忍者ブログ

Q-1住宅 / 有限会社 カトウ工務店

地元に根差して40年。高断熱住宅Q-1.0住宅(キューワン住宅)の設計、施工。 翌朝も暖かな家づくりをしています。

加湿器。

太平洋側の冬は乾燥に見舞われます。

 室内の気温を上昇させると、湿度は下がってしまいます。
これは、空気の中に蓄えられる水分の量は、気温が高いと多くなり、低いと少なくなるからです。

 灯油を燃やす暖房器具(ファンヒーターやストーブ)は、水蒸気も発生しますが、それでも乾燥します。
更に、エアコンでの暖房になると水蒸気は発生しないので、より一層、乾燥が進みます。

 高断熱住宅が乾燥し易いというのは、そういう理由なのです。
室内で灯油は燃やせませんから。

 全熱交換換気扇を使って、室内の水蒸気を屋外に捨てないようにしても、やはり乾燥気味です。

 そこで、加湿を考えます。


 まずは、電気を使う加湿器です。
色々なタイプがありますが、省エネ的にはマイナスなんです。
結構エネルギーを使います。

 では、自然に蒸発するタイプの加湿器を考えます。
卓上タイプの物が多く、加湿としては控えめで大きな効果は感じにくいかもしれません。
この方法に似たやり方で、室内に濡れタオルをぶら下げるという方法を、やったという方もいると思います。

 もっと、大量に加湿をしたい。

 エネルギーを使わずに。


 そこで、考えます。
水を使う場所では、自然と加湿されるだろうと。

 まずは、浴室。
 入浴中、湯気で曇っていたらそれは湿度100%ですよ。
空気中の水分が満タンで、取り込めないので空気中に水として漂っていますから。
この水分を使えないかと。

 流石に入浴中にドアを前回にする訳にはいかないですから、入浴後、窓は開けずにドアを開けて室内に水蒸気を・・。

 でも、実際はドアを開けただけだと、なかなか家の中全体は潤わないのです。
出口と入口があって、更に気空気の流れがないといけません。
なかなか、浴室と室内が繋がっているというお宅は無いのではないでしょうか。
また、高断熱住宅であれば浴室も暖かいので問題になりませんが、そうでない住宅では浴室は大抵寒いですから、室内も寒くなってしまいます。

 他に方法は?

 濡れタオル。

 これ、使えますよね。
1枚じゃなくて、洗濯物を室内に干してしまうのです。
夏場の室内干しは、生乾きで臭いが出易いですが、冬場の室内干しは良く乾きます。

 寒い我が家では、リビングの乾燥を抑えたいという事で、リビングに洗濯物を少し干そうと言う事になりました。
 方法を色々考えてたどり着いたのが、川口技研から販売されているホスクリーンのシリーズにある、昇降式の物干しです。

 昇降式と言うと、電動タイプと思い込んでいたのですが、ホスクリーンは手動式で電気配線が必要なく、強度のある下地さえ見つけられれば、簡単に取り付けられます。
 洗濯物はズボンは避けて丈の短い物を引掛けて、天井近くに上げてしまえば、邪魔になりにくいです。
また、干さないときは天井にありますから、気になりません。

 長さは2種類あり、販売価格が2万円弱とやや高いかなと感じるかもしれませんが、室内の乾燥も和らぎ、良い投資だと思います。

高気密であれば、もっと効果てきめんなのになと思いますが。


 蛇足です。

 
 夏の湿度の高い時期、室内干しをする際、暖房をして洗濯物を乾かそうとする方がいると思いますが、空気中の水分を取り除かないと洗濯物は乾きません。
高断熱住宅であれば、全館冷房でエアコンが除湿をするので問題ないですが、そうでない住宅では、除湿器を使うのが良いと思います。
 締め切った部屋で空気中の水分を回収して、乾燥空気を洗濯物に吹きかけて乾かす事が出来ます。
そういう家電が販売されているのです、私も昨年の梅雨頃に知りました。
PR

