそも地名からして、上『谷』ですから低いことは想像できますし、実際低いのです。

 

 先日の大雨で目の前の道路が冠水して、作業場前にもどこまで水が来たかを物語る跡がありました。
もともと低いので、水路もすぐそこですから激しめの夕立が来るとすぐに冠水する道路ですが、ここまで上がってきたのは、久しぶりです。
 とりあえず、先代の判断で盛り土してから作業場を建てましたから、作業場が浸水したことはありません。

 この一帯、地下水位は高いのでしょう。
向かいの太平団地も盛り土をして、60cm位道路から高くしてありますが、床下の湿気はかなりのものです。
シロアリ被害も結構多い地域だったりします。
 土地を探す時には、雨の時も見るというのは正解と思います。

説明をするという事。

熱貫流率や熱伝導率のお話を書いてきましたが、結局のところ室内で大切なのは床・壁・天井の表面温度をいかに高く保つかという事だと、なんとなくわかっていただけましたでしょうか。

 専門的な理屈を伝えようとした時に、難しい専門用語等を使うと難しくなってしまい、結局伝わらないという事はよくある事です。
どうにかして上手く伝えられないかと、簡単な言葉を探すのですが、私の理解もまだまだ浅く、こんな内容の記事を書こうとした時に、運転中など、どんなふうに説明すればよいかと考えますが、なかなか簡単で適当な言葉が見つかりません。
また、これを説明するにはこれを説明しなければと、ついつい細かな部分まで話をしてしまったりするのが良くないとは思うのですが、より正確な情報提供をと思うとそういった事態にハマってしまいます。

 分からない人に分かる人が(特に専門的分野の)物事を説明すると、上手く理解してもらえない事が多いと聞きますし、実感しています。
というのは、分かる人はその分野の基本的な事は当たり前のことと思っていて、なおかつ相手も分かっているという前提で説明をしてしまいがちですから。
その結果、相手は基本的な部分も分かっていないのにその上の話など分かるはずもなく、結局なにも分からないとなります。

 そういった、人に何かを説明する機会が公私共に増えてきて、最近なるほどなと思うのは、その分野の基本的な部分が分かっていない人に説明する人は、専門的な知識のない人の方が良いというのです。
つまりは、基本的な部分を分からない事を分かる人が説明した方が、分かってもらえるという事です。
経験者は語る、といった感じでしょうか。

 人に物事を説明するには説明する側も、その物事に対して深い理解が必要であると同時に、説明を受ける側をも理解しないといけないなと思います。


ふるい。

先日、とある事情でとある方にお借りした『篩(ふるい)』。
結構、酷使しましたら張ってある金網に穴が開いてしまいましたので、金網を交換しようとしたら枠が割れてしまったので、金属部品以外を新調しました。

 見本が無く、使った事もなくて作るとしたら、恐らくもっと板厚を厚く取り、木材も耐久性を考えると桧を使う事を考えるでしょうが、杉で作るのが正解だと今なら分かります。
杉は柔らかいですが、桧よりも軽く作る事が出来ます。
それでも流石に、貫材の14mm x 90mm程度のものではスカスカなので、もう少し目の詰まった物を探して加工しました。
作業に使う道具ですから、それも繰り返し繰り返しふるうものですから、軽い方が体の負担が軽減します。
 持ち手の部分も同じ形に仕上げました。
手前の端っこが太くなっていて、軽く握っていれば手から抜けてしまわないようになっています。
握る部分の手前の小指側が僅かに細くなっているのは、手の形を意識してのことなのでしょう。
 細かく見ると考えてあるなと感心しますが、良くある話として、作った当の本人はそんな意図が無かったりします。
あとからそれを見た人たちが、勝手に解釈する。
芸術作品とかそういったものにあるのじゃないでしょうか。
音楽にもあるかと思います。
 そんな事もありますが、とりあえず今回は考えられていると信じて、なるほど、と思った次第です。


とんとんとんとん!

近所で中堅ビルダーが新築工事を行っています。
先週末に上棟式して、今日はどうやら屋根屋さんが下葺き材を葺いているようで、タッカーの施工音が響き渡っています。

『とんとんとんとんとんとんとんとんとんとん!』と、 250bpmで小気味良く聞こえます。

 下葺き材(一般的なのはアスファルトルーフィング)を野地板に施工するには、タッカー(ホチキスの大きいやつ)を使ってステープルで留め付けます。
下葺き材は、屋根の二次防水の材料です。
仕上げの屋根材(瓦、コロニアル、金属板等)を越えて侵入した雨水を屋内に入れないように、野地板の上で防ぐ役割のある材料です。
その大切な材料を留め付けるのに、小さいですがステープルで穴を開けて施工しているという事を理解しないといけません。

 アスファルトは、シール性に優れています。
要するに留め付けたステープルの穴は、熱によってアスファルトが溶ける事で密着し、水を通さないというわけです。
熱は、タッカーの施工時もありますし、屋根施工後の太陽熱によってもあります。

『いずれにしても塞がるから良いんだよ!』

と、言われるかもしれません。
その通りなんですが、でも、穴を開けないで済むのなら開けない方が良いに決まっています。
アスファルトルーフィングの様に、長年使用されているスタンダードな材料の施工方法ってのは結構いい加減だったりします。
というか、少なくとも私はきちんと教わらなかったですから、私もかつては250bpmで連打していた口ですし、それが当たり前でした。

『仕事は見て覚える』というスタンスなのが多くの職人でしたから、目に見える目立つ部分の技術(例えば、木部の留め部分の擦り付け方とか)の伝承は行われても、効果が今一つ実感できない事は教える方も理屈が分からないと上手く伝承されないのでしょうし、メーカーのHPにも施工方法がないところを見ると施工方法自体、言及されて来なかったのでしょう。

 本来そういった部分の施工はとても大切なんですが、疎かにされやすいのです。
見えなくなってしまうし、問題が出て初めて分かる部分で、必ず問題が出る訳でもないので。

 このステープルの施工方法は、とある仕様書に明記されています。
それは、『住宅金融支援機構』の仕様書です。
この仕様書に対応しないものは、『欠陥住宅』と言えるかもしれません。
それほど現在の住宅の仕様の基本となる重要な仕様書なのです。

 これによると、ステープルはルーフィングの重ね合わせた部分に大凡300mm間隔で打つべしとあります。
また、あとは適宜、施工と。
 要は、アスファルトルーフィングが重なっている部分以外には打つな!という事なのです。

 そういう事なのです。
300mmの間隔を250bpmの連打は、かなりの速さで移動しなければなりません。
事故が起きなければ良いなと思っています。

 でも、重なる下のルーフィングには、弊社では150mm程度で留め付けますから、きっと重なる下の部分の施工なのでしょう。

プロフィール

埼玉県鴻巣市で創業40年。 地域に根差し、お客様にとって最適な工事を提供出来るよう心掛けています。

HN:
加藤茂貴
性別:
男性
趣味:
コンガ、ジャンベ等パーカッション演奏
自己紹介:
会社名称:
 有限会社 カトウ工務店
 (1級建築士事務所併設)
所在:
 埼玉県鴻巣市松原1-20-10
tel/fax:
 048-541-1014 / 541-1017

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