省エネな住宅を再度考えてみる。

省エネの住宅を求めるように政策がなっているのは、地球温暖化の進行スピードを鈍らせる為。
2050年までに排出する温室効果ガスを、実質0にするゾと、世界に約束したので、より一層省エネ住宅を求めていく事になります。


 それで、省エネ法がどんどん強化されて、今年の4月以降は小規模な住宅でも、建てる住宅が省エネであるかないか、そうでない場合はどうすれば省エネになるかという事を説明する事になりました。
これにより、省エネ住宅が増えていく事が期待されています。


 弊社も高断熱高気密住宅に取り組み、省エネ法の基準を大きく上回るQ-1.0住宅の建築をしています。


 しかし、省エネ住宅とは、生活をするの際に消費するエネルギーを減らす、ランニングコストを抑えられる高気密高断熱であれば良いのか?


 そんなことも考えていかないといけないなと、つくづく思っています。
 地球環境の事にそれ程興味が無くても、ランニングコスト(光熱費、修繕費等)を抑えるという事であれば、しっくりくると思います。


 住宅はいろいろな部品によって作られています。
この部品は、それぞれの原料を加工して作られますが、その加工する時にもエネルギーを消費します。

 その部品が出来るまでに消費されるエネルギーや、解体して処分する際のエネルギー、更新サイクルなど、いろいろな事を考えると、天然素材を使うと言うのは省エネなのだなと改めて思います。

 木と言う素材は、英語で言うと"made of"なんですよね。
樹木とか製材とか角材とか板材とか、多少形が変わったところで、みんな”木”であることは変わらないのです。

コンクリート(セメント)や、鉄は、原材料に熱を加えて溶かしたり、化学変化をさせたりする素材で、英語で言うと"made from"なんです。
石灰石とセメントは、全く違うものですよね。
鉄鉱石と鉄骨材も、違います。
途中の過程があって変化をしている材料なのです。

 made fromの材料は、その過程でmade ofの材料よりも多くのエネルギーを使います。
極端な話、木は、切り出したままでも柱にも梁にも使えますが、石灰石や鉄鉱石はそのままでは何にも使えません。
そういう事も考えると、木造と言うものは、そもそも省エネな建物なんです。


 もっと、省エネな住宅にしたい。


 木造住宅一筋ですから、今更他の構造の住宅を作る気はないですが、木造でもっと省エネには出来ないかと。

 例えば、外壁材。
現在は窯業系サイディングが、花盛りで多くの住宅で採用されています。
窯業系サイディングはセメント製品です。
オートクレープという高圧、高温、高湿の釜で養生する事で強固に結晶化させて薄くても丈夫な板にしています。
それでも、再塗装やシール部分のサイクルは10年程度です。
最近は、メーカーでももっと商品寿命の長いものを作っていますが、シール部分が問題になる事が多いですね。
こちらも長寿命のものがあるのですが、従来の物で施工されてしまったら折角外壁材は長寿命のものなのに、シールの寿命でメンテナンスのサイクルが決まってしまいます。

 もし、木の板で外壁を作ったらより省エネになるに決まっています。
耐久年数も(外壁としての性能を保持しているという意味で)十分にありますし、材料がないなんて事はありませんし、交換するコストも抑えられるでしょう。


 あ、外壁としての性能をうんたらって、コロニアルの再塗装をKMEWが推奨しない理由と一緒ですね。
メーカーとしては永らく再塗装は必要ないという立場なのですよ、塗装が剥がれても屋根材としての性能は劣化しないという理由で。
現在はどういう考えか分かりませんが、数年前は『再塗装はしなくても大丈夫です。それでも再塗装したいというご要望が多い為、弊社でも再塗装用の塗料を用意しました』というスタンスになったんだと思われる記述がありました。
それ以前は塗料の用意も、推奨する塗料メーカーの塗料も無かったんです。
 私は、コロニアルの塗装が剥げると、コケが生えて、味があるとかそういうレベルではない、ただただ『みすぼらしい』と思うので、メーカーの考えを伝えた上で、やはり再塗装をお薦めしていました。

『見た目も性能の内だ』という事で。

 それなのに、似たようなケースで味があると言って、表面の変化を肯定するという立場になった事は少し居心地の悪い思いですが、木材は、削れば綺麗ですが変化していくのが当たり前の材料です。
最初の状態が、その材料の本来の姿であるわけではないのです。
木は、変化・変色して初めて本来の姿になるという材料なのだと考えています。
それが、工業製品が台頭して表面の変化がない事が当たり前になってしまって、変化する事が許せなくなってしまった、そう感じています。
これも、made ofの材料と、made fromの材料の違いなのでしょう。


 はい、戻ります。


 例えば、内装材。
床も壁も天井も、全部無垢の板にしてしまえば。
それも国産材を積極利用したい。
無垢の木材は、再加工していろいろなところに使いまわす事ができて、捨てる部分を減らす事が出来ます。
この辺は、made ofな材料の強みです。
例えば、床に使った材料が余ったので、収納の棚とか背板とか、壁のアクセントに使うとか。

 また、加工の際、出てくるおがくずや木っ端も単純に燃やして処分するだけだは無く、弊社では地域の方に無料で提供しています。
木っ端はDIYや燃料として、おがくずは畑と土と混ぜたり、肥料と混ぜたりして使うそうです。

 そういえば、先日、竹に浸食された耕作放棄の山で、白子タケノコ(現代農業のHPに記事があります)というおいしいタケノコを栽培している方の話がTVで紹介されていた。
不要な竹を伐採してチップにし、その場に敷均しすことで、地上に出る前のタケノコを大きく育てる事が出来るという話。
1年目は竹チップと共に窒素を添加していたものが、3年目ともなると竹チップの中にカブトムシの幼虫がいて耕し、糞を出して窒素を供給するようになり、自然に循環するような環境になってきているといいます。
それとこれとは違うかもしれませんが、土と混ぜ合わせれば、良い土壌になるのでしょうね。
昨年度は神社の加工で、本当に大量のおがくずが出ましたが全て焼却処分場に持ち込むことなく、地域の方々に引き取っていただきました。
 因みに、弊社では注入材を使う事はとても稀ですし、使っても小さな増築等の土台暗いですので、おがくずも多く出ませんし、混入しないようにしています。
 添加物不使用(という事になると思います)のおがくずですので安心して畑に入れる事が出来ると思います。

 さて、続きです。
シート貼りの造作材では、そういう訳にはいきません。
シート材の枠とか、床(突板も含む)とか。
築年数が進むと、浴室の出入口とか、窓枠の下の方とか端の方で浮いて剥がれてしまったり、床材も直射日光が良く当たる南側で表面があれて、剥がれてしまったり。
見掛ると残念な気持ちになってしまうのです。
これを直すとなると、枠ごて交換するか、カバー工法に頼る事になります。
床に至っては、上に重ねるか、リペア職人にお願いする事も出来ますが費用がややかかります。
 一方木材であれば、腐れが出ていなければ表面を研磨して再塗装で処置する事が出来ます。

 木材は耐火、防火性能の兼ね合いで採用できない場合もありますが、採用できる部分には積極的に採用したいものです。

仕事を納めます。

今年はとにかく新型コロナの年でした。
年明けしばらくして、中国で発生しロックダウンという衝撃的な施策が行われました。
それで、収束するのかなと他人事でしたが、やがて世界の各国に感染者が出て日本にも出ました。
ダイヤモンド号の一軒も衝撃的でした。

 これを機に建築の様々寸法や規定が変わるのだろうなと考えています。
特に商業施設については、㎡当たりの座席数は変わります、まず間違いなく。
それに伴い、今までとは違うデザインが生まれることでしょう。

 もしかしたら必要とされる換気量というのも見直されるかもしれません。
換気は省エネを考える時に重要な要因になりますから、今後は吸排気とも機械で行う第1種換気でさらに熱交換式の換気扇の採用が推奨されるようになるのでしょう。
そうなると、断熱性能の向上は当然のことながら、気密性能も要求されるようになります。
気密性能はC値で表されます。
これは、延べ床面積1㎡当たりにどれだけの隙間があるかを表すものですが、これが1.0cm2/m2以下にならないと第1種換気の意味はないからです。
それもできれば0,5cm2/m2以下にしたいところなのですが、そのためには現場の職人の正しい知識と技術が要求されます。
この点は大手、中堅のメーカーよりも地場の意識の高い工務店に軍配が上がります。
少ない棟数をこなしていますから、職人の人数は少なくて済みます。
それは、意識の高い職人を必要人数確保し易いという事が言えるのです。
同時に、メーカーの開発室でマニュアル化された施工方法をこなすのとは違い、工務店を職人が考えを持ち寄りより良い施工方法を生み出すことにも役立つのです。

 高断熱高気密住宅のジャンルで大手メーカーのトップでも、C値は0.59でしかないのです。
それでもとても頑張ったと思います。
様々な職人がいる大手でこの数値はある意味驚きではあるのです。
C値2.0なんてメーカーも当たり前にあるようですから。

 と、話がそれました。

 求められる換気量が変わると第1種換気が推奨されるという意図は、一般的な自然給気で機械で排気する第3種換気は汚染された室内の空気を排出するとともに、熱を捨ててしまうのです。
その割合は現在でもかなりのものなのですが、これがさらに増えるとなると益々省エネから遠ざかってしまいます。
そう考えると、高気密にして計画通りの換気経路を確保して、第1種換気、全熱交換を採用し熱を無駄に捨てないというのが今後のスタンダードになっていくのだろうと思います。

 弊社の今年は、事務所の改修工事と神社の改修工事がメインとなり、新型コロナの影響はほぼ受けずに済みましたが、裏を返せば、一般のお客様の仕事が例年よりも少なかった感はあります。
それでも、会社のある鴻巣市の近隣市町村を営業範囲で運営していますから、新規のお客様もそれほど警戒されることもなく、お付き合いのあるお客様からもお仕事をいただきそこそこに忙しくさせていただきました。

 ありがとうございます。

 今後も感染対策を施しながら、地元に密着していきますので、御用の際にはお気軽にお声がけいただきますようお願いいたします。

 ちなみに、仕事納めは、現場は本日28日でした。
29日と30日は作業場と倉庫の片づけをしようと思っています。

 それでは、よいお年をお迎えください。
来年もよろしくお願いいたします。

工作機械の相次ぐトラブル。

私が仕事を始めてから更新されずに使っている機械は多くあります。
その機械たちが最近、続々とトラブっています。

 初めは、自動かんな盤という木材の厚みを決める機械のVベルトの破断です。
Vベルトはモーターを、刃の付いた回転するドラムをつなぐ、とても重要な部品です。
2本あって、その1本が破断してしまいました。
残された1本でも動くのですが、こちらも結構伸びてしまっているので、2本とも交換。

 次は、超仕上げカンナというカンナ仕上げをする機械です。
この機会は、ペダルの操作で入れる材料の高さをざっと合わせ、材料の入り口にあるセンサーで適切な高さに調整しますが、このセンサが効かずに一杯に下がりきってしまいました。
その際に材料を挟み込んでしまったので、上部の材料を送るベルトが入った部分のカバーが変形してしまいました。
こちらは購入した道具屋に修理をしてもらいました。

 次は、作業場で使う配電盤にあるコンデンサの爆発です。
これを変えた記憶はないので、30年以上もそのまま使っていました。
作業場を使わない時には、動力のブレーカは落としてあったので、こんなにも長い期間使えた(?)のでしょうか。
とにかく、作業をしていたら突然『パン』という乾いた音が(なにか拳銃の発泡事件で聴くような表現ですが)して配電盤の方をみると、ゆったりと白い煙が広がっていました。
不気味に、ゆったりと。
すぐにブレーカを落として事なきを得ました。
電気屋さんにこの際、すべてのコンデンサの交換を、してもらいました。

 次は、機械の刃物を研ぐ研磨機のポンプの故障です。
回転はするのですが、すごい音がして大した圧力がかからなくなっていました。
こうなる直前に羽が(錆て)回らなくなっていたので、突いたりしていたので羽が欠けたものと思われます。
この機械が壊れると、頻繁に刃を交換する機械が使えなくなります。
超仕上げを使う際の故障だった為に、久しぶりに手でカンナを掛ける事になりました。
とても久しぶりに(ある程度の巾のある材料を)削ると楽しくて仕方ありません。
また、きれいに仕上がるのでなおさらです。
前出の道具屋さんに交換してもらいました。

 帯鋸という手鋸(通常の手で挽くのこぎり)を伸ばしてリング状にしたものを回転させて木材を挽く機械です.
この機械は起動時には低回転用の回路で動き、ある程度回転数があがると高回転用の回路に切り替わります。
この切り替えを手動でやるものもあるようですが、弊社のものは自動で『グン』という音と共に切り替わる仕様です。
しかし、それが切り替わらずに低速回転の回路で動いています。
低回転用の回路でも挽く事は出来るので、困る事は一応ありませんが、将来硬くて太い木材を引く事になると困るかなと。
力は弱いので。
因みに、この機械を制作したメーカーは既になく、部品(特に電装)の交換は出来ないと道具屋に言われています。
探せば直せる人はいると思いますが。

 こう見てくると、壊れていない機械が他に何台かありますが、どれも今回故障した機械よりも古いものばかりです。
古いものの方が耐久性が優れている(悪く言うと過剰な設計。良く言うと良心的な設計。)と実感する日々です。

 そう考えながら、近年の家電を考えると、大凡10年程度が寿命と感じます。
しかも、その寿命は能力が落ちても使えるという事ではなくて、壊れるという寿命です。
壊れてくれないと買換えが行われずメーカーは窮地に陥ってしまいますから、仕方がないのかもしれません。

 住宅業界で言えば、外装のメンテナンスのサイクルですね。
現在は窯業系サイディングを採用するケースが圧倒的に多いですが、サイディング表面の耐久性が高くなった物もありますが、ジョイントや窓回りに施工されるコーキングの耐久年数がいまもまだ10年持たないとか言われます。
その為、10年前後の塗替えが推奨されますが、これはかなりの負担になると思います。

そこでちょっと注目しているのは、木材の外壁材。

 杉の外壁材は昔から使われています。
色が黒くなって、『古いなぁ』という印象を抱く事もありますが、よくよく考えてみればそうなるまで何年経過しているのでしょうか。
大抵の場合はなんのメンテナンスも施していない筈です。

と、木工機械からかなり脱線してしまいました。
それでも、直せれば業務用の機械は長く使えますから、まだなだ現役で頑張ってもらいます。

欄間。

長い梅雨が明けたらそこには、酷暑な夏が待っていました。


 毎年、高断熱ではない自宅で快適に過ごすために、少しずつ手を加えてきましたが、こうも熱くなってしまっては、思い切った手段を用いないと難しいなと思っています。

 そうなのです。

 じつは、高断熱のQ-1.0住宅に取り組んでいながら、自宅は旧来の断熱性のは低く、隙間の多い住まいなのです。
Q-1.0住宅に住めるお客様を恨めしく思いながら、早く、Q1.0-住宅に住み替えたいと思っています。
その反面、旧来の住宅に手を加えて環境を改善することもまた、様々な気づきがあり大切だと思っています。
いや、負け惜しみじゃないですよ、本当にw。


 思い切って手を加えたいなと思っているのは、天井付近の開口部。

 所謂、『欄間【らんま】』です。

 昔の日本の家屋には必ずついていました。
透かし彫りの彫刻や、細かな組子細工をはめ込んだ、天井付近の開口部。

 広縁の外部のガラス障子の上部にも、開閉可能なガラス障子が嵌っていたりします。

 この部分は、室内の熱い空気を屋外に排出する役割を担っていました。
欄間は軒天近くにあり、強い風を伴う雨でなければ吹き込まれることも少なく、開け放して置くことも出来ます。
 現在の建物ですと、ランマ付のサッシとすることは殆んどなくなってしまいましたし、部屋の出入口の上に開口部が付く事も少なくなってきました。
 無くなってしまったのは、サッシの断熱性の問題で冬に寒いという理由と、プライバシーの確保という理由と、予算が上げられるでしょうか。

 冬の事を考えると本来は開閉できるタイプのランマにするべきなのですが、恐らく、部屋同士の間に用いられていた彫刻や緻密な格子が、縁側や廊下側にも採用される事により飾りとして扱われることが多くなり、本来の役割が忘れられてしまった事により、『音は漏れるし、冬は寒い』という記憶だけがランマの印象として残ったのでしょう。
もちろん、和室が減ってしまった為、和室と共に採用されることが無くなってしまったという事も言えます。


 さてさて、我が家も欄間がどこにもない住まいです。
かつてはあったのですが、リフォームの際に和室から洋間、それもキッチンに変えたので塞いでしまったという背景があります。


 我が家も夏の日差しで熱せられた瓦屋根により、小屋裏は高温になります。
高性能グラスウール16k 200mm厚を敷き詰めた我が家でも、小屋裏換気がうまく機能していないという事もあり、天井からの輻射熱を感じます。
もしも、外壁のサッシに欄間がついて、各部屋の出入口上部にも開口部がついて空気が流れるように換気経路ができていれば、天井付近の熱い空気は外部に効率よく排出されるでしょう。
それに、空気が流れる事で天井面の温度が多少は下がるはず。

 換気経路を確保するために、室内の出入り口の上に開口部をつけることは、難しくはないのです。
見た目を気にしなければ単純に穴をあけて、冬季に塞げれば事は済みます。
我が家では、5か所必要になります。

 外気との換気は、自然換気であれば、それなりの面積が必要で、サッシを取り付けることになると思いますが、下地を作るためには大きく外壁を開口する必要があります。
設置個所は、各居室と廊下で、我が家では最低4か所。
後付けのサッシは、雨漏りのリスクが大きいので考え物です。
方位によっては余計な日射が増えるという難点もあります。

 現在義務付けられている24時間換気を参考に機械換気を導入するならば、換気経路を明確にし、パイプファンを1か所設置する事で十分ですから、それほど難しくありません。
隙間が多いので、計画通りの換気量は期待できませんが。

 と、以上のことを踏まえると、外壁はパイプファンを温度センサーを組み込んで取り付けようかと思います。
内部に関しては、機械換気なので100φの塩ビパイプを使用して、コーキングと気密処理用のテープを駆使し固定と壁内の空気を室内に引き込まないように注意しようと思います。
冬季は中に念のためGWを詰めて、塩ビのキャップをつけて密閉すれば済むかなと。
外壁の給気孔も同じような処理をしようかなと。

 いつ実現するかは分かりませんが、来年の夏までには頑張ります。

プロフィール

埼玉県鴻巣市で創業40年。 地域に根差し、お客様にとって最適な工事を提供出来るよう心掛けています。

HN:
加藤茂貴
性別:
男性
趣味:
コンガ、ジャンベ等パーカッション演奏
自己紹介:
会社名称:
 有限会社 カトウ工務店
 (1級建築士事務所併設)
所在:
 埼玉県鴻巣市松原1-20-10
tel/fax:
 048-541-1014 / 541-1017

フリーエリア